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2021年3月 2日 (火)

アメリカの過ちを繰り返すのに余念がない新バイデン政権

2021年2月23日
ジェームズ・オニール
New Eastern Outlook

 2020年11月に、ジョー・バイデンがアメリカ大統領に選ばれた際、彼は前任者ドナルド・トランプが追求した外国政策とは違うやり方を約束した。経験豊富な政治評論家たちはしきりに注意を促していたが、それら約束は一般に歓迎された。新大統領は外国の戦争におけるアメリカの関与の長い実績があり、一部の人々は、彼が本当にその性格を変えたのを疑っていた。

 今、バイデンが就任して一カ月もたたないうちに、懐疑派が正しかったことが証明されたように見える。新バイデンは、大いに年取ったバイデンの再演だという証拠は、彼の外交問題の対応で、日に日に一層明らかになりつつある。

 退任前、トランプは今年五月までのアフガニスタンからアメリカ軍撤退を約束していた。彼は正式な軍隊の一部ではないアメリカ軍の運命については静かだが、彼らの人数は実際に2020年を通して増加した。それにもかかわらず、この発表は、外国の戦争におけるアメリカ関与を減らすという、トランプによる本物の努力と見なされた。

 その約束は今バイデンが放棄した。アフガニスタンのアメリカ軍を撤退するというトランプ政策を彼が逆転したのはほとんど驚くべきことではない。アメリカ主流メディアの典型として、アメリカの心変わりの本当の理由は言及されないままだ。アメリカ軍兵士は、三つの主な理由でアフガニスタンに駐留している。

 一つ目の理由は、実際アメリカが撤退した場合、いつ終わってもおかしくないことを知っているアフガニスタン首相の政治指導力を支援し続けることだ。タリバンが、地方の60%以上を有効支配しており、彼は実際はカーブル市長以上の何ものでもない。タリバンは女性の教育に対する姿勢を柔らげ、彼らは少なくともアメリカによる占領の間に、女性たちは、勝ち取った自由の一部を維持することができそうに思われる。

 二つ目の理由は、アフガニスタンの地理だ。アフガニスタンは七つの国と国境を接しており、その国々の一つもアメリカ同盟国ではなく、その一つ、中国は、バイデン政権によって、アジアでの継続的なアメリカ覇権に対する脅威と見なされている。アジアにおけるその地位を強化しようとするアメリカの益々窮余の取り組みにもかかわらず、この要素は変化する可能性はありそうもない。アメリカ、インド、日本とオーストラリアの反中国同盟を促進して、(最初は、バイデンが副大統領として仕えたオバマ政権下で)「アジアNATO」を作るアメリカの試みの復活で、その必死さの一部は明らかだ。

 この措置の成功は極めて限定されている。中国と日本の貿易は、2020年1月に対し、今年1月には20%増えており、長く困難な中日関係にもかかわらず、日本は損得に目ざとく、第二次世界大戦に最初に課され、以来75年間続いている上司対部下の関係という、益々疑わしいアメリカ提携の利点よりは、経済的成功を選ぶだろう。

 自由選択できる場合には、世論調査は、日本はその経済的未来を、衰弱しつつあるアメリカ国のそれよりも、中国の増大する力に益々関係したいと思っているのを示唆している。2019年、出生より、死亡が500,000人多く、日本は厳しい人口危機に直面している。歴史的に、解決策として移住を受け入れるのを嫌がってきた国にとって、人口動態見通しは益々深刻だ。

 この人口動態は、日本のどんな軍事介入の野心も和らげるだろう。

 バイデン政権がアフガニスタンに駐留している三つ目の理由は、主流メディアがほとんど決して論じない要因だ。世界ヘロイン供給の90%を占めるアフガニスタンの極めて大きな役割で、そのそのほぼ70%がCIA支配下で輸出され、この支配の巨大な権力と、「会計簿に記載されない」収入の大いに儲かる金額をこの組織に与えているのだ。

