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2021年4月 1日 (木)

中国というNATOの「好機」を白状したストルテンベルグ

Finian Cunningham
2021年3月28日
Strategic Culture Foundation

 中国やロシアが脅威とされていることなど忘れよう。彼らは現実的に、NATOとアメリカ帝国主義にとって「好機」なのだ。

 ふと気を抜いた瞬間、中国の台頭は難題と「好機」の両方だと表現して、イェンス・ストルテンベルグNATO事務局長は、うっかり秘密を暴露した。彼が、うっかり認めたのは、中国に対する対決政策が、この軍事同盟に大いに必要だった新目的を与えることだ。

 ストルテンベルグはバイデン政権が出席した最初の大臣NATOサミットを記念するためトイチェ・ヴェレで独占インタビューをしていた。3月23日-24日にブリュッセルNATO本部で開催された2日間サミットに、30カ国の軍事同盟の他の外務大臣とアントニー・ブリンケン国務長官本人が出席した。

 NATO会議は、アメリカとヨーロッパ同盟諸国が、人権問題とされることに対し、中国とロシア制裁を強化する協調政策の中で行われた。今週、アメリカ、カナダ、イギリスと欧州連合は、北京とモスクワに対する新制裁実施という未曾有の調整をした。この挑発的展開が、バイデン政権が中国とロシアに対し、同盟国が一層敵対的な統一姿勢をとるよう要請している中、実際の参加とビデオ会議による注目を集める国際会議後に起きているのは偶然の一致ではない。

 バイデン政権は、前任者トランプの「アメリカ・ファースト」政策から、「活性化された」大西洋両岸関係を精力的な主張に変えた。ワシントンは、より統一したアメリカ-ヨーロッパ軸が、中国とロシアに挑戦する、より効果的な戦略手法と見なしている。そしてNATOは新たな調整手段となっているのだ。

 だが、団結を求める上で、バイデン政権は、必要上、彼らをより重要な脅威として描いて、中国とロシアに対し、ずっと攻撃的な政策を推進しなければならない。これはワシントン政策の先陣を切る上で、アメリカ軍事同盟が、より大きな責任を持つことを意味する。今週、NATO共同声明は、ロシア「侵略」に対決する、同盟の結束を確認した。モスクワは、ロシアはどの国も脅かしておらず、NATOがその存在を正当化しようとしていると言って、この文書を酷評した。

 ロシア下院議員レオニード・スルツキーは、NATOが旧ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク、リビアやシリアで開始した戦争と介入を示して、防衛連合だというNATOの主張は「露骨なウソ」だと述べた

 今週、アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は、中国の台頭と、欧米を不安定にするロシアの試みがNATOに集まるよう要求した「脅威」だったと主張した。ブリンケンは不誠実にも、アメリカは、同盟諸国には、中国問題で「我々につくか、彼らにつくか」決めるよう強要しないと付け加えた。それこそ、まさにアメリカがしていることだ。

 イェンス・ストルテンベルグや他のヨーロッパ指導者は、バイデン政権下で大西洋両岸関係「新時代」に熱狂している。教養がないドナルド・トランプと、彼の軍事予算を巡る容赦ない威圧的態度に対処した四年の後、一部のヨーロッパ指導者は「アメリカが戻った」というバイデンの一見甘美な保証に安堵のため息をついている

 もちろん、元ノルウェー首相で2014年以来、NATO事務総長のストルテンベルグのような連中が、彼らの快適な暮らしや、将来、大企業が資金供給するシンクタンクでの閑職のために、より強い同盟の推進に依存しているのは確実だ。ストルテンベルグは常に冷戦の始めの70年以上前に設立され、30年前に冷戦が公的に終結したにもかかわらず、以来膨張し続けている組織NATOのために常に新しい理念と活動を見出そうと努めている。彼が使う専門的言いまわしは、この同盟を「時代遅れにならない」ようにすることだ。それはアメリカ主導の軍事組織が実世界の安全保障の必要と無関係に存在を続けるための永久の口実を見いだことだ。

