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2021年6月12日 (土)

プーチンとバイデンは何について話をするのだろう?

2021年6月10日
ワレリー・クリコフ
New Eastern Outlook

 プーチンとバイデンの会談が近づくにつれ、それを巡る誇大宣伝が、時に、ロシア嫌いヒステリーとなる。特に、もちろん、最近、欧米評論家や政治家連中は、崩壊したソ連邦(ソビエト社会主義共和国連邦)から「ソ連」戦術を取り込んで洗練された。

 欧米メディアは、二つの超大国リーダーのサミット評価で、ゼロ・サム・ゲームを想定して集中している。彼らはプーチンを「狡猾で」「表裏がある」と呼び、バイデンを、彼が最近「殺人犯」と呼んだ人物の目を勇敢に見つめる英雄として描こうと懸命だ。

 ニューヨーク・タイムズは、この会談が、約30年前のソ連崩壊以来、ロシア-アメリカ関係が最悪の時に行われることを認めている。2人の指導者の関係は張り詰めていると言うのは控えめな表現だと、同紙は述べている。

 露骨に「民主主義寄り」新聞のワシントン・ポストは、いつものロシア嫌いの熱情で、前駐ロシア大使で、現在フリーマンスポグリ国際研究所理事長マイケル・マクフォール口から直接、アメリカの民主党の態度を述べている。「バイデンは、ロシアとの関係を改善しようと努めるべきではない。そうではなく、彼のチームはプーチンのロシアを封じ込め、時に対決する包括的戦略を開発しなければならない。」同時に種々の活動領域に関して「具体的勧告」がされているが、協力ではなく、対決強化だ。要するに「歴史を作らなかった」駐モスクワ・アメリカ大使として、マクフォールは、ホワイトハウスに、アメリカとロシア間協力で以前築き上げられていた分野を浸食するために使った表現である、同じ過ちを繰り返すよう提案しているのだ。

 6月5日、交渉を成功させるには、ジョー・バイデンとアメリカ政府は「ロシア政府に振り回す大きなこん棒」が必要だとハドソン・インスティテュート上級研究員レベッカ・ハインリッヒがフォックスニュースで語った。現在、アメリカの分析で最もレベルが高いものが、ワシントンに、もっぱらこん棒を振り回すよう促しているのだ!

 欧州議会と欧州議会議長のダヴィド・マリア・サッソリさえ、あつかましくも、政治的重みを得ようと、ジュネーブでの会談前に、ロシアとアメリカ間の来る会談を、ジョー・バイデンに対決を押しつける口実として利用して、指導者二人の対話に割り込んだ。ブリュッセルでは、いくつか公然とロシア嫌いの声明が既に発表されている。ワシントンは、サミット前に、6月15日のために用意された「共同声明」草稿を提供された。

 CNNは、アメリカとその同盟諸国のために、古いアメリカ技術を称賛し、米空軍とNATOのOperation Allied Skyで、約100機の爆撃機の特別部隊をロシア国境付近での険しいデモ飛行とされるもので「ロシアへのメッセージ」を送った。ジュネーブでのバイデンとの会談前に「プーチンを怖がらせる」つもりなのだ。別の版で、同じメディアは、ロシアでのスパイ活動のかどで有罪判決されたアメリカ人ポール・ウィーランのロシア刑務所における拘留状態を積極的に論じるようバイデンに求めているが、アメリカにおけるヴィクトル・バウトや他の数人のロシア市民の不適切な窮状には触れない。第三国でCIAに露骨に拉致された人々を含めて!適切な人権は国外のアメリカ人囚人にだけ適用され、アメリカの多くの政治犯を含め他の全員、ワシントンにとって「3等」の人々であるかのようだ。

 ナショナル・インタレストは、モスクワとワシントンは新たな核軍備競争の間際なので、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とアメリカのジョー・バイデン大統領の会談は良い時に行われると強調している。バイデンに「強気で渡り合う」よう提案し、記事は中距離ミサイル制限とミサイル防衛体制について合意に達し、両国の核兵器の規模と射程を制限することに対し、先例を設定するよう勧めている。記事によれば、このような計画は、射程や場所と戦闘準備態勢にかかわらず、あらゆるタイプの兵器に制約を課し、ロシアとアメリカ両国にとって、核兵器管理分野で大きな可能性がある。

 NBC TVネットワークは、ウラジーミル・プーチンとの会談は、ジョー・バイデン大統領が今後三年にわたり、彼の様々なイニシアチブがどれだけ成功するかを決定する重要な出発点になると認めている。ホワイトハウスは「時間と競争」していると考えていることが強調されている。今年の終わりまで下院議員は選挙運動に懸命だろう。民主党(中間選挙で大統領の党で、しばしば起きるように)が下院の支配を失うと想像願いたい。その場合、バイデンは任期の終わりまで、どんな厳しい立法目標も達成する機会を失うだろう。

