ロシア・ワクチンで策をろうして自業自得のEU
Finian Cunningham
2021年3月11日
Strategic Culture Foundation
選挙で選出されずに高給をはんでいる官僚連中が、ロシア・ワクチンで策をろうして、コロナ流行復活の危険を冒しているのをヨーロッパ大衆は今一層はっきり見えている。
イタリアは、コロナウイルス予防接種のため、ロシアのスプートニク Vワクチンを生産する欧州連合初めての国となる予定だ。今週ロシア・イタリア商工会議所が確認した。
ロシアのワクチン開発者はスペイン、フランスとドイツとスプートニク Vを現地生産する協議が進行だと言う。これは、ハンガリー、スロバキア、チェコ共和国や、セルビア、モルドバやモンテネグロを含め、既にロシア・ワクチンの使用を承認している、いくつかのEUとEU非加盟諸国に続くものだ。
世論調査は、大多数のヨーロッパ国民が、認可されたワクチン以外に、スプートニク Vでも、大量接種を望んでいるのを示している。これは欧米製予防接種薬品の供給問題に起因する、EU当局の予防接種の緩慢な展開に対する広範囲な苛立ちを反映している。
EUの遅いワクチン接種問題がある特定の政治家とロシアのワクチンで策をろうするいる当局によって悪化させられていることがいっそう外見上明白になっている。それは国民の怒りと不満のかたちでEUにつきまとうための戻って来るであろう許せない転換だ。
ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長や、EU議会の右翼、欧州人民党議長で、彼女の前任者ドナルド・トゥスクは、ワクチンを提供するロシアの意図について冷笑的な疑念を表明している。トゥスクは、ロシアには政治的思惑があるのをほのめかし、ヨーロッパ人は、うぶであってはならないと述べた。
策をろうしているのはロシアではなく、基本政策決定を妨げる、長年にわたるロシア嫌いを患っているように思われるフォン・デア・ライエンやトゥスクなどの政治家だ。
この冷戦病の同様な典型はフィンランドの元ロシア大使ハンヌ・ヒマネンだ。彼はロシアが、現地でスプートニク Vの生産技術をフィンランドに提供するという報道について、こう発言した。元大使は、ロシアは、EU加盟諸国間に「分裂の種をまくべく」「瀬踏みして」いると憶測した。これは、モスクワには欧米民主主義を破壊する計画があると主張するアメリカやヨーロッパの大西洋主義者やNATO支持者が持ち出す陳腐な反ロシア言説だ。
だが、フィンランドへのロシアの申し出は、現在、世界保健機構WHOで働く前フィンランド大統領タルヤ・ハロネンが、スプートニク V供給について、ロシア当局と連絡を取った後のことだったことが判明した。
だから、フィンランドとの取り引きを始めたのはロシアではなかったのだ。WHOと前フィンランド大統領だった。それが、どういうわけか、モスクワがロシア・ワクチンを政治利用しているという否定的な憶測推測をもたらしているのだ。
ロシアのスプートニク開発者、ロシア直接投資基金とモスクワのガマレーヤ研究所は、繰り返し広範囲の予防接種計画の有効性を最大化し、時宜にかなうようにするため、ヨーロッパ諸国との協力を望むと述べている。ロシアは、Covid-19流行を絶滅させる共通課題に立ち向かう上で、医学的配慮より政治を優先したと激しく非難されているのだ。
(極めて合理的な戦略だと、すぐわかるはずの)この目的が、冷戦思考を越えて考える能力がないように思われるEU当局に、妨害されているのだ。
最近、ワクチン規制当局の欧州医薬品庁(EMA)は、欧州医薬品庁が公式認可を与える前に、彼らがスプートニク V注文を進めて「ロシア・ルーレットをして」いるとヨーロッパ諸国に警告した。
ロシアは、この非科学的発言に対し欧州医薬品庁を酷評した。ロシアのワクチンは、新しいより毒性の変異株の感染を含め、Covid-19感染に対処する上で、大いに効果的で、効率的であることが証明されている。有名な査読付きのランセット誌や、世界中の多数の各国規制当局に妥当性を検査されている。40以上の国が、スプートニク V接種を認可しており、特に、より高価な欧米の薬品と比較して、ロシア薬品で、より容易に接種できる貧しい国々で、世界的に使用される主要ワクチンになっている。
ヨーロッパの規制当局EMAは、これまで2カ月、ロシアのスプートニク Vの承認申請を無視していた。非合理的な遅れは、フォン・デア・ライエンや、トゥスクのような政治家や、同じ冷戦ロシア嫌いを患っているEMA当局者によってしか説明できない。
