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2021年4月24日 (土)

見通しの明るい北極海航路とワシントンの陰鬱な悪夢

2021年4月20日
ワレリー・クリコフ
New Eastern Outlook

 3月下旬の悪名高いコンテナ船エバー・ギブンによるスエズ運河閉鎖の後、ロシアの北部海岸線沿いの北極海航路は、アジアからヨーロッパまで、商品輸送の最も魅力的な選択肢の一つになった。この文脈で、今、砕氷船が、実際、この航路での通年航行を保証できるので北極圏の氷河溶融は、北極海航路を益々魅力的にしている。この事実が、北極海航路を、スエズ運河の主要競争相手に変え、アメリカ、カナダ、北欧諸国や、益々多くのアジア諸国同様の注目を引き付けている。更に、この代替航路は商品輸送を、より速く、より安くする可能性がある。平均して、中国北部の港町を出発し、スエズ運河を通過した後、48日で、貨物船はロッテルダムに着くが、ロシアのLNGタンカー・クリストフ・ドゥ・マルジェリーは、ノルウェー出航から15日で韓国到着に成功しており、3倍以上早い。

 実際、中国は北極海航路の潜在能力に本物の関心を持っており、最初、2009年の昔、この航路を、インド洋を横断する海のシルクロード航路のあり得る選択肢と考えていると発表していた。2013年、中国唯一の砕氷船雪龍が、ムルマンスクから上海まで航行し、北極海航路を実験した。砕氷能力のある船の艦隊を構築し、アイスクラスのタンカーを注文し、新砕氷船が韓国で建造される予定で、北京は、いわゆる北極のシルクロード開発に取り組んでいる。

 北極海航路開発により積極的に参加すべく、中国はロシアに、北極圏で共同の経済的、科学的プロジェクトの資金調達をする海開発銀行を創設するよう助言した。現在、中国は既に、このプロジェクトに従事する枠組みを決めている。大連船舶重工集団とハルビン工程大学で、後者は、北極圏研究を促進する大規模な助成を受ける。

 中国は北極圏に領土はないが、北京は、北極海を通る中国・ヨーロッパ間の海の経済回廊を創造するため、既に北極圏書諸国と協力する意図を発表している。この航路を存続可能にするために必要なインフラ開発に参加するよう中国企業を奨励し、中国も、この地域での航行安全問題に特別な注意を払い始めた。北極諸国と共に、北京は、釣りや観光事業などの側面にも注意を払いながら、技術革新を進めて、北極圏で石油、ガスや鉱物資源の生産を推進するつもりだ。この航路での中国の主要パートナーは、もちろん積極的に北極海航路を開発しているロシアだ。

 だが北極海航路の大きな将来性に加えて、北極圏には未開発の潜在的に無尽蔵な鉱物埋蔵があり、人類に与えられる多くの物が融ける氷の下に隠されている。北極圏だけでも発見された埋蔵量は、国連によれば、1000億トン以上の石油と50兆立方メートル以上のガスがある。その大部分がロシアに所属し、それがワシントンを一層嫉妬深く緊張させる。

 北極の画期的な点で、もう一つ重要な次元は軍事的要素だ。最近、アメリカは、ロシア、より最近では中国に関し、理由がない主張を広めて、世界の国々を怖がらせる試みに忙しい。国防総省のCNN情報提供者は、新しいロシア基地と兵器が、主権の国境を守るのみならず、全北極圏地域の実際の支配を確立するため、モスクワに使われかねないという彼らの懸念を繰り返し、発言している。

 4月5日、定例記者会見の際、国防総省報道官ジョン・カービーは、アメリカは、北極圏でのロシアの活動に特別な注意を払っていると述べ、ワシントンは、この地域における国益を擁護する、あらゆる意志があると発言した。だが、カービーは、アメリカが北極圏のロシアの地域で、守るつもりの権益が何かを具体的に示し損ねた。一方、NATOの東方への非拡大に関して、多くのアメリカ大統領がゴルバチョフやエリツィンとした合意にもかかわらず、ロシア連邦国境に益々近く、軍隊を配備しているのは、ロシアではなく、アメリカであることを我々は忘れてはならない。ロシアは軍事基地の輪でアメリカを包囲しておらず、その逆で、ロシア国境付近に、4万人以上のアメリカとNATOの兵士が配備されているのは誰でも知っている。加えて、モスクワは、ワシントンに、アメリカ州のいずれかで、どのように行動すべきか指示しているだろうか?すると、なぜ全能とされるせん妄状態の支配層アメリカ・エリート代表が、北極圏のロシア部分で、ロシアがどのように振る舞うべきか自身が発言するのを許すのだろう?

