ノルド・ストリーム2は、ヨーロッパをどのように「解放」できるのか
2021年1月22日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook
「狂った」共和党から「賢明な」民主党へと移行する中、アメリカ政治が、国内の「親」「反」トランプ集団間の激しい権力争いにとりつかれている可能性が高いことを、ワシントンD.C.での暴動が示している。バイデン政権は、少なくとも、しばらくの間、内部の緊張緩和と、権力の統合に精力を傾ける可能性が極めて高い。ヨーロッパや他の場所で、アメリカが信じられないほど民主主義としての信頼を失ったように思われるが、ヨーロッパが第二次世界大戦中に味わった軍事的、経済的破壊後に獲得した、外交政策支配者という立場も優位を失っている。ノルド・ストリーム2の完成を進めるドイツの決定は、ヨーロッパが、アメリカから離れて航海する、風向きを示している。
あり得るノルド・ストリーム2完成は、ロシアとヨーロッパの戦略的提携を決して意味しないが、アメリカに対するヨーロッパの発言力が増大していることを示している。現在、ドイツとヨーロッパは、1月15日に、デンマークで始まるパイプライン建設で、ノルド・ストリーム2の完成に向けて進んでいる。
アメリカは当然これを戦略上の挫折と見なし、既にヨーロッパ企業に制裁を「警告して」いる。ノルド・ストリーム2完成発表が、EU-中国投資協定調印から、わずか数日内に行われた事実は、「ならずもの」で「修正論者」だと見なす国との関係で、ヨーロッパが次第に、アメリカを鼻であしらっている様子の例証だ。
最近、アメリカ国務省は、ガス・パイプライン・プロジェクトに関与するヨーロッパ企業に、制裁に直面するリスクを「通知した」。「我々は企業にリスクを知らせ、彼らに、手遅れになる前に離脱するよう促している」と、あるアメリカ当局者が述べた。
トランプ政権がしばらくの間、このプロジェクトに関与するヨーロッパ企業を追いかけていたが、バイデン政権は同じ路線を続ける可能性が高い。ジョー・バイデンは、副大統領時代から、このプロジェクトに反対していた。
同時に、ヨーロッパでも、アメリカ新政権に、やってきて、ヨーロッパの商業的事業を承認してもらうつもりもない。最近、ドイツのハイコ・マース外務大臣が、ドイツ通信社のPresse-Agentur DPAに、ベルリンは、ワシントンからの圧力に屈しないと言った際、我々へのメッセージは明確だった。彼の言葉を引用すれば「それが我々(ドイツ)が、将来、ワシントンが必要とする全てのことをすることだと理解されるのなら、ヨーロッパの主権について話をする必要はない」。ドイツはバイデン政権とアメリカとの関係を修復する機会があると考えているが、ノルド・ストリーム2に対する姿勢は変わらないと彼は付け加えた。
ドイツは他のヨーロッパ諸国同様、絶え間ないアメリカの干渉と命令に、もう、すっかり嫌になったのは明白だ。そこで、ノルド・ストリーム2は、経済的にドイツの必要を満たすが、地政学的には、ドイツや他のヨーロッパ諸国が、アメリカに対し、彼らの戦略上の自律、彼らが第二次世界大戦後に、アメリカが支配する体制を押しつけられる前に持っていた自律を再度行使するのを助けるだろう。そこで、ノルド・ストリーム2は、既に、完全な正常化に戻るのは止められないことを強く示すヨーロッパ回復の象徴になった。
実際、これは去年11月、まさにフランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン外務大臣がEurope1ラジオのインタビューで言ったことだ。彼の発言を引用すれば、「以前の状況、大西洋両岸の関係の古き良き時代に戻ることはできない」と述べ、世界が過去四年で遂げた変化を考慮に入れて「我々は新しい大西洋両岸の関係を築かなければなるまい」と付け加えた。外務大臣によれば、最も重要な変化の一つは「過去四年、ヨーロッパは、安全保障、国防と戦略的自律性での主権を行使し」たことで、「ヨーロッパは過去四年で、純朴さを捨て、勢力として自己主張し始めた」と付け加えた。
