« イラン科学者暗殺で利益を得るのは誰か? | トップページ | 中国外相の韓国訪問:口先ばかりで中身なし? »

2020年12月 7日 (月)

ベトナムがアメリカや世界に教えることが可能なはずのコロナウイルスの教訓

Eric Zuesse
2020年12月5日
Strategic Culture Foundation

ここに書いたデータ全て、毎日の国別・世界のコロナウイルス(covid)症例と死亡を追跡する世界最良のウェブサイトwww.worldometers.info/coronavirusで簡単に見ることができる。

 11月20に、アメリカが、covid-19新患者で、世界記録の204,163人に達した一週間後の11月26日、人数は、新患者145,576人にまで減り、それは、もちろん非常に歓迎されるニュースだった。一方、人口97,693,204のベトナムは、人口331,790,984人のアメリカと比較して、11月20日、新患者は、わずか一人で、11月26日には、新患者10人だった。相対的には、毎日10人の新患者は、アメリカで毎日34の人の新患者と等しいはずだ。だが、そうではなく、アメリカでは、その日、145,576人の新患者がいた。これは、ベトナムの新患者数を、331,790,984人の国民に対し、相対的に、計算した新患者数34人の4,282倍多い。それなのに、ベトナムの経験から学べるかどうか、あるいは、どのように学べるか論じないほどほどアメリカはごう慢だ。

 翌日、11月27日、アメリカでは164,103人の新患者があり、ベトナムでは8人だった。11月28日、アメリカでは143,373人まで下がり、ベトナムでは2人に下がった。

 アメリカは、9月7日の25,906人という最小値から、11月20日、204,163人という最高数に上昇し始めた第二波にある。一方、ベトナムは、10月3日と4日両日の新患者0人の底値から、11月11日、新患者26人の最高値まで上昇し、11月18日に、新患者12人まで下がり、それ以来その数より増えていない。過去ベトナムの毎日の新患者最高数は7月30日、50人だ。それがベトナムの第二波のピークで、11月11日の新患者26人が、第三波のピークで、今鎮静しつつあるように思われる。

 ベトナムは、一体どのようにして、アメリカより何千倍も効率的に、この病気を制御するのに成功しているのだろう?ベトナムは、この病気と、それによる死をこれほど低くおさえるため極めて断固にしていることで、経済を抑圧しているのだろうか?まさに逆が真実だ。ハノイのCentre for Media and Development Initiativesの所長Tran Le Thuyによる「ベトナムは、経済成長を公衆衛生と対抗させることなく、Covidと戦っている」という題で、ベトナムのコロナウイルス経験について、イギリスのガーディアン10月20日号に掲載された記事の要点は下記の通りだ。

接触追跡以上に、ベトナムはコロナ流行対処で、なぜ、それほど優れていたのか?
中心的理由は、おそらく政府が、流行を非政治化し、純粋にそれを健康問題として扱い、効果的統治を可能にしたのだ。もし彼らの担当地域で、彼らの手落ちが原因でない陽性患者がいても、彼らが非難されることがないので、当局者に情報を隠す政治的動機がないのだ。私は、政府戦略に対する宗教的反対も聞かなかった。ハノイの疾病コントロール・センター所長が、検査キット購入に関する収賄と推測される容疑で逮捕され、小商人がマスク価格つり上げで罰金を科されたが、政府は公衆衛生が、商業利益と絡んではならないことに明確だった。
一月に武漢が最初の死者を発表した際、ベトナムは国境と空港で中国人入国者管理を強化した。中国との越境貿易がベトナム経済のかなりの部分を占めることを考えれば、これは容易な決定ではなかった。ベトナムはWHO勧告を越える予防措置をとっていたのだ。発生が国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態だと宣言される一週間前、世界保健機構がCovid-19を世界的流行と宣言する一カ月以上前に流行に対する準備が実行されていた。
政府は、Covidに関連する情報の自由を保障すると決めた。最初の段階のモットーは、我々が生きていればこそ、富や経済の問題だ、というものだった。
だが今や、政府は、対Covid戦略を、経済対策に移行し、一時封鎖と隔離は、ずっと選別的になっている。
今のところ、ベトナムは、第二波の脅威を撃退したように見え、ベトナムが現在、GDPのプラス成長を経験している世界でも少ない国の一つであることからして、世界中の国々が折り合いをつけるようとしている経済と公衆衛生の間の二律背反とされているものは、いささか誤った選択のように見える。

