イギリスの自身のメディア標準に基づいてBBCを追放した中国
2021年2月16日
Brian Berletic
New Eastern Outlook
イギリス放送通信庁(Ofcom)が中国CGTNにイギリスでの営業を禁止した後、完全に予測可能だった動きで、中国はBBC世界ニュースに中国で放送するのを禁止して報復した。
「中国、BBC世界ニュース放送を禁止」という題の自社記事でBBCはこう主張する。
木曜日、中国はBBC世界ニュースが放送するのを禁止したと、テレビ・ラジオ規制当局が発表した。
中国はコロナウイルスと少数民族ウイグル族迫害に関するBBC報道を非難した。
イギリス自身、CGTNを禁止した後、どんな皮肉もなしに、イギリスのドミニク・ラープ外務大臣は、BBC禁止は「報道の自由を不適切に奪う」と主張した。
「中国は、重大な放送内容違反のため、BBC世界ニュース放送を中止させた」という題のCGTN記事に中国側の批判があるが、そこでBBCについてこう言っている。
ニュース報道は、真実で公正でなくてはならないという要求に反し、中国の国益と民族的団結を傷つけた中国関連報道で、ラジオとテレビ運営と、海外衛星テレビ局運営に関する規制への重大な違反だ。
最近、中国がイギリス・メディア企業の活動を禁止したことに応えるBBC公式声明は、こう主張している。
BBCは世界で最も信頼できる国際ニュース放送局で、世界中の出来事について、公正に、偏らず、公平に報じている。
だが、中国のBBCに対する批判は、北京による政治的動機の報復からほど遠い。それはイギリス国内のBBCに対する苦情、少なくとも20年に及ぶ主張を繰り返している。
BBCは信用できない、とイギリス自身が言っている。
2003年、ガーディアン紙の「研究が、BBCニュースは反戦的という偏見の主張に打撃を与える」という記事が、21世紀で、人類に対する最悪な犯罪の一つである戦争、アメリカが率いた2003年のイラク侵略に導いた今や証明済みのウソを推進したBBCの主導的役割を暴露している。
カーディフ大学の研究が、BBCが「あらゆる放送局の中で最も「主戦論」志向だった」のを示した。
より最近では、2020年11月「The National」の「BBC:イギリス放送通信庁レポート、この企業の不偏不党評価は史上最低」という題の記事がこう認めている。
これまでのどの時期より少ない人々しか、BBCが公正な放送局だと思っておらず、最近のイギリス放送通信庁のレポートでは、この企業のニュース報道は、SkyやITV/STVやチャンネル5とチャンネル4を下回っている。
結果として、スコットランド人10人に5人しか、BBCが「人々が世界を理解し、関与するのを支援する、十分偏りのないニュースと情報に提供する」のに成功していと信じる状態で、BBCは、最低評価のイギリス放送局だ。
イングランド、ウェールズ、北アイルランドの人々の10人に6人が、BBCが仕事に成功していると言っており、他のイギリスの国々ではBBCに対する信頼はより高い。
つまり、イギリス放送通信庁自身が、「信頼できる」「偏りがない」あるいは「公正」というBBCの主張に完全に反論しているのだ。
中国を傷つけるBBCの長年の実績
中国内で展開している出来事のBBC報道に精通した人々は、その報道が、どれほど信用できず、偏って、不公平か十分知っている。
中国西部地域新彊のおぞましいテロを一年報じ、それに対応する中国治安作戦を「圧制的」と描写するため、それ以後、テロ報道を止め、香港の「一国二制度」合意の本当の歴史的文脈や、香港街頭で不穏状態を意図的に組織する欧米干渉についての言及を徹底的に省くBBCは、どこかソフト・パワーとハード・パワー間、あるいは諜報機関領域と境を接する位、ジャーナリズムどころか何より外交政策の道具のように活動している。
BBCはそれが活動する場所どこでも、似たような役を演じている。他の国々が中国の例に従い始め、同様に彼らの情報スペースからBBCを追放し始めるまで、どれぐらいかかるかという疑問を避けながら。
中国が、その手本を準備している「国際基準」は別として、標的に定められた国々は、イギリス自身の放送通信庁やその標準を、同様に、BBCが偏って、不公平で、政治的動機で、不適当な活動をしていると判断し、追放を正当化するため使うことが可能なのだ。
これは単に外国に資金供給され、指導される報道機関を沈黙させるだけでなく、最悪ではないにせよ、最悪なプロパガンダ工作の一つの追放なのだ。
単なる報復どころではなく、中国CGTNを批判する人々は、それを遥かに超える、20年にわたるBBCの濫用例には言及しない。BBCは、直接何十万という人々の死と、何千万もの人々の生活破壊をもたらした欧米侵略戦争を煽動したのだ。
2011年、BBCはリビアとシリアへの侵略戦争、進行中のイエメン戦争やウクライナ、香港、タイや今ミャンマーのような国でのアメリカが画策する政転覆作戦を支援している。
自国内で、他国が公然と軍事的情報戦争を行うのを大目に見る国はない。
BBCは民間ジャーナリズムを装って、これをしているのだ。
民間ジャーナリズムの虚飾は、この種の外国干渉に効果的に対処するのを阻止してはならない。そうではなく、BBCと対処する前に、ロシアや中国のような国々が、彼らの情報空間を奪還し、そして/あるいは守るために使っているメカニズムや、イギリス自身が国内で、よく規制された、健康なメディアとして描こうとする企みで使う仕組みさえ使って、これらの虚飾は、効果的に、慎重に剥がすべきなのだ。
Brian Berleticは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/02/16/china-ousts-the-bbc-based-on-uks-own-media-standards/
----------
日本の大本営広報部、そもそも、イギリスが国内で中国CGTNの活動を禁じたのを報じていただろうか?