先月、元ドイツ国防大臣だったウルスラ・フォン・デア・ライエンや、完全なNATOのトップ、トゥスクは需要を満たすための生産能力がないロシアのスプートニクVについて陰険な発言をした。
モスクワには、卑劣な隠された思惑があることをほのめかし、フォン・デア・ライエンはこう述べた。「理論的に、ロシアは自国民へのワクチン注射が、まだ十分進んでいないのに、なぜ何百万回分も提供するのだろう。」
ブリュッセルのロシア代表は反論した。「ロシア当局や科学界や、国際市場へのワクチン販売に従事する企業ロシア直接投資基金を含め、Covid-19に対する戦いでは自国民へのワクチン接種がロシアにとって絶対優先事項だと繰り返し公式に主張している。」
イタリアや他のヨーロッパ諸国との現地生産協定が示すように、ロシアはフォン・デア・ライエンが陰険に示唆するような自国施設からの世界供給をあえてしていない。
明らかに、ロシアは現地生産合意を通してワクチン供給を増やすため、ヨーロッパ諸国と相互協力しようとしている。それはコロナ流行を絶滅させる合理的な取り組みとして辻褄があう。格言の通り、全てが安全になるまで、国は安全ではない。経済と社会が多少常態に戻れるよう、自国とヨーロッパのコロナ流行を制御するのはロシアの重大関心事だ。
EUの無秩序なワクチン接種展開は、ブリュッセルのやり損ないと無能さが示す茶番だ。ロシアは双方両得の解決策を申し出ているのに、フォン・デア・ライエンの類の冷戦思考連中が混乱状態を悪化させているのだ。、今週、彼女は「我々はスケープゴートにされるのにうんざりだ。」といらだちさえ見せて、不満をのべた。
「スケープゴート」は言葉として間違っている。「犯人」こそ正しい。選挙で選出されずに高給をはんでいる官僚連中が、ロシア・ワクチンで策をろうして、コロナ流行復活の危険を冒しているのをヨーロッパ大衆は今一層はっきり見ている。究極的に、EU内で分裂と不満の種をまいて、自業自得なのはEUだ。
Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。
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『福島が沈黙した日 原発事故と甲状腺被ばく』榊原崇仁著を読んだ。長年にわたる情報請求によって得た資料をもとに、政府や関係機関や福島県による露骨な歪曲・隠蔽をあぶり出す労作。本書を知ったのは「デモクラシータイムス」番組、【原発耕論 No13】あの時福島で何が 事実を追い求めて 『福島が沈黙した日』榊原崇仁 20210225。
チェルノブイリ原発事故の際、ソ連政府は、それなり全力を尽くして対処した。膨大な人々を避難させ検査した。まともな法律も作った。日本政府、このすべてを意図的にさぼっている。本書のテーマは、100ミリシーベルトの少女。甲状腺がんをひきおこす可能性がある量の放射性ヨウ素の内部被爆検査問題だ。検査対象の選定と数が異様。30キロ圏外のこども、1080人しか測定していない。それで安全と断定しているのだ。是非本書をお読み願いたい。大半の大本営広報部も不正を衝かない。東京新聞、原発に関する良い記事が多いが、こうした記者の方々が書いておられると納得。この原発被害隠蔽・責任回避、コロナPCR検査の異様な少なさ、変異株検査比率の異様な少なさとそっくり。政府と関連機関の共謀だ。福島県外の大学教授諸氏は誠実に回答しておられるが、この歪曲・隠蔽の首謀者たちはほぼ全員、インタビューを拒否している。首謀者たちは、これを書いている現在、国会で総務省接待問題を質問をしている福山氏(当時の官房副長官)との会議にも参加している。
巨大ネットショップで本書書評を見ると好評がほとんど。一つだけ「読むに値しない」とする「読むに値しない」投稿がある。本書を読んでいないか、読んでいれば、絶望的に知能が低いか、政府・関連機関の工作員だ。こういう投稿を許す巨大ショップの品格、全く信じていない。政府側の隠蔽機関だ。
日刊IWJガイド まさに福島第一原発爆発直後のまっとうな会見の再配信。
<本日のタイムリー再配信>3.11から5日目、福島第一原発の水素爆発が続いた直後に外国特派員協会で原子力資料情報室が記者会見! 情報がなく、状況もわからない中、「東京から出た方がいいのか?」との質問に、放射線に詳しい医学博士の崎山比早子氏が「日本を離れた方がいいかもしれない。私もできれば逃げたい」と回答! 本日午後8時から2011年3月16日収録「原子力資料情報室会見 外国特派員協会」を再配信します!
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