 ベトナムの経験は、流行という危機に直面しての正しい決定の特異な例に過ぎない。それで、ベトナムは極めて成功している。同様、アメリカは流行に直面しての誤った決定の例だ。それで、アメリカは大失敗している。

 11月22日、私は「どのコロナウイルス政策が成功で、どれが失敗か: N.Y.タイムズ分析が私の見方が正しいことを確認」(英語原文)という長い記事を書いた。それは200を越える国々と、アメリカの50州の比較を論じていた。ベトナムとアメリカの経験と結果は、世界の他の国々のものと一致している。どこであれ、悪い政策は悪い結果をもたらす。どこであれ、良い政策は良い結果をもたらす。

 11月24日、Statistaは「ヨーロッパは第二波を打ち破ったか?」という見出しで「数週間後、いくつかの欧州諸国が、増大するCovid-19新患者に直面して、再び(少なくとも部分的に)一時封鎖を行ったが、制約強化は成果をあげているように思われる」と報じた。これはグラフに示され、EUはそれらの数が著しく減少しているのに対し、アメリカは増加し続けており、9月以来、ずっとそうでなかったのに、再度、EUの毎日のコロナウイルス激しさを上回る方向に向かっている。同じ記事は、人気が高いアメリカのZero Hedgeニュースサイトで11月28日に再掲され、それに読者コメントが書かれているが、大半がここにあげるような、この情報に圧倒的に敵対的なものだ。

Crazed Smoker
心臓血管病は役立たずが集団ヒステリーを煽動しているものの10倍人を殺す。年間1600万人
marketvviz
そして皮肉にも、それがほぼ、もっぱら高齢者と、既に病気の人(併存疾患)を絶滅させるから、人々がそれを無視し、怖がらず幻覚、閉鎖しなければ、それは経済的には実際に長期的には純利益であり得る。
JimmyJones
第二波が潰され、封鎖がうまくいったように思われるだろうか?あきれた、何が起きたか知っている。彼らは50%以上を擬陽性にする検査を使い果たしたのだ。

 もう一つの興味深い比較が、ベトナムと、世界で最もコロナウイルスに壊滅させられた国、フランスとスペインにはさまれた小国アンドラだ。この国の経済の約二分の一が観光事業だという理由で、アンドラは流行の深刻さを軽視するため、出来る限りのことをしていた。11月29日時点で、アンドラは百万人につき、85,403人の新患者がいた。それはアメリカの41,024人の二倍より更に多く、ベトナムの14人の6,100倍だ。アンドラが百万人につき983人(千人に、ほぼ一人)のコロナウイルス死亡率なのに対し、アメリカは821人で、ベトナムは0.4人だ。(アンドラには良い医療制度があり、症例の98.7%を治したので、アメリカでは、ほとんどアンドラと同じ高く、アメリカは96.7%治した。ベトナムは97.0%治した。)

 国際や「州別」でさえ、データには学ぶべき教訓があり、その全ての教訓はお互い、驚くほど首尾一貫しているが、いくつかの国々で多くの人々が(アメリカでのように)それを学ぶのを拒否している。多分それらの教訓は、たまたまそうした人々のイデオロギーに合っていないのだ。

Eric Zuesse
アメリカ人作家、調査歴史家

個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2020/12/05/coronavirus-lessons-that-vietnam-could-teach-americans-and-the-world/

---------

 ベトナムに学ぶべきなのは宗主国だけではない。子は親を見習う。属国は宗主国を見習う。流行が止まらない中、GO TOで火に油を注ぐ狂気。木口小平の逸話を思い出す。日本政府は、国が崩壊しても、PCR検査を増やしませんでした。

 植草一秀の『知られざる真実』

PCR2900円なら1億人でも2900億円

« イラン科学者暗殺で利益を得るのは誰か? | トップページ | 中国外相の韓国訪問:口先ばかりで中身なし? »

アメリカ」カテゴリの記事

伝染病という便利な話題」カテゴリの記事

Eric Zuesse」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« イラン科学者暗殺で利益を得るのは誰か? | トップページ | 中国外相の韓国訪問:口先ばかりで中身なし? »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