全員トランプを誤解していた
2020年12月23日
ケイトリン・ジョンストン
ドナルド・トランプが、1月20日に退任する前に、NSA内部告発者エドワード・スノーデンと/あるいはウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジを恩赦する準備をしているかもしれないという何週間もの憶測と一縷の望みの後、最近行われた大統領恩赦は、想像を遥かに超えている。
「火曜日、クリスマス前の大胆な恩赦で、トランプ大統領は、特別検査官のロシア干渉捜査で有罪とされた二人と、イラクの一般人殺害で有罪判決された4人のブラックウォーター警備員と、不正をした共和党議員三人に特赦を認めた」とニューヨーク・タイムズは報じている。
おそらく、熱心な読者には、ご説明の必要はないだろうが、トランプによるアサンジとスノーデン恩赦は、ほとんど、ありそうにない。在任中、トランプは、帝国の現状を守ること以外何もせず、政府の透明性を英雄的に主張する人々の恩赦は、彼が在職中、実証した、あらゆること異なる、彼が確立したパターンからの逸脱になるはずだ。連中が、まずそうしない場合でさえ、政治家に正しいことをするよう圧力をかけるのは良いことだが、彼がそうしないのは確実だ。
@nytmikeと私が、まもなく発表する記事は、パパドプロスと、もう一人のマラー調査が標的にした人物と、イラク民間人殺害に関与した男性四人と、不正をした共和党下院議員三人に対するトランプ恩赦、減刑だ
- マギー・ハーバーマン(@maggieNYT) 2020年12月23日
トランプの全任期が、アメリカのあらゆる政治党派全員が、事実上、彼を誤解していたのを明らかにした。それは四年前、そうだったのと同じように、メディア反響室の過ちのあかしでもある。
四年間にわたる反対の証拠の後でさえ、今日に至るまで、トランプ支持者は、彼らの大統領が、戦争を終わらせ、泥沼を排水し、闇の国家と戦っていると依然信じている。彼がアサンジを投獄した後でさえ、トランプ支持者は彼が闇の国家と戦っていると信じている。彼が対ロシア冷戦攻撃を強化し、飢餓制裁で何万人ものベネズエラ人を殺し、アメリカが支援する大量虐殺から、イエメンを救う試みを拒否し、政権転覆を実現するという明言した狙いで、飢餓制裁とCIA作戦を使って、イランで内戦を煽動し、シリア再建を防ぐ目的で、シリア油田を占領し、中東や他の至るところで、兵士の数を大いに増強し、前政権より、一日に投下する爆弾数を大いに増やし、記録的な数の一般人を殺害し、それら空襲に対する軍の説明責任を軽減したのに、彼は戦争を終わらせているのだとトランプ支持者は信じている。支配体制泥沼怪物で彼の内閣を一杯にした後も、彼は沼を排水しているのだとトランプ支持者は信じている。
四年間にわたる反対の証拠の後でさえ、今日に至るまで、リベラル派は、トランプがウラジーミル・プーチンの権益を推進して任期を過ごしたロシアの手先だと依然信じている。彼がロシアとの条約を破棄し、シリア政府を爆撃し、ウクライナに武器を与え(その いずれも、オバマは拒否していた)、ロシアの安全と権益に対して、直接多くの制裁や多くの他のエスカレーションをしたにもかかわらず、彼らはこれを信じている。
四年間にわたる反対の証拠の後でさえ、今日に至るまで、左翼の多くが、彼がオバマより本国送還が遥かに少ないにもかかわらず、トランプは、比類ないファシストか、ヒトラーのような大統領だという連中の頻繁な主張を、依然続けている。選挙敗戦後、彼が1月20日に官邸を去るのが確実なのにもかかわらず。
彼が任期全体を通じて実際にした全ては、前任者がそうしたのと全く同様、現状を守ることだったのに、あらゆる人々がトランプは標準からの急進的な逸脱だったふりをし、トランプもそういうふりをした。著者と活動家サム・フセイニが最近言ったように「トランプは他の指と向き合う親指だ。彼は反対側のように見えるが、彼は体制が更に多くつかむのを助けるにすぎない。」
トランプは他の指と向き合う親指だ。彼は反対側のように見えるが、彼は体制が更に多くつかむのを助けるにすぎない。https://t.co/rIfrJP1wO4
- サム・フセイニ(@samhusseini) 2020年12月23日
四年後、左翼も右翼も中道派も、全員トランプを誤解していたことが証明されたのだ。彼は比類なく邪悪な怪物でもなく(彼がブッシュほど酷くなかったのは争う余地がない )、沼を排水し、一般人のために闇の国家と戦うポピュリスト英雄でもなかった。
現実に、トランプの任期は、彼が本当にこの全期間、一体何だったかをはっきり確定した。彼はアメリカ大統領だった。何人かよりましで、他の連中より悪いが、彼は地球上最も邪悪な破壊的権力、すなわちアメリカ合州国政府の顔の役を自発的に務めた以上、概して終始ひどかった。彼は彼の前任者と同種の怪物だったのだ。
あらゆる党派のメディアによって、本当に巨大な言説の山が彼の上に積み上げられたが、トランプは、かなり平均的に邪悪なアメリカ大統領だった。実際、フォックスニュースを見て、テレビでオバマに怒鳴り散らす平均的アメリカ人ベビーブーム世代の人物を選び、彼を金持ちにし、大統領にすれば、おおかた皆様が手に入れる人物だったのだ。
それが、トランプで、そういう人物だったのだ。それ以上何ら特別なことはない。それは単に反響室の効果と、より多くの人々が、これを見るのを阻止する、実際のデータより、言説を優先する人間の傾向に過ぎない。
そして、彼の想像上の犯罪が実際のものとみなされ、彼の実際の犯罪が完全に無視されたまま、彼は今去りつつある。実際に起きていることに関する我々の認識を実に容易に曖昧にする精神的言説との我々の不健全で妄想的な関係から脱却する方法を見つけるまで、人類は健全な世界は構築できないだろう。
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一週間程前、ある知人から、アメリカ大統領選挙結果について「これから凄く面白いことが、途轍もない世界レベルのことが起こる。」というメールを頂いた。具体的根拠はなかった。何人かのトランプ派代議士や弁護士の名が書かれていた。想像するに、どうやら、どんでん返しで、壮大な不正選挙がばれ、トランプ再選という趣旨らしい。ネットを見ると、反共、反中国系やカルト宗教系メディアに、そっくりな話題があるが、他では、まずみかけない。そうしたメディアとは無関係に思える知人に、どこから情報を得ているのか教示くださいとお願いしても、示して頂けない。「留学経験がある知人の多くも熱烈なトランプ支持者で同じ意見」とおっしゃる。これも具体例は示されない。小生が再三疑念を表明したのに業を煮やされたらしく、最近全く情報を頂けない。金輪際ないだろう。
アメリカ大統領選挙結果で「凄く面白いことが、途轍もない世界レベルのことが起こ」ったようには見えないが、今回のアメリカ大統領の行動で「途轍もない世界レベルのことが起きた」とは思える。無謀な帝国主義の自己正当化。知人、いまでもトランプを熱烈に支持しておられるのだろうか。
花に嵐のたとえもあるぞ だいせんじがけだらなよさ。
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