今後二年、民主党の正体が、はっきり見えるだろう
2021年1月21日
ケイトリン・ジョンストン
ジョー・バイデンは今やアメリカ大統領だ。初日の政令で、世界最悪の危機の一つ、アメリカの関与を終わらせると選挙運動した、イエメンでの戦争を終わらせることを優先するべきだったが、彼らはそうしなかった。
イエメン大量虐殺へのアメリカ関与終了は、初日に始められたはずであり、そうすべきだった。In These Timesは、11月に下記を報じていた(強調は筆者)。
初日から、バイデンができることの一つは、彼が始めるのを手伝ったイエメン戦争へのアメリカの関与を終わらせることだ。「バイデンは政令で、国防総省に、サウジアラビア連合空爆のための諜報情報共有を終わらせ、後方支援を終わらせ、サウジアラビア軍用機を飛行させている保守部品輸出を終わらせることができる」と、進歩派団体Friends Committee on National Legislationの主要中東政策ロビイスト、Hassan El-Tayyabが、In These Timeseで語っている。「彼は北イエメンに対する人道援助を再開できるはずだ。彼はサウジアラビア連合を支援しているフランスやイギリスやカナダなどの国々に、同じようにさせるため圧力を加えるのに、大統領としての彼の力を使うことがでるはずだ。特定の基準に合致しない限り、彼は国務省にサウジアラビアへの全ての兵器輸出を中止させられるはずなのだ。」
バイデンは、このどれももしないのは驚くに当たらないとは言え、許せない。これは10年インフラ計画のようなものではなく、惑星中最悪の大量残虐行為であり、それに応じた緊急度で扱われるべきだ。この政権は、意図的に、出来るだけ速く残虐行為に対するアメリカの関与を終わらせないことに決めたわけで、たとえ最終的に、イエメン戦争が後々終わるとしても、許せない決定であり続ける。
イエメン戦争を終わらせるという公約を優先しない彼の決定に、本物のジャーナリストならするはずの、バイデンを厳しく問い詰めるかわりに、報道機関は、彼に「国を団結させる」ことができるかどうか愚かな的外れの質問をした。
CNNは「あなたは国を団結させられますか?」とバイデンに叫び続け、彼は連中を無視し続けた。滑稽なほど愚劣な質問で、おかしな対応だとさえ言える。
- Secular Talk (@KyleKulinski)2021年1月20日
バイデン就任式に至るまでに、彼の閣僚指名者について、いくつか上院公聴会を見る機会があったが、そこで、この政権が、ベネズエラで、トランプの殺人的クーデター推進を続けること、アメリカ大使館をエルサレムに置くというトランプの扇動的決定を維持すること、イランの核合意復活は実現からほど遠く、まずはイスラエルとの協議が必要なこと、中国に対しては、トランプの冷戦エスカレーションを続けることを我々は知った。
かなり奇異な現象の一つは、上院公聴会で、バイデン国務長官被指名者トニー・ブリンケンが、オバマ政権で働いていた際に、悲惨なリビア介入を支持した後の混乱を、彼を追い出すためアメリカが率いた介入後、街頭で斬殺された指導者ムアマル・カダフィのせいにして、自己弁護したことだ。
「我々が誤った判断をしたと思うことがあります」とブリンケンが言った。「カダフィが長年していたことの一つが、彼の権力に対抗できるライバルを完全に無くすことだったのを、我々は完全には理解しておらず、結果的に、リビアには、彼が去った後、機能する官僚制も、機能する行政機関もなかったのです。」
ウソに基づいて介入を画策した後、アメリカは彼の殺害を幇助したので、ブリンケンが「彼が去った後」というのは、彼が死んだ時を意味している。彼は、もしカダフィがもっとうまく国を運営していたら、オバマ政権が、彼を殺害した時に、リビアは暴力と混乱の中に崩壊しなかったろうと言って、人々が奴隷として売られる破綻国家にした介入を推進したことを自己弁護しているのだ。
これは、斧を持った殺人鬼が自分行動を、被害者の家の管理の悪さのせいにするのと同じだ。帝国主義用心棒が、自分たちの行動に対する、あらゆる責任を無視できる厚かましさには、毎度ながら感嘆させられる。
上院指名承認聴聞会で国務長官被指名者アンソニー・ブリンケンはリビア戦争支持を自己弁護した
「実際、私はそれは書かれていたと思う。私は[バイデンの]国家安全保障担当補佐官で、彼はその行動方針に同意しなかった。」pic.twitter.com/ZyCzTLXtOP
- Kevin Gosztola (@kgosztola) 2021年1月19日
今後二年は、民主党の正体が一番はっきりする時期だ。二年後、連中は、統計的に、下院と/あるいは、上院の支配を失う可能性が高く、その後、彼らは、オバマ政権後半の六年に、したのと同様に、あらゆる帝国主義流血や進歩不足を、「妨害する議会」のせいににできるだろう。だが、それまで、民主党は、あらゆる反動的悪行や大量殺人は自分のせいだと認めざるを得るまい。
これは、アメリカ帝国の慣行化した、ありふれた、あらゆる乱用が、トランプ政権特有の例外として描かれた過去四年間との著しい対照になるだろう。今後二年、進歩的な方針の推進や基本的な人間の品位の拒絶を、トランプやウラジーミル・プーチンのせいにすることができず、あらゆる左翼運動を、彼らは全て自分で殺すことを強いられるだろう。それが、今我々が「バイデンの下、民主党は全国民のためのメディケアをあきらめる時期だ」という見出しのマスメディア記事を目にしている理由だ。
この期間、民主党は、一体何を実行するため存在しているのかという事実を実証する十分な機会があるだろう。地球上最強力な政府が、あらゆる左翼の動きを潰すのだ。前政権で見せたと同じ度合いの精神病質で、国内では、気が滅入るネオリベ政策を、外国では、殺人ネオコン政策を続けるのだから、我々は、こうしたことに対して責任があるのは民主党だという事実に注目しなければならない。
アメリカ人が、進歩的変化のための合法的な組織として、民主党を、より早く見限れば、アメリカ人は、より早く他の手段を探し始めること可能だ。脱出のための第一歩は、偽って「出口」というラベルがついたニセのドアに向かって突進するのをやめることだ。
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「オズの魔法使い」で、屏風の影に隠れていた老いた奇術師を連想する恫喝政治家の情けなさ。
興味深い記事だが。五輪の商売人が、庶民を恫喝して効果はあるのだろうか。
植草一秀の『知られざる真実』
今晩は、でたらめな政府・厚生破壊省・分科会のコロナ対策を批判しておられる上医師のインタビュー
「本日午後7時より『医療ガバナンス研究所理事長上昌広医師に岩上安身が変異株の危険性について徹底インタビュー』を生配信!」
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