ウクライナ海軍を強化し、NATO加入の準備をさせるトルコ
Rick Rozoff
Anti-bellum
2021年6月21日
トルコとウクライナのメヴリュット・チャヴシュオールとドミトロ・クレーバ外務大臣は週末の3日間、トルコ、アンタルヤ外交フォーラムで両国の軍事協力強化推進を論じるために会談した。
会談内容についてウクライナ外務省は下記を発表した。
「メヴリュット・チャヴシュオール外務大臣はトルコは、あらゆる可能な方法でウクライナのユーロ大西洋統合を支援し続けると保証した。両外相は、ウクライナ海軍にNATO標準を導入し、防衛力を強化し、NATO加盟諸国との相互運用性を増し、黒海の安全保障のための諸国間協力強化を支援するウクライナとトルコ海軍間の協力拡大の可能性を論じた。」
ブリュッセルでの6月14日のNATOサミットまで、そして、その間のNATOへの加盟承認に対する断固とした支持で、クレーバ外務大臣は、トルコに謝意を表した。ウクライナのNATO加盟に対するアンカラの支持は、30カ国の軍事ブロックのどの国にも劣らない。
ウクライナは「トルコのドローンが非常に優れているので」トルコのバイラクタルTB2ドローンを購入するとクレーバは会議で記者に述べたが、まさにこの文脈で非常に良いのだ。
「どんなエスカレーション計画あるいはウクライナに対するどんな大規模攻撃前にでも、ロシアが良く考えるよう、ロシアを阻止するため、ドローンが必要だ。」
外務大臣はトルコとウクライナは、モスクワにさらに頭痛を与えるクリミア・タタール人問題を利用する上で「非常にしっかり」協力していると付け加えた。トルコはナゴルノ・カラバフに対する44日間のアゼルバイジャン戦争を支援したばかりで、ロシア支配からチュルク/イスラム教の同系民族を「解放する」モデルを繰り返すのを決して反対するまい。クリミア半島は、一時的占領されている領土だというウクライナ表現は、トルコが忠実におうむ返ししている。トルコは同様に、同盟国ジョージアも占領地だと主張する、まだ「解放されて」いないナゴルノ・カラバフの部分とアブハジアと南オセチアを同じように見ている。
トルコはウクライナの軍事力増強に便宜をはかり、ドンバスでの戦争を支援し、NATOへの加盟を推進し、ウクライナがクリミア半島でタタール人分離主義者を刺激する中、黒海でロシアと対決する準備をさせている。
トルコとウクライナの外務大臣は、ヴォロディミル・ゼレンスキーとレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が議長を務めるハイレベル戦略評議会の近々の10回目会談と、両国の防衛及び外務大臣で構成される二国の四者形式の次回会談計画を論じた。
4月にトルコとウクライナの大統領は、トルコの首都で20項目の声明を作成したハイレベル戦略評議会の最新会議のため会合した。その文書で、ドネツクとルハンスク共和国にウクライナに戻ることを強いて、ロシアをクリミア半島から追い出し、キエフのNATO加盟を認めることに関し、そのスポンサー、アメリカ、NATOと欧州連合と、ウクライナの立場をトルコは完全に支持している。ウクライナとトルコ共和国間のハイレベル戦略評議会の第9回会談の共同声明は「クリミア半島自治共和国と、ドネツクとルハンスク地域領域同様、セバストポリ市の解放」を要求している。
4月10日の会談後、ウクライナ大統領のWebページは「今日の会談で二国間戦略的提携の全分野が考慮された」ことを確認した。ゼレンスキーはエネルギー分野と武器製造での共同事業の約束を強調して引用した。エナジー分野では、他の問題に加えて、1,100マイルのバク-トビリシ-ジェイハン石油パイプラインとバク-トビリシ-エルズルムのガス・パイプラインがカスピ海地域からトルコまで結び、ウクライナが連結する見込みだ。
ゼレンスキーはトルコ-ウクライナ防衛協力は「二国間戦略提携の機関車」だと述べた。
四者会談(2+2)の最新会談は3月24日、アンカラで開催された。4人の大臣はその後共同声明を発表したが、その一部は下記のようなものだ。
「国別コーディネーターは、黒海地域の安定性と安全を復活させるため、安全保障と国防分野で、ウクライナ・トルコ間協力を深化させ、防衛産業で更に協力を進展させる方法を話し合った。協議の個別の話題は、一時的ロシア連邦に占領されているクリミア半島の現状やドネツクとルハンスク地域の領土だ。参加者は、中東、北アフリカ、東地中海やコーカサスの地域の対立を解決する可能性について意見を交換した。」
会談の少し前にアルメニア系レバノン人学者エギア・タシジンはこう警告した。
「私の最大の恐れは地域レベルのものだ。ウクライナが戦争準備をしたり、トルコや欧米のお墨付きで、少なくともロシアが支配するドンバスで武力衝突を引き起こしたりしているのは秘密ではない。私がウクライナとロシア軍の供給ルートとドンバス近くの重火器の展開をモニターし始めてから二間たった。キーイウは、アルツァフ共和国[ナゴルノ・カラバフ]でのトルコとアゼルバイジャンの勝利に動機づけられて、トルコとの軍事関係を確立しようと、トルコのバイラクタルTB2ドローンを購入した。ロシアは、それが二面戦争に使用されるかもしれないと知り、アルメニアが再度のトルコ-アゼルバイジャン侵略に対し自身を防衛できないことを知っていて、陣地を構築し、シュニク地方のシシアンの放棄された飛行場を再開して、南アルメニアにおける存在を強化している。」
トルコとウクライナの外務大臣の会談に関するニュースが広く知れ渡ると、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はこの特徴的におざなりな声明を発表した。
「NATOにウクライナを引きこむ企みに関する立場を我々は非常に明確にした。私は真面目な、責任ある諸国は、我々が意味していることを非常に明快に理解すると確信している。我々はトルコの同僚と定期的対話のもう一つの機会を計画している。私はもちろん我々がこの話題を議論すると信じている。」
数日前、トルコ大統領自身によってこの声明が行われ、トルコ報道機関で発表された-征服したナゴルノ・カラバフに軍事基地を開設するトルコの考えについて質問されて、ラブロフは肩をすくめて「私はうわさには答えない。」と述べた。
ロシア政府がトルコの同僚の行動を、どれだけ本当に心配しているかに関しては、ウラジーミル・プーチン大統領報道官ドミトリー・ペスコフによる数週間前のこの吐露が明らかにしている。
「トルコと、その独自路線への誓約への固執は非常に強固で、NATOからの注目の高まりと、おそらく、懸念の対象だ。もちろん、これはアメリカの懸念の対象で、[トルコのレジェップ・タイップ]エルドアン大統領が自信を持ってトルコを率いる様子はワシントンの気に入らず、アメリカは、より従順なトルコが好きだと、アンカラを怒鳴りつけたがっている。」
Rick Rozoffは有名な著者で地政学専門家、50年以上、戦争、軍国主義、干渉主義に反対している。彼は反戦ウェブサイト、Anti-Bellumと、For peaceを運営している。
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