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2020年12月27日 (日)

米中「貿易戦争」はバイデン下で「軍事資源戦争」になる

2020年12月22日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 21世紀、中国がアメリカ最強の競争相手なので、様々なアメリカ政権や、恒久的な防衛支配体制が、中国の勃興と、バランスを自分たちに優位に維持する問題で頭がいっぱいなのは自然なことだ。アメリカは、トランプ政権下で、経済活動面で、中国と対決すると決め、一見果てしない「貿易戦争」を始め、双方の側から多くの攻撃が行われている。トランプ政権の前、オバマ政権は「アジア基軸」という形で、より多くの軍事的手段を通して、中国と対決すると決めていた。アメリカは、バイデン政権下、中国との貿易的絆を改善する可能性が高い。だが既にバイデン政権は、オバマ時代の軍事面に戻る方向へと動いている。バイデン政権は、トランプ政権が2017年から行っていたのと同じ戦争をするだろうが、次期大統領は異なる手段を使うだろう。

 これは、中国が大規模軍事再編し、既に軍事的にアメリカを凌ごうとする途上にある中、アメリカが採用している軍事的姿勢から明白だ。経済的に、アメリカと戦う中国の能力は、既に確立しており、軍事再編で、アメリカに対して比較的強い軍事力に太鼓判が押され、アメリカは世界最強軍の席から追い出されることになる。第二次世界大戦終焉以来、世界体制がどのように運営されるかについて、これは確実に大きな帰結的意味があるだろう。

 米国議会に対する最新国防総省報告が、過去20年間の中国の軍事的増強は驚異的なだけでなく、アメリカが今日直面する最大の手強い課題だと述べている。報告が示している通り、2000年には、中国軍は、単に「かなり大きいが」「中国共産党の長期的野心にはほとんど適さない古風な軍」だったが、それは既に「これまで20年、資源、技術と政治意志を集結して、中国人民解放軍を、ほとんどあらゆる点で、強化し、近代化した」。実際、報告が示す通り、造船、陸上発射通常弾道ミサイルや統合防空衛体制を含め「中国は特定分野で既にアメリカより進んでいる」。

 米海軍が保有する293隻の艦船と対照的に、「中華人民共和国は、130隻以上の主要水上戦闘艦を含む約350隻の艦船と潜水艦を持ち、全体的戦闘力は既に世界最大の海軍だ」。同様に、報告は「中華人民共和国は、ロシア製S-400、S-300や国内生産システムを含む世界最大の高度な長距離地対空システム戦力を保有しており、これは強靭で、冗長な統合防空システム構造の一部を構成している」ことを示している。

 近代化と、アメリカに数で、既に勝り始めた事実は、中華人民共和国の全体的戦略の一部で、報告書が更に主張する通り「国際秩序の様相を変更するものだ」。従って、中華人民共和国は、アメリカに率いられる現在の世界秩序破壊を決意している「修正主義勢力」と益々見なされるようになっている。それはさらに、ソフトな経済的、政治的目標を確保するために、ハードな軍事力を使うのをいとわない大国として見られている。

 報告は、従って、中国共産党が「中華人民共和国の拡大する海外権益を保障し、対外政策目標を推進するため、人民解放軍に、中国国境外と、直近の周辺に、戦力を投射する能力を発展させる課題を与えている」と結論し「中華人民共和国は、その対外政策目標を推進する上で、軍隊は、より積極的な役割を果たすべきことを認識した」と付け加えた。

 主に本報告書に影響されて、バイデン政権は、中国勃興封じ込めに、より焦点をあてるだろう。バイデンが国家安全保障担当補佐官に任命したジェイク・サリバンは、トランプ政権が中国の増大する軍国化を止め損ねたのを繰り返し批判したことが知られている。サリバンは、中国の活動を「管理する」ため、より多くの資源配分を主張した人物だ。去年のインタビューで、サリバンは、南シナ海地域[他の地域も同様]で、中国に対し「我々は、我々のパートナーと共に、より多くの資産や資源を、保証し、補強し、維持するべきだ」と言ったと報じられている。

 サリバンは、もう一つの講演で、中国の「経済発展」が概して世界に役立ち、奨励されるべきことを指摘していた。それは、バイデン政権下のアメリカが、なぜ再度その焦点を経済対決から軍事対決に移行するのか示している。言い換えれば、我々は、米-中貿易戦争が[これが即座には起きないだろうが]終わるのを見るだろうが、それが終わっても、結局、アジアと太平洋で軍事対決を産み出すに過ぎない。

 これを予期して、アメリカはそれに応じて、将来、より多くの艦船を南シナ海地域に送ることを計画している。米国艦船は「計算された戦術リスクを受け入れ、日常業務で、より積極的な姿勢を採用するだろう」と上記報告書が述べている。

 従って、バイデン政権下のアメリカが、トランプ時代に我々が見た[そして見続ける]対立を放棄して、根本的に異なる政策を採用しないのは明白だ。我々が見る唯一の相違は、中国の軍事拡大と、増大する政治的、経済的影響力の阻止に対する努力が比較的増大することだ。言い換えれは、バイデン政権は、報告が示す通り、既に酷く損なわれた問題、アメリカが「世界の海」に対して、必要な時に持っていた「自由なアクセス」の状況を逆転するため綿密な注意を払うだろう。もし「自由なアクセス」が、アメリカ世界的支配の鍵だったなら、中国のプレゼンスと拡大は、バイデン政権が取り除くのに熱心になるだろう障害だ。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの外交、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/12/22/the-us-china-trade-war-to-become-war-of-military-resources-under-biden/

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 ネット・ニュースで、みかけた記事。リコール騒動で悪名高い医師が、安倍前首相〝桜答弁〟ばかりの報道に「どうでもよい話ばかり馬鹿みたい」馬鹿みたい。

 桜を見る会問題を焦点にした田村議員の追求は、さすがに鋭い。

 LITERA

安倍首相「説明責任果たした」も嘘の上塗り発覚! 訂正した政治資金報告書に「ポケットマネーから支出」記載なく裏金疑惑も浮上

 支持率下落がとまらなかった前首相の方針を継承すれば、自動的に、支持率下落も継承することになる。

 デモクラシータイムス

無能の菅政権大暴落 大飯原発差止め判決 安倍疑惑おさまらず WeN20201225

 今日の孫崎氏のメルマガ題名

桜を観る会前夜祭、ホテルが請求した額と、参加者から集めた額の差額を誰がどこから補填したのか。この補填が、なぜ公職選挙法:第二百二十一条 (買収及び利害誘導罪)当選の目的で選挙人に金銭、物品、公私の職務の供与、供応接待に該当しないのか。

 今日の日刊IWJガイドの配信案内 どちらも興味津々。書店で上昌広医師の新刊をみかけた。今度拝読しよう。

■<本日の再配信>本日午後4時から4月21日収録「PCR検査をしなかったことが感染の蔓延を招いたのは明らか! 緊急事態宣言の全国拡大は不適切で無責任! ~ 4.21 岩上安身によるインタビュー 第991回 ゲスト 医療ガバナンス研究所理事長上昌広医師 第3弾<エッセンス版>」を再配信します!
┠■<撮りおろし初配信>本日午後7時より、12月25日収録「日本学術会議任命拒否問題 安倍・菅政権が繰り返す、違憲・違法の制度破壊!『任命拒否』を受けた当事者がズバリ語る!!『政治権力は真ん中から腐る!!」』 岩上安身による 早稲田大学大学院法務研究科教授・岡田正則氏インタビュー」を撮りおろし初配信します!岡田教授のご希望により会員限定配信となります。

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