アメリカは、ロシア周辺で、どのように厄介な状況を作りだしているのか
2021年4月21日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook
2月、アメリカのジョー・バイデン大統領が最初の主要な外国施政方針演説をした際、競争相手に対して厄介ごと面倒を作り出すのを糧にする介入主義と対決主義という政策設計へのアメリカ回帰を示唆した。それゆえ、中国の様々な一帯一路構想(BRI)プロジェクトの主要流通基地である新彊で「大量虐殺」をしているとアメリカが中国非難し続けるのを目にしているが、同様に、喪失した一極世界支配を再確立するアメリカの野望にロシアを従わせようとして、ロシアにも厄介な状況を押しつけるべく、ウクライナで問題を作り始めている。最近ロシアに課された大半の制裁が現在の傾向をはっきり示している。だがアメリカがウクライナを反ロシア浸けにしている手口は、アメリカが戦争の条件を作り出し、そのシナリオをNATO活動範囲拡大のために利用する方法を雄弁に語っている。
3月1日、国防総省は、1億2500万ドルのウクライナ軍事支援計画を発表したが、これはバイデン政権でのその種で最初のものだ。国防総省文書は、計画が「追加の対砲火レーダや、戦術装置の準備、衛星画像や分析能力、軍の医療や戦闘撤退手対する継続的な支援を通した、ウクライナ軍の致死性、指揮統制と状況認識能力強化を含むと述べている。」この支援はアメリカ議会によって割り当てられた2021年会計年度のウクライナ安全保障支援構想資金の1億5000万米ドルとは別だ。2014年以来、これはワシントンが、ロシアに対し闘争的になるようキエフを奨励するために行う典型的手法になっている。
4月13日、ロシアのウラジーミル・プーチンへの電話で、ジョー・バイデンはアメリカはこうすると確認した
ウクライナの主権と領土保全への「変わらぬ誓約。大統領は占領されているクリミア半島、ウクライナ国境での突然のロシア軍事力増強に関する我々の懸念を主張し、ロシアに緊張を緩和するよう要求した。」
4月4日、ウクライナ国軍(AFU)のOperational Command Eastは、挑発的に、今年末、NATO軍と「コサック・メース演習」という合同軍事演習を行うと発表した。これはウクライナ軍初の軍事演習ではないが、現在の地政学状況を反映して今回顕著な相違がある。
従って、通常のウクライナ-NATO演習は、純粋に「防衛」作戦だという声明を明確に示して発表されるのに対し、AFUの最近の文書は、これは「分離主義者に支配されるドンバス」だけでなく、ロシア軍に対する攻撃をシミュレーションすると明らかにした点で異なっている。
ウクライナがクリミア半島の奪還を狙っていることを合わせて考えると、直接の領土攻撃という今回の武力増強の性格が明白になる。2021年3月、ウクライナのドミトロ・クレバ外務大臣がTwitterで書いた。「[ウクライナ政府]は2014年以来必要とされていた歴史的文書「クリミア半島解放&再統合戦略」を承認した。意図は極めて明確だ。我々はクリミア奪還を支援するのを支援するよう世界に呼びかけるだけでなく、ウクライナ自身、献身的、体系的努力をする。」
従ってロシアもウクライナ国境に軍事力増強を始めたが、ウクライナ政府が、どんな犠牲を払ってもクリミア半島を奪還する意図を公式宣言するまで、これは起きなかった。
ロシアに不必要な戦争を強制しようとして、アメリカがロシア周囲で問題を増強している理由は、上記のとおり、一極世界秩序を再現するためだ。
下記を発言した、ロシア外務省広報担当マリア・ザハロワは鋭く正確だった。
「アメリカは、アメリカ覇権が不可能な多極世界の客観的現実を受け入れる準備ができていない。アメリカは、制裁圧力と、我々の内政干渉に賭けている。この攻撃的行為は、確実に毅然とした抵抗に出会うだろう。制裁には、必ず対応する。ワシントンは二国両間関係の悪化に代償を払わなければならないことを悟るべきだ。起きつつあることに対する責任は全てアメリカ側にある。」
多くのアメリカ人にとって、バイデンのホワイトハウス入りは、世界の勢力のバランスをアメリカ優位に回復させることを意味していた。バイデン当選に向けロビー活動をしていた多くの企業や団体は、彼の大統領就任は「モスクワにとっては不利で」あり、言葉の上でも、実質的にも、二国間関係の更なる悪化に導く可能性が高いと見ている。
ウクライナ指導部にとっても、ジョー・バイデンの到来はウクライナを取り戻す機会だ。そこで、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー現大統領は、2019年選挙運動の際、EU加盟支持を主張しながら、欧米軍事同盟については、ほとんど触れず、NATOに対する彼の姿勢は、これまで曖昧だったが、彼は今やウクライナの全面受け入れをNATOに嘆願している。同時に、ゼレンスキー政権は、親ロシア派野党リーダーを制裁し、放送局を閉鎖で、反ロシア・ヒステリーを漸進的に強化している。
だから、この文脈で、ジョー・バイデン政権が、アメリカ覇権を再現するという明示的な狙いを追求しているためだけでなく、強い立場で、ロシアに命令をする、どんなアメリカの試みにも、ロシアが依然強く反対しているので、ジョー・バイデンの状況を徐々に緩和させる「外交」の呼びかけは、どんな有意義な前向きの進展ももたらしそうにない。
Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの外交、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/04/21/how-the-us-is-creating-trouble-around-russia/
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雨合羽やイソジンやリコール署名偽造、更に、解散で威嚇するサウナ市長やら殺人未遂議員秘書。さすが異神。
五輪、もはや祭典ではなく災厄。下記はLITERA記事
今日の孫崎氏のメルマガ題名は「随想㊺ ウズベキスタンの朝鮮人」
大使として住んでおられた時に、たまたま購入したロシア文学古書。読んでみると、前の所有者が線を引いていた。日本にいた朝鮮人が、強制連行され、現地で読んだものと想像しておられる。今は韓国から直行便があり、多数の韓国人が働いている。
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