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2021年5月23日 (日)

締まるNATOの輪なわ

Brian Cloughley
2021年5月18日
Strategic Culture Foundation

 ロシア国境を巡るNATOの軍事輪なわは、高まる挑発にモスクワが反応するよう強いるため締められつつあるとBrian Cloughleyが書いている。

 NATO前線における、最近の進展の一つは、情報機関ストラトフォーが「ブルガリア、チェコ共和国、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ルーマニアとスロバキアを含め、NATOの最東方加盟国集団と呼ぶ、いわゆる「ブカレスト9」会議だった。これらの国の大部分が、あり得るロシア侵略を阻止し、アメリカ合州国との緊密な協力を維持し、エネルギー源を多様化し、共同インフラ計画を発展させる課題で戦略権益を共有している。」バイデン大統領とNATO事務局長イェンス・ストルテンベルグが出席したビデオ会議の目的は、アメリカ-NATO軍事同盟によれば、任務の「狙いを前進させ」「参加諸国にとっての同盟の権益問題に関する意見を強固にし、共同安全保障管理プロジェクトを支援する」ことだった。

 換言すれば、ブカレスト9の目的は、世界で最も高額な洗練された軍事機構に屈辱を味合わせた戦争で敗北したアフガニスタンからアメリカとNATO同盟諸国が撤退する中、NATOが、強化されつつあるアメリカ-NATO対決の一環として、ロシア西部国境地帯に、更に圧力を加えるのを支援することだ。彼らは、攻撃機や無人機や戦車や砲兵隊を持たない一群の粗末な身なりの戦士に打ち負かされたのだ。NATO撤退後、タリバーンが最終的に引き継いで、アフガニスタンが偏狭な神政と残酷さの大混乱に陥った後、アフガニスタンで民主主義を認める意図は皆無だ。

 2003年8月、「アフガン当局を機能可能にし、アフガニスタンが二度と再びテロリストの安全な避難所でなくなるのを保証すべく、効果的治安を提供するアフガニスタン国家安全保障軍の能力を構築する」任務で、NATOはアメリカに続いてアフガニスタンに入った。2015年、戦争と訓練役割への移行は「今日までNATO最長で最も困難な任務だった。ピーク時には、50カ国のNATOとパートナー国部隊で、兵士は130,000人を超えていた」と宣言した。連中は彼らの国における外国勢力駐留に反対する数千人の戦士にむちで打たれた。

 そこで、2011年、平和の名のもとに爆撃して、リビアに対する楽しい戦争をし、アメリカ-NATOのためにヨーロッパに戻った。この凶暴なファンダンゴは「ユニファイド・プロテクター作戦」と命名されたが、それが守ったのは欧米武器製造業者の利益だった。9,600回の空襲で、リビアに7カ月爆弾投下し、ロケット弾で攻撃した後、当時のNATO事務総長アナス・フォー・ラスムセンはトリポリに行き「この国と地域を助ける上で、わが組織とパートナーが果たした役割を誇りに思う」と宣言した。だが、我々が余りにも良く知っている通り、リビアは混乱状態にある。

 私が6年前書いたように、リビアに対するアメリカ-NATO戦争に関与していた二人の著名人は、2009年から2013年まで、NATOアメリカ政府代表だったアイヴォ・ダールダーと、同期間、アメリカの欧州連合軍最高司令官(NATO軍司令官)だったジェイムズ・G(「ゾルバ」)スタヴリディス海軍大将だ。2011年10月31日、彼らが戦争を終わらせたとき、有頂天になった二人には「ユニファイド・プロテクター作戦が終わりに近づく中、連合とパートナーは、並外れた仕事をうまく成し遂げたと振り返ることができると、ばかばかしい主張をニューヨーク・タイムズ記事に掲載させた。なかんずく、適切に用いられた限定された武力使用が、実際の肯定的な政治的変化に影響を与えることができることへの、リビア国民の感謝に、それを見ることができる。」というのだ。

 だが、ヒューマンライツ・ウォッチは、アメリカ-NATO破壊によって放たれたリビア内戦が「医療と電気を含め基本的サービス供給を妨げていると報じている。あらゆる党派の武装集団が非合法に殺し、無差別砲撃し、民間人を殺し、重要インフラを破壊している。」無秩序な混乱から逃がれようとする人々のためのNATO諸国支援はない。リビアでのアメリカ-NATO軍事介入は、世界、とりわけ、オバマやダールダーやスタヴリディスやラスムッセン-が深く恥じるべき途方もない数の人権侵害行為をもたらした。ヒューマンライツ・ウォッチによれば「リビア移民や亡命希望者や難民は、ヨーロッパに到達しようとしながら途中海で阻止され、欧州連合が支援するリビア沿岸警備隊に返された何千人も含め恣意的に拘束され、そこで多くが冷遇や性的暴行や強制労働や、ゆすりを経験している」。