名は体をあらわすという。中国語の「草菅人命」という言葉には驚くような意味がある。全く偶然だろうが菅首相の実態を示しているかのようだ。同姓の元首相もいる。彼は民主党だが国民を食い物にする点で宗主国傀儡そのものだった。
植草一秀の『知られざる真実』
日刊IWJガイド下記記事にもある二階幹事長発言、ロシアRTも早速報じている。もちろん新会長のあの写真と記事も。この分野では依然ジャパン・アズ・ナンバーワン?
これがグローバル・ジェンダー・ギャップ指数世界121位の日本の「保守オヤジ」の本音! 自民党二階幹事長が男性ばかりの党幹部会を「女性議員に見せるが発言はさせない」方針を表明! 経済同友会 桜田代表幹事は「企業で女性役員登用が進まないのは『女性側にも原因がないことはない』」と発言!!
大本営広報部は決して伝えない沖縄の現実。属国の現状。
デモクラシータイムス
« レーニンでも、モレノでもない | トップページ | 新たな手強い難題に直面するオーストラリアの対中国関係 »
「アメリカ」カテゴリの記事
- シリアでは、まずアラウィー派とキリスト教徒を殺し、今ドルーズ派を殺している。次は誰の番?(2025.05.08)
- 和平も敬意もなし:ゼレンスキー大統領、5月9日のパレードを攻撃すると恫喝(2025.05.05)
- 言説支配を失いつつあると泣き言を言い続けているイスラエル支持者(2025.05.05)
- ロシア、トランプ大統領のウクライナ戦争凍結案を拒否(2025.05.01)
「マスコミ」カテゴリの記事
- 「世界に轟く死を願う」―真実を伝えたためイスラエルに暗殺されたジャーナリスト(2025.04.30)
- アメリカ援助に依存する「独立系」メディアを主流メディアが後押し(2025.02.12)
- イスラエルのために欧米諸国全体で公民権が破壊されている(2025.02.11)
- USAID停止のおかげで悪意ある対外的影響力が露呈(2025.02.01)
「NATO」カテゴリの記事
- 習近平、ルラ、マドゥロが5月9日モスクワ祝賀に出席すれば安全に責任を持てないと恫喝するウクライナ(2025.05.07)
- ヨーロッパは第二次世界大戦の真実を消し去ろうとしているがナチスの犯罪は決して忘れてはならない(2025.05.06)
- シリアでは、まずアラウィー派とキリスト教徒を殺し、今ドルーズ派を殺している。次は誰の番?(2025.05.08)
- 和平も敬意もなし:ゼレンスキー大統領、5月9日のパレードを攻撃すると恫喝(2025.05.05)
「中国」カテゴリの記事
- 習近平、ルラ、マドゥロが5月9日モスクワ祝賀に出席すれば安全に責任を持てないと恫喝するウクライナ(2025.05.07)
- 関税 - またもやひるんだトランプ大統領(2025.04.14)
- ガザについて嘘をついたように、連中は中国についても嘘をつくだろう(2025.04.18)
- 様々な問題の責任を支配者以外の全員のせいにするよう我々は騙されている(2025.03.14)
「イギリス」カテゴリの記事
- シリアでは、まずアラウィー派とキリスト教徒を殺し、今ドルーズ派を殺している。次は誰の番?(2025.05.08)
- 和平も敬意もなし:ゼレンスキー大統領、5月9日のパレードを攻撃すると恫喝(2025.05.05)
- 欧州が和平に本気なら、会議にゼレンスキーを招く回数を減らすべき(2025.04.02)
- 最近のキーウによる裏切り後も、依然外交的解決は可能なのか?(2025.03.27)
コメント