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2021年2月25日 (木)

大惨事を招きつつあるアメリカの老朽化した原子力業界

Finian Cunningham
2021年1月20日
Strategic Culture Foundation

 設計年数を遥かに超えて老朽化した原発を稼働するのは、アメリカで、チェルノブイリや福島規模の大惨事のお膳立てをしているようなものだ。

 カール・グロスマン教授はアメリカ原子力産業に批判的な有名な専門家だ。Strategic Culture Foundationとの下記インタビューで、彼はアメリカ中の原発の本来稼働寿命40年で設計された老朽化する原子炉稼働許可を、現在最高100年稼働するよう延長するという規制当局が提案している動きへの懸念を強調している。この動きは、原発の益々維持不能な経済的側面を回復する方法として、原子力業界圧力団体が推進しているとグロスマンは言う。民間原発企業や産業を規制するはずの政府当局間の「回転ドア」関係もあると彼は指摘する。それは公共の安全の問題が、利潤促進のために無視されていることを意味する。設計年数を遥かに超えて老朽化した原発を稼働するのは、アメリカで、チェルノブイリや福島規模の大惨事のお膳立てをしているようなものだとグロスマンは警告する。

 カール・グロスマンは経歴として、ニューヨーク州立大学/ウェストベリー大学のジャーナリズム正教授も経験している。彼は受賞した映画製作者、著者、宇宙兵器化の有名な国際専門家で、この主題で国連会議や他のフォーラムで講演している。彼は宇宙への兵器と原子力配備に反対するグローバルネットワーク(Global Network Against Weapons &Nuclear Power in Space)の(1992年)創設者、理事長。グロスマンは画期的な本「Weapons in Space 宇宙の武器」の著者。彼はメディア監視団体Fairness and Accuracy in Reporting (FAIR)の会員。

インタビュー

質問:アメリカには、いくつ原子力発電所がありますか?アメリカのエネルギー供給全体で、原子力は貢献者として衰退しつつあるのですか?

カール・グロスマン:アメリカの原子力発電所の数は最高129から今94まで減っています。原子力はエネルギー源として衰退しています。これについての核情報資料サービス: Nuclear Information and Resource Serviceの飼料がここにあります。

質問:大半の原子力発電所は、稼働年数(40年)の末期で、提案された最高100年延長の資格があるのでしょうか?

カール・グロスマン:全てのアメリカの原子力発電所は40年認可されています。大部分が、60年稼働するよう、今更に20年延長を認められています。これまでのところ、ごくわずかが、80年間拡張の延長認可を受けています。それらに100年稼働を許すアメリカ原子力規制委員会(NRC)の考えはまだ採用されておらず、それで原発は、現時点で、100年間稼働する正式許可は与えられませんでした。

質問:規制当局の原子力規制委員会は、なぜ稼働認可を延長する処置をとっているのですか?事業者の利益ですか?儲かるNRCロビー活動ですか?回転ドア関係ですか?

カール・グロスマン:アメリカ原子力規制委員会は、実際は、アメリカ原子力承認委員会と呼ばれるべきです。それは原子力業界と、アメリカ政府の原発支持者が望むことなら何でもします。原子力規制委員会は、アメリカで、原子力を推進し、規制するため、1946年に作られたアメリカ原子力委員会(AEC)が起源です。原子力規制委員会がウェブサイトでその歴史をここで説明しています。

(AECとして知られている)連邦機関は、原子力(核)エネルギー開発と、軍・民間利用のための使用と管理のため、1946年に設立された。AECは、その後、1974年のエネルギー再編成法により廃止され、エネルギー研究開発庁(現在は、アメリカ・エネルギー省の一部)とアメリカ原子力規制委員会に継承された。関連情報は、我々の歴史を参照のこと。

 この説明に含まれないのは、原子力委員会が廃止された理由です。原子力を促進し、規制するという二重の役割は利益相反だとアメリカ議会が結論を出しました。(ちなみに、国際原子力機関はAECをモデルに作られ、原子力の利益相反を引き継いでいる。)

