より親切な、より優しいアメリカ帝国が可能だというウソ
2021年6月11日
ケイトリン・ジョンストン
ミネソタ州選出のイルハン・オマル下院議員は、またもや悪意で始められた人為的論争の中心になったが、今回は、彼女が「考えられない残虐行為」の加害者として、ハマスとタリバンと同次元で、アメリカとイスラエルに言及したTweetを巡るものだ。
「人類に対する犯罪の全ての被害者のために、我々は同じ水準の説明責任と公正を維持しなければならない。我々は、考えられない残虐行為が、アメリカ、ハマス、イスラエル、アフガニスタン、タリバンによって行われるのを目にしている」と、オマールは、アメリカとイスラエルの戦争犯罪に対する説明責任で、トニー・ブリンケン国務長官から、まともな答えを得ようとする彼女の全く失敗した取り組みのビデオを掲載して言った。
これはナンシー・ペロシや、一群の下院民主党議員の、怒りの余り衣服を引き裂くような芝居がかった演技を引き起こしたが、これは、アメリカやイスラエルのような殺人戦争挑発政権を、ハマスとタリバーンのような、それほど破壊的でない地域部隊と比較するのがばかばかしいからではなく、アメリカとイスラエルが、最悪の場合でも、時折悪気ない間違いをするだけの慈悲深い国家ではないことを、主流政治で言及するのは許されないためだ。
We must have the same level of accountability and justice for all victims of crimes against humanity.
— Rep. Ilhan Omar (@Ilhan) June 7, 2021
We have seen unthinkable atrocities committed by the U.S., Hamas, Israel, Afghanistan, and the Taliban.
I asked @SecBlinken where people are supposed to go for justice. pic.twitter.com/tUtxW5cIow
人類に対する犯罪の全ての被害者のために、我々は同じ水準の説明責任と公正を維持しなければならない。
我々は、考えられない残虐行為が、アメリカ、ハマス、イスラエル、アフガニスタン、タリバンによって行われるのを目にしている。
私は@SecBlinkenに、公正を求めて、人々はどこにゆくべきか尋ねた。pic.twitter.com/tUtxW5cIow
- イルハン・オマール下院議員 (@Ilhan) 2021年6月7日
戦争犯罪と人類に対する犯罪について、著名なアメリカ当局者から何らかの譲歩を得ようとする、哀れなほど失敗した試みの中で、これまでの20年に、何百万人も殺害し、何千万人も強制退去させた権力構造に対する痛ましいほど穏健な批判で、アメリカの政治/メディア支配階級からそれほど多くの憤慨と辛辣な言葉を引き起こし、またしても、オマールは、発言を後退させる意見公表を強いられた。
「月曜日、私は進行中の国際刑事裁判所調査について、アントニー・ブリンケン国務長官に尋ねた」とオマールが彼女の議会ウェブサイトの声明で言った。「誤解のないように言おう。このやりとりは、それら国際刑事裁判所の具体的案件に関する説明責任についてであり、ハマスやタリバンやアメリカやイスラエルの道義的な比較ではなかった。私は確立した司法制度を持つ民主主義国家と、テロ組織を決して同等に扱っていなかった。」
そういうことだ、淑女紳士の皆様。主流アメリカ政治で、帝国批判を許されるのは、そこまでなのだ。これほど弱い無力な批判の水準でさえ、主流政治的/メディア支配階級の誰にとっても、境界の遥か外なのだ。
だから、読者がピンとこなかった場合のために申し上げるが、進歩的民主党員というのは冗談だ。彼らは本物ではない。文字通り、アメリカ帝国の意味のある批判さえ禁じられるなら、実際、帝国を解体するなど、言うまでもなく、彼らは冗談だ。彼らは、どんな種類の本当に進歩的な狙いの推進に決して成功するまい。
実際、進歩的な民主党員の間には、アメリカ帝国を終わらせずに、進歩的課題を推進することが可能だという、この暗黙の疑うことのない前提があるのだ。国民皆保険制度や、生活に十分な給料や、世界舞台での一層倫理的な行動のような素晴らしいものを手にするのに、実際にアメリカ帝国を解体し、軍をぎりぎりまで削減する必要がないのだ。
