最近アメリカとイギリスは、クーデターをどのように起こしているのか
2021年3月6日
ウラジーミル・ダニーロフ
New Eastern Outlook
最近、アメリカとイギリスは所有するプロパガンダ手段を積極的に使い、彼らの内政と選挙運動に干渉し、彼らの国々で、事実上、クーデターを準備したと、ロシアと中国を益々非難し始めた。こうした宣言をするだけで、これらの非難がウソなので、ワシントンもロンドンも、これら非難を裏付ける、いかなる事実や文書も提示していない。
それとともに、様々なクーデターでのアメリカとイギリスの共謀に関する確認された情報が、公的に入手可能な報道が、種々のメディアから益々頻繁に現れ始めた。
例えば、ドイツの新聞ディー・ターゲスツァイトゥング最近記事によれば、国連の調査者が、2019年アメリカのエリック・プリンスの民間軍事企業ブラックウォーターのイラクや、いくつかの他の国々におけるアメリカ占領中の行動で悪名高いエリート戦士が、国際社会に認められた国民合意政府を排除するため、二度行動をとらなければならなかったことを見出した。だが、この「プロジェクト・オーパス」は失敗した
リビアに対する国連武器輸出禁止令の違反を調査している国連専門家の集団が、近年、リビアでの戦争で、トリポリを支配する国民合意政府の当局者と指揮官を追い出すため、第二の秘密戦線があったという情報を得た。2019年6月、トリポリ近くの場所に、作戦を行うべく、20人のエリート・ブラックウォーター戦士を配備する作戦で「プロジェクト・オープス」と呼ばれるものだ。ベンガジでドイツ新聞が連絡を接触した士官たちは、2019年6月、イギリスと南アフリカから、20人、アメリカ人戦士一人の到着を確認した。敵陣で戦う訓練を受けた狙撃兵と戦士から構成される二番目の集団は、2020年4月に、ベンガジに飛び、次にトリポリ近くの戦線に向かった。2020年4月24日、13人のフランス国民がリビア-チュニジア国境に到着し、重火器を所持していたにもかかわらず、チュニジア国境警備兵に外交官だ名乗った。彼らは逮捕されたが、パリの外交圧力の下、彼らはチュニジアに出発するのを許された。
2020年5月早々、世界中のメディアが、以下の報道で溢れた。ベネズエラへのもう一つの軍事侵略の試みが阻止され、ワシントン傭兵がベネズエラ当局に捕らえられたが、アメリカはコチノス湾作戦(フィデル・カストロ打倒を目指して、キューバ移民をピッグズ湾に上陸させるアメリカ中央情報局CIAによる試み)を繰り返したかったのだ。5月3日、アメリカの民間軍事企業Silvercorpの傭兵が、カラカスから、わずか32キロのラグアイラ市近くのベネズエラ海岸に、どのように上陸しようとしたか想起する価値がある。衛星電話とニセ文書を持った60人の武装戦士が首都に到着し、ベネズエラ大統領を捕らえ、アメリカへ彼を送る計画だった。逮捕された連中の二人、アイラン・ベリーとルーク・デンマンは、アフガニスタンとイラクで軍務についていたアメリカ人だった。5月4日、アメリカのメディアが元アメリカ特殊部隊戦士で、コロンビアでこれら戦士を訓練したSilvercorp PMCの社長ジョーダン・ゴードローにインタビューした。ゴードローは、「ギデオン作戦」の目的は「政権」と戦うため、ベネズエラ国内への襲撃を組織することだったと発言した。元特殊部隊軍人は、ワシントンに支援される自称ベネズエラ「大統領」フアン・グアイドとドナルド・トランプの政治顧問が署名した2019年10月付け、8ページの2億1300万ドルの契約書を示した。3月23日、コロンビア当局は、領土内のこの傭兵用の武器弾薬を没収した。傭兵はかなりよく装備されていた。
ワシントン・ポストも記事を報じたが、それによれば、ベネズエラ反政府派メンバーが、交渉の後、2019年10月、フロリダのアメリカ民間軍事企業、Silvercorpと契約を結んだ。PMC従業員はベネズエラの正当な大統領ニコラス・マドゥロを打倒するためベネズエラ領に潜入するはずだった。
ベネズエラのこれらの出来事を最近ブルームバーグが、うまく評価した。
「CIA中央情報局は、ベネズエラ野党に縁を切られ、政権の保安部隊に浸透され、始めてすぐ混乱させられた茶番より、もっとうまくやることができたはずだと人々は願うだろう。だが、この取るに足りないエピソードは、アメリカ政策の秘密介入や政権転覆の役割を我々が深刻に考えるよう強いている。」
これらブラックウォーターや他のアメリカ、イギリス傭兵による破壊活動の暴露は、こうした出来事が、通常世界中の多種多様な活動に関係する元軍人や犯罪者が行っていることを示している。彼らは、交戦地帯、特にイラクやアフガニスタンでの護衛や貨物輸送や(ナイジェリアやスーダン沖の石油産出地域などの)「不安定地域」で、人々や企業を守るボディーガードを務める。地域での紛争のそもそも最初から、アメリカ世論と議会の民主党議員の両方が、不安定な地域への自国兵士派兵を、極めて好ましくないと考えており、彼らは他の代替物を探さなければならなかったのだ。
21世紀初頭のアメリカ戦争は、冷戦中、アフリカの不安定な「共食い」政権を打倒していた凶悪犯集団から、本物の国際企業の中に変身した、これら組織にとって、本物の宝の山になった。こうした企業は、既に経験豊かなベテラン、市民生活には、居場所が見つからなかったプロ軍人に構成されているので、戦争を率いるアメリカ合州国と西欧同盟諸国にとって、大いに恩恵がある。加えて、これら組織は民間企業と見なされ、従って議会に対して責任を負わず、これら兵士たちの死傷は、政府軍の死傷者の合計人数には含まれず、交戦地帯の状況を、国内で、より好意的な見せ掛けを作るのが可能になる。アメリカ世論は、長い間これら企業が提供するサービスを拒否し、彼らの活動の透明性を強化するよう要求している。これまで数年、国連は繰り返し「傭兵」の定義を修正し、ブラックウォーターのような組織の活動を禁止する問題を提起している。だが、これまでのところ、まだいかなる大きな成果も実現していない。