 それで、原子力規制委員会が規制のために設立され、最初に、エネルギー研究開発庁(ERDA)が推進のために設立されました。数年後の1977年、エネルギー省が設立され、ERDAはそれに吸収されました。

 けれども、推進というAECの考え方は原子力規制委員会でも続いています。

 私がしたように原子力規制委員会認可聴聞に行くだけで、これを見ることができます。「審判官」は、例外は極めてまれで、公正な客観的裁判官ではなく、承認手続きは核のイカサマ裁判です。

 原子力発電所に、100年、それのために原子力をアメリカに入らせておく努力を操作することを許すであろう提案について。今アメリカで建設中のたった2つの原子力発電所、Vogtle3と4は二人に対して280億ドルの費用がかかっている、価格は上昇し続ける。

 アメリカの原子力産業は、断末魔の苦しみにあり、しかも、これは最近の気候危機に対処するためには、原子力が必要だという、たわごとにもかかわらです。原子力ピノキオは、原子力発電所は、いかに温室ガスを放出しないか言います。彼らが言いたがらないのは、核燃料サイクル-採鉱、粉砕、燃料濃縮などが、炭素集約だということです。原子力発電所自身、炭素、放射性炭素を発散します。炭素-14。

 そこで、戦略は、業界をどうにか生き延びさせるために、これら老朽化した原子力発電所を稼働し続けることなのです。私は最近の論文で、原子力規制委員会が延長許可でしているのは、原発が「出力を高める」のを許すことだと指摘しました。より多く発電するため、原発をより激しく、より熱くします。これは大惨事を招きがちです。誰が100年ものの自動車で、誰が時速130キロや、140キロで走りたいと思うでしょうか?

質問:提案された数十年もの延長を正当化する詳細な専門研究があったのですか?それとも、公的管轄を超える異様な判断、挑戦なのでしょうか?

カール・グロスマン:私が知っている唯一の研究は記事で参照したパシフィックノースウェスト国立研究所のものですが、Beyond Nuclearのポール・ギュンダーが言うように彼が原子力規制委員会の会議から引用した後、政府ウェブサイトから「消去されました」。

質問:バイデン政権が、原子力規制委員会の動きに異議を申し立てる兆しはありますか?バイデンは再生可能エネルギーの増大を語りました。彼の政権は、原子力規制委員会による延長と原発産業全体に対して、不安を感じるべきではありませんか?

カール・グロスマン:まだわかりません。バイデンは原子力発電所のための「新しい改良された」原発支持者の現在の用語で「進歩した原子力」に賛成です。特に今推進されているのは「高度小型モジュール式原子炉」と呼ばれているものです。

 これらに関する原発推進者の全くのでたらめにもかかわらず、まだ安全上の問題があります。それらは致命的な核廃棄物を生産し続けているのです。

 原子力についての大きな疑問は、こういうことです。原子力がどのように汚く、危険で、高価かについての真実に、バイデンが気付くことができるかどうかです。

 大統領は原子力規制委員会メンバーを任命します。バイデンはどんな選択をするでしょうか?トランプ被任命者の現在の人は今月末に退任するので、彼は新委員長を任命することが可能でしょう。

 原子力規制委員会がここで認めているように「委員会は大統領に任命され、上院に承認された五人のメンバーで構成されており、その一人が大統領に委員長に指名される」。

 ここに原子力工学の長い経歴を明らかにする現在の原子力規制委員会会長履歴がある。

現在のクリスティーン・スヴィニツキ委員長は、2017年1月23日、ドナルド・J・トランプ大統領によってアメリカ原子力規制委員会委員長に指名された。彼女は現在、2022年6月30日に終わる三期目の任期を勤めている。彼女は2008年に委員会の仕事を始めた。スヴィニツキ委員長は、州と連邦政府で、立法部と行政部両方で働き、原子力工学と政策顧問として顕著な実績を持っている。原子力規制委員会に入る前、スヴィニツキは、広範囲な国家安全保障や科学と技術や関係する政策や構想とエネルギーと環境保護を推進するアメリカ上院職員として10年以上過ごした。彼女は、上院軍事委員会で専門職員として勤め、核兵器、核安全保障と環境保護プログラムを含め、防衛科学、技術計画や政策の職務のため、アメリカ・エネルギー省の原子力防衛活動の責任者だった。以前、スヴィニツキはアメリカエネルギー省で原子力工学技術者として働いた。