これは純粋な幻想だ。そんなことは決して起きない。
the US is a significantly more violent and destructive terrorist organization than Hamas. This is not remotely controversial
— Rob (@robrousseau) June 10, 2021
アメリカはハマスより遥かに強暴な破壊的テロ組織だ。これは、いささかも物議をかもすものでない
- Rob (@robrousseau) 2021年6月10日
アメリカが地球規模の帝国の中心である限り、この機械の動きに干渉するには、アメリカ人を余りにも貧しく、余りにも忙しく、余りにも混乱させておく必要があるのだ。臨界質量の人数のアメリカ人が、選挙運動寄付をして、世界で何が実際に起きているか研究する十分な自由時間を持ち、ストレスがなくて、調べて、自国政府が彼らの名で子供を殺して、帝国を順調に稼働させてるいるのを悟れる十分な金を持つことを許すことはできない。国を動かす帝国主義寡頭政治を維持しながら、収入と富の平等を得ることはできない。
帝国は、圧政、搾取、無知と血で生きている。その世界秩序を支持するため、暴力と、暴力の脅威を使わなければ、一極世界秩序で地球を支配するのは不可能だ。国内の人々を締め殺し、外国の人々を爆撃しなければ、寡頭政治帝国を維持することはできない。以上、終わり。
アメリカ政治勢力の左端に見られる主な断絶は、帝国主義殺人機構の終わりを求める人々と、帝国主義殺人マシンが彼らに医療を与えるよう望む人々の間にある。一つ目の集団は、欲するものを手に入れるために非常に困難な戦いに直面する。二番目の集団は、不可能な空想物語で自慰にふけっているに過ぎない。
これは、誰が本物か、誰がそうではないかを知る方法だ。彼らは寡頭政治帝国を解体することを望んでいるだろうか、望んでいないだろうか?もし彼らがそう望んでいれば、彼らは本物のために戦っているが、寡頭制支配者が所有する政治/メディア支配階級は、彼らに発言する場を与えるまい。支配者がそうしなければ、彼らは評論家や議席を得るかもしれないが、彼らは快く聞こえる空しい言説のつまらない物以外決して何も与えるまい。
支配体制のプロパガンダへの対処を優先事項にするまで、左翼は決して目標を達成するまい
The Left Will Never Achieve Its Goals Until It Prioritizes Countering Establishment Propaganda
— Caitlin Johnstone ⏳ (@caitoz) March 6, 2021
"Seize control of the narrative."https://t.co/TElXuByjLh
「言説を支配せよ。」https://t.co/TElXuByjLh
- ケイトリン・ジョンストン (@caitoz) 2021年3月6日
私が常に指摘している通り、解決策は、誰に発言の場を与え、誰に与えないか、帝国が決められるようにしている寡頭政治のプロパガンダ機構を破壊し、信用を失墜させるため一緒に働くことだ。彼らが、より親切な、より優しいアメリカ帝国が可能なふりをして、実際に現状を解体したいとを望む人々を無視する、気の抜けたエセ進歩派を持ち上げることが可能な限り、本当の変化を強制するのに十分な国民の認識は決して生まれない。人間行動の、あらゆる積極的変化は、常に認識拡大の直接の結果なので、皆を搾取し、だましている寡頭政治帝国があるという事実の認識を広めることが、本当の変化を望む全員にとって、最重要優先事項であるべきだ。
人々が、この機構を破壊できないわけではなく、この機構が人々に与える道具を使って、この機構を破壊することはできないだけだ。お互い現実に目覚めさせる草の根の努力は、全く実現可能な目標であり、十分な数の目が開いた途端、何でも可能になる。
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