バイデンとCIA暗殺部隊
Finian Cunningham
2020年12月30日
Sputnik
アフガニスタンで、CIAが支援する暗殺部隊が暴走して、一般人を殺し、住民を威嚇している。ジョー・バイデンが三週間後に大統領になる際、彼はこの「殺人株式会社」を終わらせることを優先事項にするべきだ。
新たに公表された調査報告が、アフガニスタン内の、いくつかの州でCIAが行った組織的暗殺プログラムを暴露した。
著者のアンドリュー・キルティーによれば、2019年の6カ月間だけで、調査した10件の虐殺で、女性や子供を含め、50人以上の一般人が殺されたことが判明した。それも、ワルダク州だけでの殺害の一例に過ぎない。
「ユニット01」として知られる暗殺部隊は現地採用されたアフガニスタン人で構成されているが、彼らはアメリカ要員に訓練され、装備を与えられ、指揮されている。
この秘密CIA作戦が、ホワイトハウスから最高レベルの許可を得ているのは疑いようがない。それは要員を戦争犯罪起訴から保護するための軍事暗号で、いわゆる「タイトル50」の下で実行されている。大統領しか、そのレベルのものを許可できない。
民主党の次期大統領ジョー・バイデンは、現職のトランプ政権が、彼に機密国家安全保障ブリーフィングへのアクセスを拒否していると不平を言った。バイデンは1月20日の就任式後、まもなく全面的に利用できることになる。その場合、新大統領は、必然的にアフガニスタンでの「対テロ作戦」と暗殺部隊について知らされるだろう。彼はプログラムを終了させるべきか否かの選択に直面する。
CIA殺人作戦の証拠は圧倒的だ。アフガニスタンの共同体の指導者や治安当局者が「ユニット01」と他の州内のその同類が、村や農場に対する手入れの際、暗殺部隊に付き添う怪しいアメリカ人担当者に運営されていると証言している。
攻撃を受けた多数のアフガン住民や生存者もアメリカに率いられた作戦を語っている。
さらに、暗殺部隊は、アメリカのチヌーク輸送ヘリコプター、戦闘機、武装ヘリコプターや無人飛行機で掩護される。
この部隊は、アメリカが支援するカーブル体制に反対するタリバン過激派戦士を打倒する課題を与えられているというのが、アメリカの公式見解だ。だがCIAが率いる部隊が実行する一般人に標的を定めた殺害は、テロと脅迫で服従させる政策のように見える。調査された残虐行為の大部分で、犠牲者とタリバンは関係がなかった。
ドナルド・トランプと、元CIA長官、後に国務長官になったマイク・ポンペオの下で、アフガニスタンでのアメリカの軍事行動は、2017年末に変化した。秘密作戦の強調と交戦規則の緩和が行われたのだ。
トランプ在職期間に、一部は増加した空爆のため、だが暴走するCIA暗殺部隊のため、アフガニスタンでの民間人の死亡は大幅に急増した。だが、同時に、トランプは、タリバンとの和平協定とされるものの下で、アフガニスタンから通常部隊を撤退させることについて、得意げに語った。これは共和党大統領が、20年という期間が、今までアメリカが行ったものの中で最長の外国戦争であるアフガニスタンなどの海外戦争を終わらせるという選挙公約を果たしていると主張するのを可能にした。
ジョー・バイデンが、これについて何をするかは、まだわからないが、兆しは良くない。そもそも、1950年代のグアテマラとイラン、1960年代のキューバとベトナム、1970年代と80年代のエルサルバドルとニカラグアや、さらに遥かに多くのもので、ほとんど全てのアメリカ大統領が、CIA殺人プログラムを承諾してきた。それはアメリカ大統領であるための、汚いビジネスの日常業務の一環なのだ。
それが、アフガニスタンで、ロシアが、アメリカ兵殺害報奨金作戦を行っているとされることに関する確証がないアメリカ・メディア報道で、バイデンや他の連中が、トランプをこきおろしたのが、実に侮辱的で、ばかばかしい理由だ。このような寓話には決して証拠がなく、国防総省さえ根拠がないと切り捨てざるを得なかったのだ。いつものように、メディアの騒動は、その信頼性を裏切り、沸き起こったと同じぐらい速く消滅した。
一方、トランプ監視下で、アメリカがCIA暗殺部隊と一緒にアフガン一般人の組織的暗殺を実行していたことが表面化した。バイデンは、どう非難しているだろう?
