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2020年11月 2日 (月)

民主党大統領は本当に一体何を変えるのだろう?

2020年10月31日
Moon of Alabama

 ペペ・エスコバールは私と同じぐらいハリス(バイデン)政権に悲観的だ。次期外交政策チームは、オバマ/バイデン政権時代に七つの戦争をしたブヨブヨの塊連中の復活だ。

[Transition Integrity Project(移行完全性プロジェクト)]の合図による、思っているより近い将来、カマラ大統領が取って代わる見通しの民主党のホワイトハウス復帰ゲームだ。それは、本質的に、あのブヨブヨの塊連中の復帰を意味している。

トランプ大統領はそれを「沼」と呼んでいる。オバマの元国家安全保障担当大統領補佐官代理で凡庸な政治屋のベン・ローズは、排他的なワシントンDCの外交政策ギャングやシンクタンク、学界、ワシントン・ポストからニューヨーク・タイムズに至るまでの新聞とその非公式聖書雑誌、Foreign Affairsなどを意味する独創的な「ブヨブヨの塊連中 blob」という言葉を造り出した。

民主党最高行政機関は、すぐさま、二つの戦争の帰結的意味に直面する必要がある。中国に対する冷戦2.0と、オバマ-バイデン政権によってOCO(海外緊急作戦)と改名された、果てしない、一兆ドルのGWOT(世界対テロ戦争)だ。

 エスコバールがいっている民主党ホワイトハウス・チーム(クリントン、ブリンケン、ライス、フルールノア)は、全員タカ派政策を主張する周知の戦争屋集団だ。主「敵」ロシアと中国は、トランプ下と変わるまい。シリア、ベネズエラ、イランや他の国々はアメリカの標的リストに留まるだろう。アメリカ外交政策は、トランプのバージョンからほとんど変化するまいが、おそらく一層命手厳しい能力で対処されるだろう。

だがエスコバールは2つの前向きの可能性がある展開を見ている。

対照的に、二つのほぼ確実な取り柄は、オバマ-バイデンの唯一の外交成果である、JCPOA、イラン核合意へのアメリカの復帰と、ロシアとの核軍縮交渉再開だ。それは、バイデンが最近、公式に述べた通り、ロシアがアメリカに対する「最大の脅威」なのを強調しながらも、新たな全面的冷戦ではなく、ロシア封じ込めを意味するだろう。

 私はハリス(バイデン)がそれら両方の問題で失望させると信じている。ネオコンは既にハリス(バイデン)陣営に群がっている。彼らはJCPOAを決して復帰させないだろう。

昨晩「Jewish Americans for Biden」が主催し、Democratic Majority for Israelのアン・ルイスが司会した公式バイデン選挙運動ウェビナーで、二人の著名ネオコン共和党議員が、主にトランプの性格が民主主義に脅威となっているというかどで、バイデンを支持した。だがこの二人のネオコンは、バイデンが中東で武力を使うのを一層いとわないと強調し、バイデンは、イスラエル支持を非政治化するのに努め、決してイラン合意に復帰せず、イスラエルを支持し、アメリカの軍事介入を信じる顧問が彼を取り巻くと言って、ユダヤ人聴衆を安心させた。

元外交官でディック・チェイニー顧問のエリック・エデルマンはトランプの和解策は、イスラエルを巡り、アメリカであからさまな政治的分裂を促進したと言った・・・。

ブッシュ補佐で学者のエリオット・コーエンはイスラエルが政治化されているという恐れをおうむ返しにした。
・・・。
コーエンとエデルマンはオバマのイラン合意に反対し、二人とも、バイデンは、イランに対してタカ派だと予想した。
・・・
バイデン政権には、イラン合意への復帰を求める「意見があるだろう」が、既に四年経っており、我々は違う場所にいると彼は述べた。そして「イランが原子力協定の制限の多くに従っていないから、制裁で得られるレバレッジ機能を使わないことは[バイデンにとって]困難だろう。イランが、実際に核兵器を開発するのに十分な核分裂物質を得るには、三カ月、おそらく四カ月だ。」

 対イラン制裁撤廃に対しては、ハリス(バイデン)政権は、JCPOAへのイランの復帰に、遥かに多くの制限を要求するだろう。イランはミサイル兵力制限であれ、シリアに対する支援制限であれ全ての新要求を拒絶するだろう。対立はそれで悪化し続けるだろう。

 もう一つの問題は軍縮だ。ハリス(バイデン)政権は、新START合意を無条件に延長するプーチン提案を一年、受け入れるかもしれないが、それは確かにロシアからその国が与えることをいとわないより多くの使用権を欲するだろう。現在すでに配備された極超音速ミサイルや他の新しいプラットホームで戦略的に重要な兵器で優位にあるのはロシアだ。アメリカは新「ミサイル・ギャップ」を埋めたいと望むだろう、軍産複合体はそれから利益を得る準備ができている。新START延長は最終的に切れ、私は、ロシアが技術的優位にいる間、アメリカが新しい合意をするとは思わない。

 民主党大統領の下での国内政策も、大きな違いはないだろう。クリスタル・ボールが言ったように、ローリング・ストーンのポッドキャストを要約したものはこうだ

だが、バイデンが勝利してさえ、クリスタル・ボールは、それが政策にとって多くを意味するとは思わない。

「バイデン時代に対する私の予測は、極めて僅かしか実際には起きないということだ」とクリスタル・ボールは言う。「民主党は無能のふりをするのが非常に巧みだ。我々はアメリカ最高裁判所審問でも、これを見た。彼らはなぜかという理由を考え出すのが実に巧みで「おお、あの卑劣な共和党員、我々は、より良い医療を望むし、賃金を上げたいが、おやまあ、ミッチ・マコーネルが余りに狡猾なので、我々はそうできないのだ。」

 「変化」は彼の軽量級共和党政策を売り込むためのオバマの宣伝文句だった。本物の変化は決しておきなかった。ハリス(バイデン)政権も同じ目で見なければならない。

 私は、従って、エスコバール記事の結論に同意する。

要するに、バイデン-ハリスは、猛烈なブヨブヨの塊連中への復帰を意味する。バイデン-ハリスはオバマ-バイデン3.0だ。連中の七つの戦争を想起願いたい。兵力強化を想起願いたい。獲物リストを想起願いたい。リビアを想起願いたい。シリアを想起願いたい。「ソフト・クーデター」ブラジルを想起願いたい。マイダンを想起願いたい。皆様には、しっかり警告しましたからね。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2020/10/what-would-a-democratic-presidency-really-change.html

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 首の皮一枚で、大阪市破壊が止められたことを素直に喜びたい。以前から不思議に思っている支配層、強さの政治学者による説明、票分析に納得。大阪で成功した後、国政に出て、自民、公明と悪のトライアングルが作る予定が挫折。

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