 今週ドイチェ・ヴェレのインタビューで、ストルテンベルグは中国の台頭について発言した。彼は恐ろしげなことを、ほのめかして言った。「中国は我々の重要なインフラに投資して、我々に益々近づいている。」

 おそらく、それは、中国が欧州連合の世界最大の貿易相手国で、何十年ものネオリベ資本主義と緊縮財政で破産したヨーロッパ諸国の主要な外国直接投資者だからだ。

 ストルテンベルグは更に言った。「我々は中国の台頭と、世界の勢力バランスの変化に対して、我々地域同盟の安全保障の懸念に対処するのを避ける方法はない。」

 更に通常用心深く無表情なストルテンベルグが、つい口を滑らせた。中国は「北アメリカ-アメリカ-とヨーロッパ関係新時代を開く特別の好機」だと言ったのだ。

 ほら!だから、中国が「脅威」や「敵対国」として示される本当の戦略的価値は、ヨーロッパを、ワシントンの覇権地政学目的に従属させる、アメリカが主導するNATOブロックに新たな目的を与えることなのだ。ここで強調されるのは、中国が実際そうである本当の関係、すなわち重要な経済パートナーの一つではなく、「脅威として提示されること」にある。(ロシアのヨーロッパとの膨大なエネルギー協力も同じだ)

 その大企業による世界支配と資本主義秩序を追求するアメリカは、当然ながら、中国とロシアの台頭が具体化する多極グローバル政治経済を阻止しなくてはならない。

 だが極悪非道な政治問題は、ワシントンとそのヨーロッパの代理は、存在している普通の自然な関係に基づいて、このような立場を正当化できないことだ。なぜなら、そうすると彼らは不愉快な不当な侵略者として見られるから。従って欧米の「ルールに基づく秩序」とされるものに対する「安全保障上の脅威」として中国とロシアをまとめるのは必要不可欠なのだ。

 欧米の「ルールに基づく秩序」が、NATO諸大国が世界中の国々を侵略し、犯罪的戦争と国家転覆を行い、何百万人も殺し、国家崩壊や集団移動から生じるテロや他の安全保障上の脅威を解き放って、ルールと秩序を破壊していることなど、どうでも良いのだ。

 中国やロシアが脅威とされていることなど忘れよう。彼らは現実的に、この同盟が究極的に奉仕しているNATOとアメリカ帝国主義にとっても、その犯罪的な存在と行為の口実を見いだすためにも「好機」なのだ。(冗談に、general 将軍というより、secretary 秘書だと言われている)イェンス・ストルテンベルグ事務局長に質問していただきたい。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2021/03/28/stoltenberg-comes-clean-on-china-opportunity-for-nato/

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 厚労省は、厚労破壊省であることを自ら証明した。今日の孫崎享氏のメルマガによれば文科省は文科破壊省だ。ケイトリン・ジョンストンさんも言っておられる。学校は洗脳機関だと。金持ちが我々を洗脳していれば、我々はその「ニュース」を聞いているはずだ

文科省は、領土問題で国家的虚偽を強制する省か。戦後日本が行った国際約束等見れば、北方領土、竹島、尖閣諸島「わが国固有の領土」と言えない。ポツダム宣言、降伏文書、国連憲章、桑港講和条約(千島を放棄)、沖縄返還時の尖閣の位置付け、米国地名委員会(竹島)

 日刊IWJガイド 本日午後2時半より インタビュー!

<本日のインタビュー>本日午後2時半より、岩上安身による東京新聞社会部記者・望月衣塑子氏インタビューを配信します! 悪事・不祥事の総合デパート、菅自公政権と政権におもねる官僚たちを手厳しく批判し「権力とメディアのあり方」を問う! 稀代の菅ウォッチャーが語る菅政権の汚職・癒着・ジェンダー・オリンピック・コロナ!

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