 バイデン政権が、トランプ政権から際立って変化することがありそうにない二つ目の分野はイランの状況を巡るものだ。イラン経済に対する不適当な攻撃の一環として、トランプ政権が離脱したJCPOA再加入について、バイデンは騒ぎ立てていた。協定への再加入を、バイデン政権が、イランによる政策変更を条件としている事実は、それほど報道されていない。イランは、予想通り、アメリカの合意再加入につけたアメリカの条件に従う意図がないことを明らかにした。アメリカが要求した主な前提条件は、現在最高20%までの、ウランのさらなる濃縮を、イランが終わらせることだ。

 この野心は、もちろんイランの核開発の意図に関するイスラエルの恐怖を誘引した。何年間も同じ念仏を繰り返しているイスラエルを信じれば、イランは今にも核兵器を生産しようとしている。イランが核武装する野心の、どんな証拠もない全くだけでなく、そのようなイスラエルの強い主張は決して明白な疑問を問われていない。なぜイスラエルだけが、中東諸国の間で、核武装独占権を保持すべきなのか。イランに関する彼らの全ての発言を大いに偽善的にしているのは、その現実に直面するのを欧米が拒否していることだ。

 イランにはアメリカの要求に屈する誘因がなく、そうする可能性はありそうにない。それは近年いずれもイラン核開発の意図とされていることに対する欧米の執着を共有しないロシアと中国両国への常により親密な繋がりを作り出した。三国は最近、未曾有の共同海軍軍事演習を行った。この関係は、将来増大すると予想される。

 イランは、バイデンが、イラクでのアメリカ軍事関与増強を計画しており、提案された10,000人の追加部隊の大部分がイラン国境近くに配備されることも重々承知している。再び、これもトランプ政権政策からの離脱だ。イランに対するアメリカ政策が、トランプ下で友好的だったと見る人は決していないだろうが、バイデン政権が着手した、そのような公然の軍事行動はなかった。アメリカは、アメリカ兵が、彼らの国を去るべきだというイラク議会による2019年1月の要求を無視し、主権があるイラク政府の合法的要求に対する、承認を明らかにするバイデン政権の言葉も行動も皆無だ。このイラクの経験は、またしても、主権国家が目的を達するのが最も困難なのは、歓迎されない、この場合は、不法に占領しているアメリカ軍隊の撤退であることを明示している。

 もし地平線に一点の明かりが見えるとすれば、それは先週のG7会談の結果だ。バイデンは、ヨーロッパの指導者を、彼の反中国救世軍に参加させる説得に成功しなかった。ヨーロッパ諸国は、地政学の風がどちらの方向に吹いているか良く知っている。風は、ほぼ確実に、中国に有利に吹いており、それは近い将来変わることはありそうもない。

 バイデン政権は敗北を謙虚に受け入れそうになく、疑う余地なく、反中国政策を続けるだろう。そこに世界平和にとっての最大の危険がある。アメリカには、その力が根本的に衰えたことを認識し、受け入れる能力がないのだ。世界はアメリカ覇権に、うんざりしており、アメリカがより早くその事実を認識すればするほど、それだけ我々全員にとって良いのだ。

 ジェームズ・オニールは、オーストラリアを本拠とする元法廷弁護士で地政学専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/02/23/the-new-biden-administration-intent-on-repeating-us-mistakes/

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 冬草や菅僚どもが夢の跡

 訳しておきながら、一つ異論。東京新聞に『対米従属の構造』の書評がある。この本を読めば「人口動態ゆえに、日本のどんな軍事介入の野心も和らげるだろう」という筆者の意見、美しい夢。ずるずる蟻地獄に、ひきずりこまれているのが実情。巨大ネット書店、この本について、愚劣デタラメ書評と、まともな書評がある。結果的に星数は激減。巨大ネット書店、宗主国に役立つエセ書評なら許容する。巨大書店では最近全く購入しないが、他の書店で購入する際、巨大書店エセ書評評価が低い本を選んでいる。その意味で参考にはなる。

対米従属の構造 古関彰一著

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