 ホワイトハウスは既に「大きな成果は期待して」いないと言って、プーチンとバイデンの会談への期待を明らかにした。入手可能な情報によれば、米国の立場は一点に収束するまい。逆に、この会談を、ロシアに対する新しい一連の主張や非難をするために使う可能性がある。「だから、このサミットを考えてみると、基本的に、両大統領間で、アメリカの意図と能力が何であるかを伝え、ロシア側からも同様に聞くことを可能にすることだ」とサリバンは規定した。今サミットを行うのは、時宜に適っているかどうか問われて、アメリカ国家安全保障補佐官が言った。「これはロシア接触するのに適切な状況だ。」

 ロシア大統領と会う直前、アメリカ大統領は、スイスで何を議論したいと望んでいるかについて概説するワシントン・ポスト論説を公表した。同時に、彼はヨーロッパでの政策と人権尊重に関して提起するつもりだが、ロシアと対立したいと思ってはおらず、ロシアと予測可能な安定した関係を持ちたいと望んでいると述べた。「会う際、私はアメリカやヨーロッパや志を同じくする民主主義諸国と共に、人権と尊厳を擁護するという誓約を繰り返すつもりだ」とジョー・バイデンは書いていた。

 最近の国連によるアメリカに対する人権問題リストさえ、非常に長いのは注目すべきだ。死刑、人種差別、囚人虐待や、囚人が公開裁判なしで拘束されるグアンタナモ湾刑務所。これは国連人権理事会メンバーが、アメリカ定期レビュー報告書での検討中に興味を持った問題の部分的リストだ。だから、フォーリン・アフェアーズの主張は全く適切だ。「アメリカよ、他の国々に説教していることを実行せよ!」

 会談の準備段階で、アメリカ政治エリート集団に示された、対決を辞さない攻撃的な手法を背景に、ロシアが提案した計画は衝撃的なほど異なっている。二国間問題以外に、国連安全保障理事会常任理事国として、ロシアとアメリカが共同で責任を負う国際安全保障の側面も含まれている。控え目に言っても、二つの超大国指導者が、ごく親密ではないにせよ、初めての会談で共有責任の話題を話しあう機会は他にないのだから、現実的、実際的な取り組みではあるまいか?

 先日、ウラジーミル・プーチン大統領は、二国間関係を解決する方法を見いだすべきだと述べ、この立場を繰り返した。「我々はアメリカに同意する。彼らとは、一つだけ意見の相違がある。彼らは我々の成長を抑圧したいと望んでいて、彼らは、それを、あからさまに語っている。他の全ては、この姿勢の派生だ。経済制裁と、我が国の国内政治過程に影響を与えようとする試みのいずれも、彼ら自身のものと、彼らが考えるロシア国内の勢力に頼っているというのが全てなのだ」とプーチンは語っている。

 クレムリンは、プーチンとバイデンの会談に過大な期待はしていないが、それにもかかわらず、二国間の対話の始まりでさえ、積極的な一歩であるのことは確実だ。

 ワレリー・クリコフは政治評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/06/10/what-will-putin-and-biden-talk-about/

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 岩波書店の月刊誌『世界』7月号のアルンダティ・ロイの記事を読み終えた。文書末尾、個人名、政党名を入れ換えれば、日本そのもの。政府専用機で、飛び去って欲しいという願望までそっくり。是非ご一読を。

 インドのパンデミック─人道に対する罪

 昨日だったか、テレビで、ノルウェー、オスロの五輪招請担当市議が登場して、IOCの理不尽な要求が漏れて、市民の反感を買い候補地から降りたという番組を見た。今回の五輪騒ぎで化けの皮がはがれたのが唯一の成果。

 自民党のボンボン政治家。議員バッジをつけた反社そのもの。他にもぞろぞろいるが。

 LITERA

平井卓也デジタル相のヤクザ恫喝はオリパラアプリのデタラメ発注をごまかすため! 不自然な契約、異常な金額、いまだテストできず

 とうとう悪法が成立した。衝撃的なのは、野党をなのる政党が幇助していること。

日刊IWJガイド・特別公開版「参院本会議で国民投票法『改悪』が可決・成立! 法制上いつでも改憲発議が可能に!! IWJの財政危機にどうか緊急のご支援をお願いいたします!」2021.06.12号~No.3194号

 全ての悪法はつながっている。列島丸ごと、宗主国戦争の醜の御楯、砲弾の餌食にするため。

 デモクラシータイムス番組 34分

こんなおバカな法律が… 安保土地取引等規制法【田岡俊次の徹底解説】20210609

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