 過去20年ほどで、アメリカ-NATO軍事同盟唯一の実績は、アフガニスタンとリビアの破壊と、数えきれない何百万人もの人々に貧困と死を与えることだった。だから連合は、存在を正当化するため、もう一つの作戦領域に焦点を合わせる頃合いなのだ。幸せな冷戦の日々に戻り、5月6日、欧州理事会で、ストルテンベルク事務局長は「我々が話をしている今も、我々はNATO演習の一環として、何千人もの兵隊を派遣しており、我々はルーマニアでそれをしている。それは我々が、いかにNATO部隊を動員し、演習させるか、どのようにヨーロッパ中に彼らを派遣することが可能かも明示する。」とうれしげに発表した。彼らが、まさにアフガニスタンでしたのと同様に。

 そこで、ブカレスト9会議が行われ、バイデン大統領が対決政策に対する圧倒的支持と「NATOの阻止・防衛姿勢強化への支持を表明し、戦略上の競争相手による有害な経済的、政治的動に対する、この同盟の回復力の支持を発表し、彼は、これら同盟諸国や出席していたイェンス・ストルテンベルグ事務局長と、6月14日のNATOサミットで論じられるはずの将来の脅威に対応する同盟の取り組みについて触れ合う機会を歓迎する」と発表した。

 これらは全て究極的な直接対決のための、かき立てであり、バイデン大統領がNATOサミット前にプーチン大統領との対話に同意する兆候は皆無だ。実際、たとえホワイトハウスが対決より対話を考慮に入れ始めるにせよ、バイデンが「今我々の安全保障と同盟を終わらせる上で、アメリカにとっての最大の脅威はロシアだと思う」という2020年の宣言を撤回する可能性はありそうにない。

 バイデンのNATOに対する「揺るぎない」誓約と、「ブカレスト9」のためのNATO軍事力増強に対する無条件の支持と、ロシア国境沿いでのNATO強化は、NATOをアメリカの先駆として利用し、ワシントンの対決政策を続ける意図の露骨な表示だ。現在の「NATO東部側面」沿いでの強化には「ステッド・ファスト・ディフェンダー(断固たる防衛者)」と呼ばれ、ストルテンベルクが「北アメリカから遥々黒海地域から、ポルトガル沖まで、軍隊を陸海に配備し、NATOの即応性と軍の可動性を試す」と宣言する作戦が伴っている。

 アフガニスタンとリビアでの大失敗や、破壊や、続く混乱を考えれば、アメリカ-NATOが必ずしも、最近の歴史で最も効率的軍事同盟でないのは明白だが、ロシアに、より多くの軍事圧力を加えるため「北アメリカ軍によるNATOヨーロッパ同盟国の急速な強化」を確保する決意が固いのは余りに明白だ。国防総省のジョン・カービーが発表した通り、5月-6月の「ディフェンダー・ヨーロッパ」NATO画策は「特に、バルカン諸国と黒海地域」で「破壊性」を実証するよう意図されている。

 ロシア国境を巡るNATOの軍事輪なわは、高まる挑発にモスクワが反応するよう強いるため締められつつある。世界や人類にとって、この好戦的対決で考えられる恩恵は皆無だ。だが国防総省とブリュッセル分室はNATO国境での強化と武力誇示の決意が固い。

 Brian Cloughleyは、イギリス軍とオーストラリア軍の退役軍人、元カシミール国連軍事使節副団長、元在パキスタンのオーストラリア国防担当大使館員

個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2021/05/18/the-tightening-of-the-nato-noose/

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 下記IWJインタビュー拝聴した。DVで、お金がなくなり、警察に保護を求めたら、拘留され見殺しにされた悲惨さ。

フルオープン【17時~ ライブ配信】岩上安身による 日本共産党 山添拓参議院議員インタビュー

 今日の日刊IWJガイドに、コメントがある。その一部をコピーさせていただこう。

 本日の日刊IWJガイドでは、後段で昨日行われた岩上安身による山添拓議員インタビューの報告をお伝えいたします。インタビューでは、18日に与野党間で廃案が決まった入管難民法改悪案問題について詳しくうかがいました。

 インタビューの中で山添議員は、名古屋入管で収容中に亡くなったウィシュマ・サンダマリさんのご遺族が、「私たちが貧しい国の出身の人間だからこういう扱いをするのか」「アメリカ人だったら同じようにするのか?」と問いかけたことをあげ、「根底に、外国人に対する差別や偏見の認識が、制度的にも社会的にも作られている」と指摘しました。

 米国への盲目的な隷属と、アジアへの蔑視は表裏一体であり、安倍政権、菅政権には、「国民主権」や「人権」という概念が皆無、もしくは「邪魔なもの」と思っているしか思えません。

 そもそも、日刊IWJガイドの見出しには、こうある。

「IOCコーツ副会長が緊急事態宣言下での五輪開催に「イエス」!「日本人の命よりカネ」の五輪利権を剥き出しに!

 植草一秀の『知られざる真実』でも

身も毛もよだつ銭ゲバIOCの正体

 連中、ナチス強制収容所所長に見えてくる。

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