撤退はアフガニスタン人が支配するアフガニスタンにしかねないと警告するアメリカ諜報機関
2021年3月27日
ケイトリン・ジョンストン
現状で、アメリカがアフガニスタンから軍隊を撤退すれば、アフガニスタンは、そこに住む人々に支配される危険があると、アメリカ諜報機関が、バイデン政権に警告した。
「アフガニスタンで、タリバンによる権力奪取の可能性という諜報情報で、バイデンに影響を与えようとしている当局者」という題のニューヨーク・タイムズ 記事は、「タリバンとアフガン政府間のなんらかの合意の前に、アメリカ軍が撤退すれば、過激派組織が国の大半を占領するだろう」と諜報情報評価が予想していると警告している。
「諜報情報予想は、何年ものアメリカ軍による訓練と、何十億ドルものアメリカ資金にもかかわらずアフガン保安部隊は脆弱なままだ示唆し、タリバンが比較的速く、アフガニスタン支配を拡大するだろうと予測した」とNYTは報じている。
速報:アメリカ諜報機関報告が、タリバンが国際部隊撤退後、2年か3年以内にアフガニスタンで権力を掌握する用意ができていると述べた。一部の当局者が、それをバイデン大統領に軍隊を撤回しないよう促すために使っている。https://t.co/OUBn2TmDxF
- ニューヨーク・タイムズ (@nytimes) 2021年3月26日、
2001年のアフガニスタン侵略を含め、全てのアメリカ戦争を首尾一貫して支持しているニューヨーク・タイムズは、タリバンが、アフガニスタン政府との権力分担合意に署名するのを避けるため「引き延ばしをしている」と報じている。
「カタールのドーハで、タリバンとアフガニスタン政府間の動きがゆっくりした交渉で、5月1日前に前進を示すためバイデン政権は最後の努力をしている」とNYTは報じている。「アメリカ当局者によれば、タリバンは、引き延ばしをしている。」
彼らが、そうしないわけがあるだろうか?Defense Prioritiesの政策部長ベン・フリードマンはこう言っている。「もしこの評価が正しければ、もしアメリカ軍が去ったら、タリバンはアフガニスタンの大部分を占領でき、彼らはそれを欲しており、彼ら自身を制限する協定に署名する理由があるだろうか? なぜアメリカが撤退し、手を引く協定に署名しないのか?アメリカ軍をそこに維持するのは、単なる牛歩戦術だ。」
もしアフガニスタンで最も強力な派閥が権力を望み、権力をとる能力を持っていたら、彼らは、権力を維持する能力がない派閥と権力分担協議に署名することで得るべきものは何もない。ニューヨーク・タイムズとアメリカ諜報カルテル(現時点で、これらを別個の組織という範ちゅうに入れることができるなら)は、アフガニスタンで継続中の軍事駐留を、間もなく来る状態を待ち受けている一時的状況として好意的に解釈しようとしているが、全くのウソだ。タリバンは自発的に自身の力を削ぐことを選ぶまい。
そして、アフガニスタン・ペーパーが、アメリカ戦争機構が、アフガニスタン占領継続を正当化するため、手当たり次第にウソをついていた事実を曝露した後、それが意図的ではないと信じるなら、その人の正気ではないだろう。アメリカ軍は自由を認めないタリバン勢力の支配から、女性の権利を守るためにアフガニスタンにいるのではなく、そこを支配することで、アメリカが世界舞台で多くを得られる 重要な戦略地政学的地域だからなのだ。これが、アフガニスタン・ペーパーが出て来るやいなや、マスメディアによって、即座にメモリーホールに放り込まれ、今我々が聞くこと全てが、なぜ撤退が悲惨かについての更なるでっち上げな理由だ。
アフガニスタンからの軍の全面撤退の前に、満たされる必要がある「条件」について、アメリカに集権化した権力連合が、くどくどしゃべるが、彼らが本当に言っている条件は、テヘラン、モスクワ、北京が傀儡政権になることだ。イランとロシアと中国が、アメリカ属国の帝国の塊に、まんまと吸収されるのに抵抗する限り、この軍事駐留は続き、それを正当化するための言説が作り出されるだろう。
タリバンは完全に地域の目標を持った、完全な地域勢力だ。地球の裏側の国で、彼らが権力の座にない状態を維持するために軍事力を使うことに対し、国防を根拠にする主張などあり得ない。彼らの退行的イデオロギーから、アフガン女性を守るため、軍事力で、彼らを権力の座から遠ざけなくてはならないという主張は、これも途方もないことだが、世界中の全ての自由を認めない文化規範を終わらせるため、アメリカ軍を使わなくてはならないと言わない限り、途方もないことだ。
アメリカ帝国と、その言説管理者全員は、もしアメリカが去れば、タリバンが権力を掌握すると主張する時、彼らが本当に言っているのは、アフガニスタンに、アメリカがいなければ、アメリカは、もはやアフガニスタンを支配できないだろうということだ。当たり前だ。もちろん、そうだ。そこに住んでいる人々が、もし彼らがそう選ぶなら、暴力で、自身の国の運命を決定するだろう。定義上、ある国に主権を返すということは、彼らに自身の運命を支配させることを意味する。この自明な事実を、軍事力の中止に反対する結論を出すために使うのは、他国が自己主権であるべきだと信じないのを認めるに過ぎない。
暴力的な連中による圧制的支配がなければ、暴力や圧制があるかもしれないと言うのは二つの違う意味で愚かだ。アフガニスタンを占領しているオーストラリア軍が、そこで恐ろしい戦争犯罪を行ったのは既知の事実で、アメリカ軍戦争犯罪の国際裁判所による調査への妨害をアメリカ政府がやめれば、多くの犯罪が見つかるだろうことは確実だ。
現時点で、アメリカはこう主張しているのだ。「もし我々がアフガニスタン人を殺し続けなければ、彼らはお互いに殺しあうかもしれない」。もしアメリカが、前の和平協定で設定された5月1日の期限後、アフガニスタンに留まれば、彼らは占領軍を攻撃し始めると、タリバンは警告しており、アメリカ帝国が占領を続けることで平和を維持するふりをするのは全く根拠がない。彼らは平和を維持するためにそこにいるのではなく、彼らは支配を維持するためにそこにいるのだ。
米軍はそこで起きることを支配するため、外国を永久占領するべきだろうか?それこそ、今まさに検討すべき本当の議論だ。全ての言説わい曲を無視し、これに集中しよう。
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