 このような発言が全く許されないのは言うまでもない。だが、8つの北極圏諸国中、5カ国がNATO加盟国で、更に二つの北極圏諸国、すなわちスウェーデンとフィンランドが、同盟に引きずり込まれつつあり、この地域での軍事衝突の危険が増大しつつある。最近、National Interestは、ロシア、アメリカ、中国を含め、北極圏で「大国諸国の競合」があると指摘している。だが、この出版物は、現在アメリカは、自由に使える砕氷船艦隊を持っていないことを認めており、他方ロシアは、様々なクラスで、合計53隻の砕氷船を持っており、更に六隻が完成に近く、更に、そのうち何隻かが超重量級の12隻が準備中だ。

 最悪の悪夢の影響で、アメリカとNATO同盟諸国は、最近積極的に北極圏の軍事化に従事している。過去一年だけでも、アメリカ海軍作戦部長マイケル・M・ギルデイが述べているように、国防総省は、北極圏で2ダースの訓練と作戦を終結させており、新しいものを開始する予定だ。例えば、去年冬、Arctic Edge 2020と呼ばれるアメリカとカナダの軍の共同訓練を行った。この訓練の表明された目的は、極めて寒冷な天候で作戦を行う軍事能力を見極めることだった。去年、Cold Responseと呼ばれる大規模演習が、NATO諸国により、ノルウェーで行われた。目的は、またしても、厳しい冬の状態での高強度戦闘活動実践と、上陸作戦部隊の大きな可能性を試験することだった。同時に、去年春、バレンツ海でのNATO軍事演習は寒波のため失敗した。

 4月9日、ロシアの北極圏での活動増加とされることへの「アメリカの懸念」について発言して、マリア・ザハロワ外務省報道官は、ロシアを抑止するための北極圏の利用と、この地域を武装化する北大西洋連合の願望を懸念していると述べた。

「地域の増大する緊張の発生源の可能性について話すなら、北極圏での、アメリカと、その同盟諸国の闘争的言説と連携した軍事活動を考慮するのが論理的だ。実際、NATOと、北極圏でない国々を含めたNATO加盟国が、そこで挑発をしており、益々頻繁にそうしている。最近彼らは、ロシアに極めて近い北極海で、いくつか、このような作戦を実行している。北極圏に軍を配備し、この地域を、ロシアを封じ込める悪名高い政策を実行するために利用する願望は、当然の懸念を引き起こす。」と彼女は強調した。

 もちろん、近い将来、アメリカが、北極圏でロシアに追いつく可能性はない。だが彼らの緊張エスカレーション強化は、アメリカのみならず、全人類に悲惨な結果をもたらしかねない。

 ワレリー・クリコフは政治評論家。オンライン誌「New Eastern Outlook」独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/04/20/the-bright-prospects/

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 サウジアラビアやUAEからはるばるタンカーで化石燃料を輸送するより、ロシアからのパイプラインを建設して、購入するほうが経済的にはるかに合理的であることは、政府幹部も官僚も十分承知している。属国ゆえ、その選択肢がないのだ。北極海航路、日本でも、ガス輸送を試みているようだが、本格的活用を宗主国は許すのだろうか?

 コロナ流行で医療崩壊が語られる中、大本営広報部「介護」については全くといって良いほど触れない。下記デモクラシータイムス番組が問題点を指摘している。

【金子勝の言いたい放題】2035年には団塊全員85歳超 コロナ禍の介護 崩壊する
制度 ゲスト:結城康博さん 20210421

 「ワクチン入手、接種」でぐずぐずしているうちに、日本で一回目の接種を終えるころには、既成ワクチンが効かない変異株ばかりになっているのではないだろうかと素人は想像する。新規株には効果が少ないワクチンを高値で買わされるのでは? 収益は、新規変異株に効くワクチン製造に向けて。ポンコツお下がり兵器を大量に属国に売りつけ、その儲けを次期計画に投入する宗主国の手法に習って。

 日刊IWJガイド

【撮りおろし初配信・IWJ_YouTube Live】19:00~「免疫逃避変異E484Kとは? 『第4波』変異株感染拡大にもかかわらず、過少検査でワクチンも打てないまま東京五輪強行開催の愚!岩上安身による 国立遺伝学研究所教授 川上浩一氏インタビュー(2)」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

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