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2021年3月29日 (月)

ルーラ復帰と、スプートニク V到着はブラジルの政治状況を変える

ルーカス・レイロス・ド・アルメイダ, リオデジャネイロ大学国際法research fellow in international law at the Federal University of Rio de Janeiro.


InfoBrics
2021年3月18日

 ブラジル政治情勢で変化が起きている。ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ前大統領は最近、何年もの大衆の反感を覆し、強い政治力で復帰した。彼に対する全ての起訴を消した論争の的の裁判所決定後、ルーラは政治的発言能力を実証し、今まで密かに実行していたいくつかの策を明らかにし、その結果は、来たる大統領選挙の約一年前に、ブラジルで大きい影響を与える可能性がある。

 ルーラ発言の最も顕著な結果は、ブラジルへのロシアのスプートニクVワクチン到着だ。ロシア製品に対する何カ月もの連邦政府キャンペーン結果を逆転し、今後数週間で、何千万回分のワクチンがブラジルに送られる。ワクチン到着でのルーラの役割は重要だった。世界流行否定論のボルソナーロ政府に引き起こされた外交問題を回避するため、前大統領は何人かの外国の知人と会談した。前保健相のアレクサンドル・パディリャと一緒に、ルーラは複数の外交活動でロシア当局と連絡をとっていた。

 この作業は、去年、ルーラが、まだ公的生活から排除されていた時に、貧しい国のためのワクチンの広範な配布キャンペーンで、ワクチンを「人類のための公益」の分類に賛成する国際マニフェストに署名して始まった。前大統領はそれから、ウラジーミル・プーチン大統領自身の要請で、ロシアの直接投資ファンド理事長キリル・ドミトリエフから連絡をもらった。プーチンとドミトリエフの意図は、医療外交でブラジルに協力し、スプートニクV配給を拡大するロシアの希望を示すことだった。ルーラは即座に提案を受け入れた。

 パディリャ自身が提供した情報によれば、去年11月にルーラがロシアと交渉し始めた時、ブラジルには、その生産センターが、サンパウロ政府が支配するブタンタン研究所である中国ワクチンしかなかったことを指摘するのは興味深い。同時に、連邦政府は、アストラゼネカのワクチンを持って来る野心を持っていたが、薬品到着の見通しがなかった。ブラジルで、全国的に死者数が日ごとに増大するにつれ、他の企業からワクチンを購入する強い圧力が出現し始めていた。一部の地方自治体がロシア当局とSputnik V購入について交渉しようとしたが、Coronavacでしたのと全く同様に、連邦政府は、予防接種計画でこのようなワクチンを認めることに強く反対した。ルーラは州政府による小規模交渉や、ボルソナーロの反ワクチン聖戦に並行する人物として登場し、製品獲得に好都合な条件を提示したのが彼の成功の理由だ。

 ルーラの戦略は、主に前大統領が大きな政治力がある北東地域の彼と同盟するブラジル知事たちとコンソーシアムを構成し、ロシアとの交渉で同盟を確立し、連邦政府との見込みのない交渉に対する代替物を作ることだった。ビデオ会議によるルーラとドミトリエフとの会談後、ルーラの党の知事たちが直接ロシア直接投資基金と交渉を始めた。ルーラの党メンバーであるバイア州知事ルイ・コスタが交渉を率いた。その結果、ブラジルは、3900万回分のワクチンを購入した。

 この例は、ボルソナーロ政府の医療危機対処での無能力が、より強力な複数外交の必要性をもたらしており、これが連邦政府自身を傷つけるのは確実だ。ボルソナーロはこれまで、コロナ流行に関し二度演説した。最初、彼の姿勢は、完全なコロナ否定論の傾向があった。後に、ボルソナーロは次第にウイルスの深刻さを認めたが、引き換えに、ワクチンについての反科学的論説を支持し、アメリカとイギリスとの政治連合における彼らの国際的権益を表すアストラゼネカとファイザー・ワクチンを支持し、政治提携上の理由で、おそらく、これまで製造されているもので最も効率的なロシアと中国のワクチンに対し聖戦を始めた。ボルソナーロは国民の利益や地方自治体を考慮せず、更にルーラのような彼最大の政敵の強さを過小評価している。

 ルーラの政治生活復帰は非常に論争の的だ。彼に対する全ての法律上の起訴を無効にした法廷裁定は、ボルソナーロに対する政治駆け引き以上の何ものでもない。ルーラは社会主義者や極左政治家からほど遠い。彼は偉大な調停役で、常に経済エリートと民衆階級の権益を同時に支持しようと努めていた。だからブラジル政治の一部は、彼をボルソナーロより安定した人物と見なし、2022年選挙の選択肢として彼を支持する可能性はありそうだ。これは例えば、司法界の立場で、それで訴訟手続き中止に至ったのだ。ルーラは再び選挙に立候補するか、候補者を指名し、彼を強く支援することが可能だ。彼が何百万ものワクチンを得て多くの国民に免疫を与えた事実は確実に彼の主な選挙演説になるだろう。

 だが、2022年のためには、ブタンタン研究所を通してブラジルでのCoronavac生産を指揮するサンパウロ州知事ジョアン・ドリアを忘れることはできない。ドリアはボルソナーロに対し、政治的に大きな離反を始めており、数人の情報提供者によれば、2022年に大統領立候補を計画している。ドリアは、これまでのところ、ブラジルで最も普及しているワクチンCoronavacを生産しており、これが彼の主な主張になり、これはワクチンを基にした選挙論争状況をもたらす。ルーラはスプートニクVを支持し、ドリアはCoronavacを支持し、ボルソナーロはファイザーとアストラゼネカ製品を支持するだろう。このシナリオでは、ボルソナーロは明らかに一番弱い。彼はブラジルで、このようなワクチンを大量製造できなかっただけでなく、おそらく、技術的、財政的に不可能なため、そうすることができるまい。例えば、ファイザーワクチンは、最も高価なのに加えて、保存のために、が-70度(セ氏)に冷却しておく必要がある。このような技術はブラジルに存在せず、それが、このワクチンに基づいた予防接種計画を不可能にする。

 ボルソナーロが、ワクチンに対する彼の姿勢を根本的に変え、予防接種計画を、イデオロギー問題を基礎にするのをやめるか、政治生命が2022年選挙で敗北するかのいずれかだ。

記事原文のurl:http://infobrics.org/post/32982/

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 ワクチンが政治に影響するのは日本だけではない。

 大阪、宮城でコロナ感染が広がっている。いずれも菅政権と親密というところが示唆的。

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