他の国々で軍事クーデターを引き起こすワシントンのこうした試みの他に、最近、2014年、アメリカのシリア介入絶頂期、アサド軍隊が弱体化しつつあり、ダマスカスが、欧米が養成し支援したイスラム主義者に占領される脅威下にあった期間と関係がある多くの書類が、皆が見られるようになった。例えば、ミドル・イースト・アイ通信社は、極めて説得力強く、証拠書類とともに、イギリスが支援したSarkha(鬨の声)と呼ばれる作戦で、メディアが、アラウィー派を反アサドに変えようとしたか、そして、そうすることでシリアでクーデターを実現しょうとしたことを示している。この文書は、ソーシャル・メディア「抗議運動」がイギリス政府の管轄下で実際引き起こされたことを証明する公文書がある。作戦Sarkhaのためのシナリオは、イギリス政府との契約で働いていたプリンストン(アメリカ、ニュージャージー州)のアメリカ企業Pechter Pollsが開発した。シリアでの破壊工作の契約は、初めイギリス国防省軍事戦略効果部門に、次に、下記を目的とするイギリス政府が運営するThe Conflict, Stability and Security Fundに運営された。
「イギリスの権益を脅かす紛争を解決する。」このプロジェクト予算は年600,000ポンド(746,000ドル)だった。公表された文書は、この作戦の目標が「シリア反政府メディアの活動が、シリア国民に届くよう支援すること。アサド政権に対する国民の不満を強化するこの作業のためのプラットフォームは、イギリス、アメリカとカナダ共同で立ち上げられた」ことを示している。
ミドル・イースト・アイの別の号では、もう一つの問題、イギリス請負業者が、どのようにジャーナリストのシリア市民を、しばしば人に知られずに「穏健反対派」を促進するために雇ったか示している。傭兵との、これら契約はイギリス外務省とのもので、請負業者に、僅かな金を払って、国防省に、時に軍情報部士官に管理された。
上記の全てを知ると、当然、疑問が生ずる。正確に、一体誰が本当に他国内政に干渉しているのだろう? ワシントンとロンドンのプロパガンダや、彼らの外交政策全体は、一体どれほど客観的なきだろうか?
ウラジーミル・ダニーロフは政治評論家、オンライン誌「New Eastern Outlook」独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/03/06/how-the-us-and-great-britain-instigate-coups-nowadays/
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東京新聞を読んで気がついた。1945年3月10日東京大空襲。指揮したカーチス・ルメイは後日勲一等旭日章を得た。
事前通告がなかったので、聞いていなかったと威張るアホウ。なぜ九州の方は投票するのだろう。
恫喝男インドのモディ首相と電話会話したという。もちろんクアッドを強要する宗主国に恫喝されてのことだろう。
まともな記者会見をせずに逃げ回っているが宗主国大統領も同じ。国防長官の名さえ忘れる認知症?。
岩波書店の月刊誌『世界』4月号 特集1はデジタル監視体制 特集2は社会民主主義という選択肢
コロナ対応、国や都の無策しか感じないが、杉並区保阪区長の記事「自治体としてパンデミックに立ち向かう」(上)や、山岡淳一郎氏の「コロナ戦記」第7回で描かれる「自宅待機ゼロ 墨田区の独行」は明るい話題。立派な方々もおられるのだ。もちろん大本営広報部は、いずれも取り上げない。福島原発事故についても、「原発事故後の10年でわかったこと」「福島・市民測定の10年」や「誰が廃炉にするのか?」連載「県境の町」など興味深い。大本営広報部の話題は、オリンピックは、どう開催するか、ワクチンはいつ接種可能か、ばかり。総務省の闇は追求しない。
月刊誌『世界』4月号 特集1 デジタル監視体制 「デジタル庁構想批判の原則をたてる」マイナンバーカードのうさんくささについて、「実装される監視社会ツール」
全く信頼できない連中が作り出すデジタル庁が庶民のための役所になるはずがない。庶民を弾圧するための役所になるのは確実。大本営広報部いかにも良い官庁ができそうなデマを垂れ流す共犯者。どんな組織であれ、それを創設する人物や組織の狙いを超えるものに変身するなど全くありえない。旗手としてもちあげられている人物、NTTドコモ、マーケティング、営業・採用育成・人事制度担当。事業会社の立ち上げや新規事業開発を手掛けたという。同じ穴のむじな。初めから失敗する運命の役所。
日刊ゲンダイDIGITAL
今日の孫崎氏のメルマガ題名
総務省問題で官僚を考える。私の著書『日本国の正体』中、ラフカディオ・ハーン『神国日本』より。日本の教育は個人を独歩の行動に鍛えるのではなく、個人を共同的行為にむくようにーつまり、厳しい社会機構の中に個人が妥当な位置を占めるのに適するようにー訓練すること。
LITERA
菅政権がコロナ病床確保を打ち出すも裏で「病床の削減」続行! 新年度予算でも消費税195億円使いベッド減らした病院に給付金
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