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2021年6月 2日 (水)

ロシアとの戦争のために積極的に準備するアメリカ

2021年5月31日
ワレリー・クリコフ
New Eastern Outlook

 現在、アメリカ合州国の社会、経済、政治情勢が安定からほど遠く、社会が益々分極化していることは、誰にとっても非常に明白だ。実際、現在の米軍や政治エリート集団のメンバーでさえ、公開演説でこれを認めている。だから、ジョー・バイデン大統領と彼のチームは、国を団結させ、対立の少ない方向に導こうと懸命だ。

 近年、アメリカとロシアの関係が悪い方向に進む中、現在、アメリカ政権は、政治、貿易、あるいは(アメリカには無関係な)欧州連合(EU)向けのノルドストリーム2の建設であれ、ロシア連邦との対決に向かっているのは、著者には非常に明らかだ。ジョー・バイデン大統領は、表面上、かなり攻撃的な、敵対的イデオロギーの言説を道具として利用して、この目的を実現しようとしている。

 反ロシア・プロパガンダの他に、アメリカや西洋のメディアが報じる多くの記事によれば、アメリカ政府は、本質的に、バルト諸国、黒海、北極海や、ロシア連邦東部で国境を接する地域を通して、ロシア侵略の準備を始めた。

 Business Insiderの5月17日の報道によると、特殊作戦軍ヨーロッパ(SOCEUR)は、いくつかのNATO加盟諸国やパートナー諸国の部隊と、より小規模な演習と同時に、最大の年次演習を行った。両演習は、「バルト諸国から、スカンジナビア南から、ウクライナや黒海地域に及ぶ、ロシアとの本格的対立を、同じ時間にシミュレーションして」展開された。本物そっくりの演習は、Trojan Footprint 21と、ブラック・スワン21と呼ばれ、「ルーマニアと東ヨーロッパ全域で行われた。」この記事は、クリミア半島は「海軍特別作戦にとって理想的環境だ」とも述べている。実際、既にアメリカのSEALチームは「上陸急襲作戦や、待ち伏せや、海上、陸上の特別偵察や、海でのセンサーや、敵艦船への吸着型機雷設置など含む水中特殊作戦」を行うことが可能だ。記事の筆者は、ロシアのレーダー施設や、A2/AD(接近阻止・領域拒否)「バッテリーと指揮統制システムは、SEAL小隊にとって;必然的標的だとも述べている。二つの演習は、本質的に「ロシアとの大規模紛争で、通常部隊と特殊作戦部隊が、どのように協力するか」を示した。

 Business Insiderによれば、ロシア軍は、併合以来、クリミア半島におけるプレゼンスを強化し「陸と空から、モスクワの南側面を守る、一見、鉄壁の城塞にし」それを侵略するのをかなり困難にしている。

 現時点で、アメリカの報復を求めている人々にとって、クリミア半島は、かなり長期間、ロシアの砦と見なされていることを想起する価値がある。実際、この半島にある、外国戦士のための多くの墓地が、この土地の血まみれの歴史を示唆している。そして、過去には、アメリカや同盟諸国の軍隊には、最近と違い、公然とゲイの軍人はいなかった。

 The National Interestの5月17日記事が、アメリカには、「先進的防御を打破する一つの暴力交響曲」と表現されるカリーニングラード攻撃計画があったと報じた。ヨーロッパ・アメリカ空軍司令官ジェフリー・L・ハリギャン大将は、この都市と駐屯地が、マルチドメイン作戦の「主要標的であり得ると述べた」。Breaking Defence副編集長シドニー・J・フリードバーグ・ジュニアは、カリーニングラードに、空、陸、海とサイバースペースから、つまり「先進的防御を打破する一つの暴力交響曲」の同時攻撃があり得ると述べた。ハッカーが最初に「通信ネットワークを混乱させることが可能で」、ジャミング飛行機がレーダーを混乱させる。その間「爆撃機や艦船や潜水艦が長距離巡航ミサイルを発射可能で」、地上部隊は「ロケットを発射する」。そこで、ステルス戦闘機と爆撃機が、生き残った防衛を貫通して「GPS誘導兵器」を投下することが可能だ。

 だが上述計画の背後にいる連中は、アメリカとヨーロッパ同盟諸国へのロシアの反撃大規模ミサイル攻撃や、戦争の陣太鼓を叩く連中や、対立に引きずり込まれた他の誰に対しても極超音速兵器がもたらす可能性がある損害を忘れているように思われる。実際、第二次世界大戦の形勢を変えたのはロシアのカチューシャ・ロケット・システムだった。

 ロシアに対する武装侵略の準備を、もはや欧州連合は秘密にしていない。EUの防衛大臣が参加するEU外務理事会の5月6日の会議で、PESCO(常設軍事協力枠組み、欧州連合の安全保障・防衛政策の一環)のプロジェクト、ミリタリー・モビリティに参加するカナダとノルウェーとアメリカの要請を認める決定がなされた。この三国は、この構想に参加するよう招かれた最初の国々だ。だが、そもそもこの構想実現は、約50,000人の人員をバルト諸国に配置転換する機会を欧米に与えるものなので、ミリタリー・モビリティ・プロジェクトは本当に防衛を中心に構成されてはいない。現在の一つの問題は、EU、特に東ヨーロッパの貧弱なインフラだ。それ故、近未来の計画は、道路や橋や鉄道などを、軍の大量輸送に対処可能なように改良することだ。

ドイツのアンネグレート・クランプ=カレンバウアー国防大臣は、三国をプロジェクト、ミリタリー・モビリティに参加するよう招いた動きを歓迎し「欧米同盟関係と、欧州連合とNATO間協力の大きな一歩」だと述べた。この構想に対する彼女の支持は、過去成功した軍事行動、例えば、普仏戦争(1870-1871)中の記憶から生じているのかも知れない。だが、クランプ=カレンバウアー国防大臣は、どうやら、19世紀と20世紀、ロシア帝国とソ連を征服する試みに失敗したことに気付いていないようだ。

 反ロシア・プロバガンダ活動の一環として、ラグナル・バイキング演習と名付けられた、イギリス海軍、米海軍、フランス海軍と、ノルウェー海軍の艦船が参加する、最近の海軍演習を写した、いくつかの実に印象的な写真が欧米メディアによって公開された。The Driveは、米海軍によれば、この演習は「ノルウェー海、北海、バルト海におけるNATO最高の団結、連帯と信頼を示す」よう意図されていると報じた。記事は、この演習の特定要素として「北大西洋から、リトアニアに至る、長距離攻撃能力、ノルウェーでの上陸作戦、のデモンストレーション、プラス、北大西洋での対潜水艦作戦と、水上行動群作戦などを含む」とも書いている。

 不幸なことに、上記の例は、アメリカとNATO同盟国によって最近採用されている対ロシアの執念深い政策の唯一のものではなく、ジョー・バイデン大統領とアントニーブリンケン国務長官による、ロシア指導部と、より安定した予測可能な関係を持ちたいという声明とは正反対の動きだ。

 ワレリー・クリコフは政治評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/05/31/us-actively-prepares-for-war-with-russia/

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 少し前に翻訳した記事 締まるNATOの輪なわ とつながる内容。

 大本営広報部は決して触れない日本のお粗末なガラパゴス犯罪的コロナ対策の真実。1時間40分Q

緊急提言!! 変異型ウイルス克服への道 児玉龍彦x上昌広

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