バイデンは、副大統領(2008-2016)だった時、バラク・オバマ前大統領に、アフガニスタンで、より攻撃的な軍事方針をとるよう促したはされている。バイデンは、特殊部隊による「ドアをけりたおす」夜襲を好んでいた。トランプがアフガニスタンで解き放った「殺人株式会社」を、彼が否定する可能性は極めて低い。
バイデンが新ホワイトハウス政権にもたらすものは「リベラルな民主党員」という見せかけの下での更なる道徳的腐敗と偽善だ。
記事で表現されている見解や意見は、必ずしもSputnikのものを反映しない。
記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/202012301081612473-biden--cia-death-squads/
---------
日刊ゲンダイDIGITAL
巻頭特集はズバリ
菅政権の無策 「馬鹿な大将、敵より怖い」と国民は悲鳴
IWJ岩上氏インタビュー、今日は孫崎享氏 前編(3)
<年末年始特別配信2>本日午後8時から「祝1000回記念! 21世紀最大のテーマ『覇権をめぐる米中衝突』が現実に! 常時臨戦国の『正体』を露わにした米国と属国日本! 『朝鮮戦争の正体』が見せる真実! 岩上安身によるインタビュー 元外務省情報局長・孫崎享氏 前編(3)」を配信いたします!
« アサンジ裁判で一体何が危機にさらされているのか絶対にはっきりさせよう | トップページ | アサンジ勝利。代償:報道の自由は打ちのめされ、反体制意見は精神病のレッテルを貼られた »
「アフガニスタン・パキスタン」カテゴリの記事
- サンクトペテルブルグ経済フォーラムに参加するアフガニスタン(2022.06.22)
- ジェットコースターのようなパキスタン-アメリカ関係(2022.04.16)
- 次段階の混乱に入りつつあるパキスタン(2022.04.15)
- アメリカの敵にしか適用されないなら国際法は無意味な概念だ(2022.03.20)
- アメリカ軍:民間人殺害装置(2022.02.09)
「アメリカ軍・基地」カテゴリの記事
- ウクライナでの戦争は急速に終局に近づきつつある(2022.07.02)
- メキシコ大統領AMLO「政治犯」で「我々の時代最良のジャーナリスト」ジュリアン・アサンジ解放を要求(2022.06.26)
- ウクライナにはCIA要員が、うようよいると認めた欧米当局(2022.06.28)
- ウクライナはアルカイダやISISと同じテロ組織(2022.07.01)
- カリーニングラードを封鎖するNATO(2022.06.27)
「トランプ大統領」カテゴリの記事
- トランプは我々は「ロシアと仲良く」すべきだと言った。彼は正しい(2022.06.13)
- ウクライナ戦争を考慮して、ロシアゲート再訪(2022.04.03)
- 彼の外交政策を続けるために、なぜ連中はわざわざトランプを追い出そうとしたのか?(2021.10.22)
- バイデン初日:何も変化しなかったし、何も変化するまい (2021.02.04)
- ジョー・バイデンと過激派左翼の下でアメリカの分裂は避けられない(2021.01.30)
「バイデン政権」カテゴリの記事
- 連中は人々が信じこむまで「プーチンによる物価上昇」を繰り返す計画(2022.06.16)
- バイデンの代わりにメガホンを変えるホワイトハウス(2022.05.13)
- ウクライナだけでも、バイデンは長年で最悪の大統領(2022.05.15)
- これまでで最もジョー・バイデンらしいこと:言説のマトリックスの端からのメモ(2022.05.10)
- ロシアに関し、文字通り国民にウソをついていると認めるアメリカ当局(2022.04.09)
« アサンジ裁判で一体何が危機にさらされているのか絶対にはっきりさせよう | トップページ | アサンジ勝利。代償:報道の自由は打ちのめされ、反体制意見は精神病のレッテルを貼られた »
コメント