アメリカは決して他の国々の選挙に干渉しないと語るアメリカの愚かな大統領
2021年6月17日
ケイトリン・ジョンストン
ウラジーミル・プーチンとのジュネーブ・サミット後、驚くほど追従的な記者会見で、バイデン大統領は、もしアメリカが外国選挙に干渉し、皆がそれを知っていたら、世界はアメリカについて、どう思うだろうかという完全な仮説シナリオを仮定した。
世界中で最も強力な政府の大統領に、APのジョナサン・レミールが、もしクレムリンが、アメリカ選挙に干渉した場合、ロシア大統領を、どんな「結果」で脅したか尋ねると、バイデンは、彼らしく、さほど明瞭でない単語をぐだぐだ並べた後、こう言った。
「これについてはっきりさせておこう。もしアメリカが、世界の他の国々から、直接他の国々の選択に干渉していると見られ、皆がそれを知っていたら、どうだろう? 彼が携わっている活動に、我々が従事したら、どうだろう? 主要世界的強国としての地位を懸命に維持しようとしている国の立場を弱めるだろう。」
記者団全員が、このばかばかしい発言に抱腹絶倒、笑いでどよめかなかった事実は、それ自身、欧米ニュース・メディアが純粋なプロパガンダだという証拠だ。第二次世界大戦が終焉し、世界覇権国に上昇して以来、あらゆるクーデターや、カラー革命や、代理勢力紛争や、政権転覆のための軍事介入は言うまでもなく、アメリカは多数の外国選挙に直接干渉している。アメリカは、90年代、ロシア選挙に公然と干渉し、文字通り、民主的なプロセスに干渉することで、ボリビアでクーデターを演じようとした。アメリカは、この分野においては、世界で最も言語道断な違反者であり、それがアメリカが、他のいかなる政府より大きな民主主義に対する脅威と世界中で見なされている理由だ。
これは、国際的にも、アメリカ国内でも、秘密ではない。世界舞台でのアメリカ政府の実際の行動について、いささかでもかじった人は、皆これを知っている。数年前、元CIA長官は、フォックスニュースで公然とそれについて冗談を言った。
特別検察官ロバート・マラーによるロシアのアラシ屋メンバーとされた、13人の起訴に関する2018年のインタビューで、フォックスのローラ・イングラムが、ジェームズ・ウルジー前CIA長官を予想通り「旧友」として紹介し、ウルジーは予想通り、ロシアの「反情報」がどれほど危険か語り、イングラムが予想通り、皆実際に中国を恐れるべきだと言った。だが、いささか驚かされたのはインタビューの終わりに起きたことだった。
「我々は今まで他の国々の選挙に干渉しようとしたことがありますか?」ウルジーのロシア発言に応えて、イングラムは尋ねた。
「おお、おそらく」とウルジーは笑みを浮かべて言った。「だが、それは、共産主義者が権力掌握するのを避ける、体制のためだった。例えば、ヨーロッパで、47年、48年、49年、ギリシャとイタリアで、我々CIAは」
「でも我々は、もはやそれはしない?」イングラムは中断した。「我々は他の国々の選挙に介入しませんよね、ジム?」
ウルジーは微笑み、「そうですね」と言い、それに続いて冗談の支離滅裂なつぶやきを言って「良い目的のためだけ」と付け加えた。
そして、彼らは一緒に笑った。
記者団の誰一人、バイデンの法外な発言を問いただしたり批判したりしなかった事実は、欧米メディアと、その本当の機能が何かについて、人が知るべき全てを物語っている。これはサミット中の他の不愉快な宣伝者連中の行動で実証されるが、民主党部内者アンドレア・チャルパのツイッターでの熱烈な称賛が非常に見事な典型だ。
「#GenevaSummit2021の勝者はホワイトハウス記者団だ」とチャルパは言った。プーチンと対決し、無情な独裁者とのサミットを行ったバイデンに挑戦する「卓越した質問。そして、プーチンの警備・宣伝者にないがしろにされると彼らは文字通り立場を堅持した。」
それは全てを物語っている。欧米の記者連中は、どんな意味ある方法においても、権力と対決することを、連中の寡頭政治所有者に禁止されている。彼らがせいぜいできることと言えば、CIAが標的を定めた政府のリーダーに異議を申し立て、彼ら自身のリーダーが、なぜそれらリーダーに対し、よりタカ派、より攻撃的にしないか知りたいと要求することだ。