ノルド・ストリーム2を完成するというドイツや他のヨーロッパ受益国の決定は、戦略的自律の回復に向かうヨーロッパのひるまぬ前進が、アメリカと、その制裁の脅威を打ち破っていることを示している。
これは、自律や、必要な全てのガスをアメリカだけから買わないという決定に対して、アメリカがヨーロッパを罰するために行おうとしている制裁措置をかわし、企業が盾を獲得するのを可能にする資金を、既にドイツが設立している様子から明白だ。明らかに、ノルド・ストリーム2を完成するというドイツの決定は、第3次エネルギーパッケージ(Third Energy Package)や、アメリカが資金供給し、支援する三海洋イニシアチブのようなアメリカ・プログラムを犠牲に成り立っている。
そこで、ノルド・ストリームは、既に大陸が最近の四年で遂げた「変化」についてのヨーロッパ大臣連中による主張のリトマス試験になったのだ。ノルド・ストリーム完成はヨーロッパが、益々多極化する世界で、自立した当事者の資格があることを明らかにするだろう。アメリカに対するヨーロッパの距離の拡大は、気候変化やイランや「ならず者」ロシアや「修正主義者」中国を含め、世界の政治的、経済的問題を一方的に操作し、命じるアメリカの能力も弱めるだろう。現状、ヨーロッパは既に、その船が進む航路を描いているのだ。
Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの外交、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/01/22/how-nord-stream-2-could-liberate-europe/
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「民主派ナワリヌイを弾圧するプーチン」というのが大本営広報部のおきまり。彼は民主派どころでなく、宗主国の手先、彼への弾圧を口実に不安定化工作をしているだけ。ノルドストリーム妨害やロシア版マイダン革命を狙って。宗主国の新大統領や、新国務大臣と仲良くし、強い団結を誓うというのも、お決まり。電話の次は参勤交代よろしく、宗主国大統領訪問。宗主国が寛大な属国対応や世界政策を進めているなら大賛成。事実は全く逆なことを大本営広報部は伝えない。
蓮舫議員の「危機感が伝わらない」という指摘に、むきになって「失礼だ」といったのに驚いた。「就任以来、努力してきた」というが、蔓延させる努力だけだ。政治は結果責任。コロナ蔓延を進めておいて、正当な批判を「失礼だ」ということこそ失礼。驚くことでもないが、阿呆ニュース・コメント欄、蓮舫議員をくさすコメントに満ちている。昨日は白眞勲参院議員と蓮舫議員の質問しか見ていない。
FRIDAY DIGITAL
LITERA 最近、テレビは葬儀の宣伝が目につく気がする。陽性者への封筒広告とは的確なマーケティングに驚く。
大阪のコロナ対応が怖い! 陽性者への封筒に葬式広告、療養者弁当は国補助の3分の1、吉村知事「東京より高齢化で死者が多い」も嘘
デモクラシータイムス
IWJ岩上氏による上昌弘医師インタビュー、期待通り。全国版テレビやラジオで放映されるべき内容。大本営洗脳広報部、不都合な情報は決して報じない。テレビはどうやら彼を出演させないのだろう。上昌弘医師がおっしゃる通り数ではないのだ。事実でしか、コロナウイルスと闘えない。やまと魂や神風は救いにならない。
日刊IWJガイドによれば、今日は、ウォルフレン氏インタビュー再配信。
<本日の再配信>本日午後8時より、2014年12月18日収録「ウクライナ危機、イスラム国、TPP…アメリカ帝国主義の世界戦略を読み解く~ 岩上安身によるインタビュー 第503回 ゲスト 『日本に巣喰う4つの“怪物”』著者 カレル・ヴァン・ウォルフレン氏」を再配信します!
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