質問:最悪の場合、安全性が陳腐化した結果、事故になった原子力発電所の影響はどうでしょう?チェルノブイリの様な大惨事でしょうか?最悪の場合、本当の危険でしょうか?

カール・グロスマン:はい、チェルノブイリや福島の大惨事は原子力発電所を100年間稼働させようする結果の好例でしょう。チェルノブイリはソ連の設計でした。福島原発はゼネラル・エレクトリック製のものでした。(世界的に大多数の原子力発電所はGEかウェスティングハウスに製造か、設計だ。)

 原子力発電所大惨事の結果は、二つの最大事故は、核暴走あるいは炉心溶融ですがて、膨大です。

 チェルノブイリに関しては、私がチェルノブイリ大惨事に関する最良の本の編集者ジャネット・シャーマンにインタビューしたテレビ番組「チェルノブイリ:百万人の犠牲者」がここにあります。

質問:ここ数週間、原子力発電所を含めアメリカ・インフラにロシアがサイバー攻撃を始めているというアメリカ・メディアと諜報機関の主張が新たに報じられています。アメリカ本来の問題、ロシアのサイバー攻撃と全く無関係な原子力発電所事故のためにロシアが好都合なスケープゴートにされている気がします。それについて何かお考えは?

カール・グロスマン:もし古い原子力発電所を100年稼働させて事故が起きれば、「ロスケ」がアメリカ原子力業界に非難されるかもしれません。これらの連中は、呼吸するように、ウソをつくことを考えれば、それは想像力を越えるものではありません。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2021/01/20/america-decrepit-nuclear-industry-is-inviting-disaster/

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 衆院予算委国会中継を見ている。

 宗主国の状況は人ごとではない。最近の地震で福島原発格納容器の水位が下がるなど問題が起きている。アンダーコントロールとウソつき男はいったが、今まさに、アウト・オブ・コントロール (制御不能)状態にあることが改めて露呈している。

 自称復興五輪の聖火、あの原発事故発生時の事故対策拠点、Jヴィレッジから始まる。見聞きする被災者の方々の声は復興とはほど遠い。

 東京新聞

「差別は人ごとでない」福島の聖火ランナー抗議の辞退 「走りたい」葛藤も<森会長発言> 2月10日

 東京新聞

福島の魚から2年ぶり基準値超え クロソイ、国が出荷制限へ 2月22日

東電が地震計の故障を半年以上放置、福島第一原発3号機で 13日の地震記録できず 2月22日

原子炉格納容器の水位30センチ以上低下 福島第一原発1、3号機で 震度6弱の地震の影響か 2月19日

 東京新聞、昨日の朝刊「こちら特報部」は「定額サービス」の続く料金引き落とし。人が亡くなった後、遺族が解約に苦労する話。身につまされる。「本音のコラム」は斎藤美奈子氏の(総務省)「抜け道人事」毎回ながら鋭い指摘。

 デモクラシータイムス

菅、忖度官僚の無残【山田厚史の週ナカ生ニュース】

 日刊IWJガイド 論理的な懸念が指摘されている。

<IWJ取材報告1>IWJ記者の質問に田村厚労大臣は、ワクチン接種による「感染予防効果は実証されてない」と明確に認める! ワクチンは発症予防効果があるのみ! 検査・隔離対策を怠れば無症状者を増やし感染が再拡大の恐れも!? 2.24田村憲久厚生労働大臣定例会見

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