RTのムラド・ガズディエフは、こう指摘した。「ABC、NBC、BBC、CNNや多くの他の欧米メディアはプーチン記者会見に招かれた。ロシア・メディアはバイデン記者会見に招待されなかった。」 まるごと、欧米「ジャーナリスト」が、彼らのぼけた大統領が、プーチンをにらみ倒すという空想をでっちあげ、自己陶酔、自慰的冷戦プロパガンダばか騒ぎで、彼らはロシア大統領に、アレクセイ・ナワリヌイについて、たわごとを叫び、バイデンの回答には、キャーキャー心酔したのだ。
アメリカの商業マスコミ・ジャーナリストが「あなたはなぜ、それほどアサンジを恐れるのですか?」とバイデンに叫ぶのを誰か想像できるだろうか?
Can anyone imagine a US corporate journalist screaming at Biden: "Why do you fear Assange so much?"
— Glenn Greenwald (@ggreenwald) June 16, 2021
Always easy to condemn the acts of the governments your country tells you to see as Enemy. Much harder - and way more meaningful - to challenge your own government's repression. https://t.co/CtzeU37pn3
国が敵として見るように言う政府の行為を非難するのは簡単だ。遥かに困難で遥かに有意義なのは自国政府の抑圧に異議を申し立てることだ。https://t.co/CtzeU37pn3
- グレン・グリーンワールド (@ggreenwald) 2021年6月16日
アメリカの戦争犯罪をあばいたかどで、本物のジャーナリストはベルマーシ刑務所に行かされる。欧米の宣伝屋連中は、プーチンに、なぜアホで、大馬鹿で、駄目な頭か尋ね、一晩じゅうピューリッツァー賞の夢を見るのだ。
欧米ニュース・メディアは、大衆の心にプロパガンダを注ぎ込むために存在している。連中は、アメリカ政府が、なぜ既に、とにかくすると計画していることをする必要があるか言説を紡ぎだすため、不透明な政府機関と協力して働く富豪に支配されている。これは日ごとに益々明白になる。
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ニュース・メディアは、大衆の心にプロパガンダを注ぎ込むために存在している。
大本営広報部、次から次と、どうでもよい話題連発。下記のような大問題にはふれない。(と思う。今朝は洗脳電気紙芝居スイッチを入れていない。)芸人や御用評論家がたわごとを並べるなか、日本丸ごと宗主国天領化が進んでいるように思えるのは被害妄想だろうか?
一部をコピーさせていただこう。
昨日未明、多くの市民や市民団体、野党の反対にも関らず、参議院本会議で、「国家安全保障上重要な土地等に係る取引等の規制等に関する法律案」(通称、「重要土地利用規制法案」)が、慎重な審議を求める野党の要求をふり切り、与党および維新等の改憲派勢力による強行採決によって、可決・成立してしまいました。
中略
与党がこうした戦時体制の法整備や改憲による緊急事態条項の導入をあわただしく急ぐのは、国際社会におけるパワーバランスの急激な変化、とりわけ米国の動向と大きくリンクします。上述した法体系はすべて、背後に米軍の影が見え隠れします。米軍の影がちらつく法案に関しては、自・公・維新・国民民主党ら、改憲勢力の面々は異様な執念を持って成立を急ぎます。これらの政党が、事実上、誰のエージェントなのかをこの点がよく物語っています。
デモクラシータイムスで半田氏が、下記の43分番組で法案の実体を解説しておられる。
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