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2020年12月29日 (火)

バイデンは前回権力の座にいた時以来、世界が変化しているのに気付くだろう

2020年12月21日
ジェームズ・オニール
New Eastern Outlook


 アメリカ合州国大統領選出されたジョー・バイデン次期政権は、世界に明確なシグナルを送っている。それにもかかわらず、彼の重要役職任命者リストの傾向は、強く2008年-2016年政権を感じさせる。従って、バイデン政権から得られる最初の教訓は、アメリカ合州国外交政策の、いかなる急進的変化を予想するのは非常に愚かだということだ。

 この政策はオバマ政権で明らかに開始され、バイデンが政策の端に触れていたのかもしれないが、中核は変わるまい。アメリカ合外交政策が、ほとんどわずか変化しないことに人々は衝撃を受けるだろう。これには多くの理由がある。

 第一の理由は、政権が本当に外交政策を決定しているわけではないことだ。それは最近「闇の国家」と呼ばれるものの権限のままなだ。また、それは驚くべきではない。1961年1月、ドワイト・アイゼンハワー大統領は、退任演説で、軍産複合体と呼んだものに注意を引きつけた。

 彼の大統領としての後継者、ジョン・ケネディは、この関係に伴う信念に異議申し立てするという致命的失敗をした。彼はそれからソ連指導者ニキタ・フルシチョフとの和睦を求め、1964年の選挙に勝った後、ベトナムからアメリカ軍を撤退させる計画を持っていた。この動きの両方が闇の国家が嫌悪するものだったので、ケネディは暗殺された。

 57年後「狂った単独銃撃犯」としてのリー・ハービー・オズワルド神話が、いまだワシントン支配体制に売りこまれているのは、この集団の権力反映だ。これは、世論調査で、アメリカ国民の70%以上がオズワルド寓話を信じないことを示唆しているにもかかわらずだ。およそ四分の一のアメリカ人が、実際まだオズワルド神話を信じていることが、公式のメディアの権力について多くを物語っている。

 ケネディの後継者、リンドン・ジョンソンは、ケネディの政策意図を迅速に反転させた。アメリカ人が最終的に去ることを強いられるまで、更に12年以上、ベトナム人は不幸に耐えなければならなかった。屈辱的に、われ先に逃げたことは、近年うまく取り繕われている。実際、アメリカ人の記憶力は酷く欠如しているので、中国包囲作戦の一環として、彼らは、今ベトナムに言い寄っている。

 これに進んで協力するバイデンの意志と、中国を「封じ込める」というアメリカによる複数の他の試みの表明が、アメリカの世界舞台での自己認識自身が、最近数十年、いかに変化していないかを明らかにしている。おそらく「協力する」という表現は、バイデンに対してあまりに寛大だ。実際、彼には、ほとんど選択肢がないのだ。

 これまで30年の中国の勃興は、世界支配というアメリカの野心に対する最大の脅威だ。最大の関心事が、自国と欧米世界間に、様々な国々の警戒線を維持することだった、かつてのソビエト社会主義共和国連邦がそうだったより、中国はアメリカ合州国による支配に対する遥かに大きな脅威だ。1991年のソ連崩壊以来、アメリカの約束とは逆に、ロシア国境へNATOが着実に拡大にしてきた。「彼らが言うことを信じる」のではなく「彼らがすることを警戒する」これ以上明快な例はあり得ない。

 まさに同じ策略が、中国に、しかけられており、文字通り何百というアメリカ軍基地が中国を包囲し、絶えざる軍事的脅威になっている。この戦術は、中国と境を接する水域での絶え間ないアメリカ「航行の自由」演習によって強化されている。戦争が終わって75年後の日本の継続的占領は、更なる実例だ。

 バイデンが前回、権力の座にいたとき以来、変化したのは、それら絶え間ない脅威に対する中国の反撃力だ。一帯一路構想は、今世界の国の四分の三以上を擁しており、1つの明白な例だが、それは中国唯一の「武器」ではない。中国は近年、多くの地域のアジアの組織を作り、参加しているが、最新のものは、八年にわたる交渉期間後、最近成立した15カ国、大半はアジア諸国だが、オーストラリアとニュージーランドも入った、地域的な包括的経済連携協定(RCEP)だ。

 オーストラリアがどれほど長い間この集団に残るかは疑問だ。この協定署名の彼らのインクが乾く間もなく、中国がオーストラリアからの輸出を厳しく制限する一連の基準を発表したのだ。オーストラリア主流のメディアの奇妙な特徴の一つは、この禁止令の帰結的意味が、ほとんど言及されないことだ。今年まで、中国はオーストラリア輸出総額のほぼ40%を輸入していただけではなく、中国は、外国人学生と外国人観光客の最大源なのだ。

 主流メディアが、事実上、中国の禁止令を無視したのは驚くべきだ。もしオーストラリア政府が、早急に見出すべき代替市場「プランB」を持っているなら、彼らは驚くほど静かだ。おそらく彼らは我々が知らない何かを知っているのだ。それが何かまだわからない。実質的に禁止されたリストの製品の一つに関する中国の反論に対する世界貿易機関へのほとんど無意味な提訴は別として、不思議な静寂だ。

 バイデン政権下のアメリカは、オーストラリアの運命について同情的に騒ぎ立てる以外、何もできそうにない。アメリカ農民は、結局、今効果的に禁止されているオーストラリア商品の一例である、輸入食品に対する中国需要の主要受益者の一人なのだ。

 アメリカの中国に対する、けんか腰の態度も、どんな効果もあるまい。中国は、世界最大の経済として長い間アメリカを上回っているだけでなく、平価購買力の上で、中国の世界的経済影響力は着実に増大している。中国経済の浸透は、アメリカ自身におよんでおり、そこで今、中国は、貿易上、有利な立場を維持している。

 これら要因のいずれもバイデン政権下で変化する可能性は高くない。アメリカの見地から最悪なのは、世界経済で起きている事態の理解が、バイデンが四年前に権力の座にあった時のまま固定していることだ。その間、世界は際立って変化しており、ロシアの軍事的優位性と、中国による貿易支配は二つの最重要要因だ。

 バイデンか否かにかかわらず、おそらく、より重要なのは、アメリカの経済、軍事政策を支配してきたアメリカの最高エリートは、これまでの数十年間、世界が変化し、変化しつつあることを理解しているのだ。率直に言って、兆しは明るくなく、バイデンがオバマ時代の残り物を選んだのは、典型例だ。

 本当の疑問は、バイデンがこの変わった世界に合うようアメリカ政策を改変する十分な力を持っているかどうかだ。あまり期待するのは賢明ではあるまい。

 ジェームズ・オニールは、オーストラリアを本拠とする法廷弁護士で地政学専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/12/21/biden-will-find-the-world-has-changed-since-he-last-held-power/

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