バイデンが勝てば、ロシアゲートは魔法のようにチャイナゲートに変身する
2020年10月27日
ケイトリン・ジョンストン
【おやおや】。また同じことが起きている。
まさに同じ低いとどろきが、ゆっくりと同じ最高潮に向かって盛り上がりつつある。最初、わずかな数の意外なコメント通知が来て、次に少し増え、次に遥かに多く、その後、それよりずっと多く現われる。一つのニュース記事が、10になり、100になり、やがては、アメリカの政治的言説の半分を完全に独占するのだ。
中国がジョー・バイデンに影響力をもっているという右翼の益々かん高い金切り声は、まさに2016年の同時期、私が経験した、リベラル派による、ロシアがドナルド・トランプに影響力があるという主張に危険なほど似ている。私がこれらの類似を指摘すると、常に大勢のトランプ支持者が、アメリカに標的に定められたアジアの国が、恫喝や金融のつながりで大統領候補者に影響力があるというCIAとなじむ陰謀論は、アメリカに標的に定められたアジアの国が、恫喝や金融のつながりで大統領候補者に影響力があるというリベラル派のCIAになじむ陰謀論とは全く違うと言ってくるが、それは全く同じだ。
しかも、それは驚くほど良く似た形で、演じられている。
トニー・ボブリンスキーは、中国についてジョー・バイデンと会ったと言う。メディアは物語を抑制しているが、それは事実で、重要だ。有権者には詳細を知る権利がある。ボブリンスキーは火曜、東部標準時午後8時に#FoxNewsで長時間インタビューを受ける
- タッカー・カールソン(@TuckerCarlson) 2020年10月26日
ニューヨーク・ポストが、悪名高いブリスマ電子メール公表に対して、同じレベルでジョー・バイデンも巻き込む、ハンター・バイデンと中国最大の民営エネルギー企業との不正で身内びいきの取引を示すと主張する続編を発表した一週間半前に、勢いを増し始めた。そこで先週、息子バイデンのトニー・ボブリンスキーという名のビジネスパートナーが、彼が中国の企業との取引について、バイデン親子と論じていたと報道機関に語った。
もし本当なら、これらの取引は不適当で、ワシントンのように底知れないほど不正ではない政府では、注目に値さえするかもしれない。絶対的に存在していないのは、ジョー・バイデンが中国政府によって、なんらかの方法で支配されているという証拠だ。
それでも、バイデンは北京に飼われているかもしれないという考え方は、ナイジェル・ファラージやCIA志願者タッカー・カールソンなどの右翼が展開し、促進している。それは何年もの調査や見境のない召喚令状の後でも、権力側が、ロシア政府との陰謀容疑で、アメリカ人を一人も起訴し損ねた、トランプのモスクワに対する忠誠のような、冗舌でごまかす根拠薄弱な外国政府への内密の忠誠という主張と同様のものに過ぎない。それなのに、2016年のこの時点で、リベラル派がロシア陰謀論を推し進め始めているのを見たのと同じ熱情で、右翼評論家は、根拠がないこの主張を推進しており、彼らの支持者は、私が懐疑心を表明すると、中国共産党工作員だと言ってコメント欄に出現する。
以前にも、こういうことがあった。
今度は、中国に売る? https://t.co/5gELbHvDgQ
- ナイジェル・ファラージ(@Nigel_Farage) 2020年10月26日
バイデンが当選すれば、共和党が何度もベンガジ事件を追求したのを大きく上回り、これらの主張が、よりうるさく、一層声高になると予想できる。それはロシアゲートがそうしたと同様に政治言説を独占し、ソーシャル・メディア上で、
悪意に満ちた中国タカ派が、実は、中国の手先だと、懐疑心を表明する人々全員、中国共産党宣伝者というレッテルをトランプ支持者に貼られるのだ。
我々はこれは、バイデン政権に対して、北京に対する冷戦攻勢を拡大させる政治圧力を生み出すと予想できるが、バイデンは、悪意に満ちた中国タカ派なので、そうするだろう。我々は共和党がそれらのエスカレーションを無視して、中国に対し、バイデンは怪しいほど弱気だと主張し続け、他方民主党は彼が自分たちの大統領だという理由で、それに反対せず、バイデンに、彼が中国の手先ではないことを示して欲しいと望んでいる。
私がどうして、これが起きると知っているのか? それが、まさにロシアゲートで起きたことだからだ。
そしてもちろん民主党やリベラル・メディアのいずれも、連中は全く同じことをして四年過ごしたのだから、これら事実無根の陰謀論に抗議して立ち上がるべき道徳的足場を持たない。彼らは共和党との陰謀論とマッカーシズムの戦いに入ると決めたのだが、ボクシングの試合で、タイソン・フューリー対する挑戦にいささか似ている。ロシアゲートは、魔法のようにチャイナゲートに変身し、ヒステリックなマッカーシー主義者で中国嫌いのタッカー・カールソンは新しいレイチェルMaddowになるだろう。
「元」CIA職員@BryanDeanWrightは(やはりCIAに入ろうとした)タッカー・カールソンに、一部の民主党指導者は、実際中国のために働く秘密諜報員かもしれないと言っている。これは我々がロシアに関してMSNBCで見た、どれと比べても、文句なしに同じぐらい狂っている。pic.twitter.com/3IcRJzJuQm
- ケイトリン・ジョンストン ⏳(@caitoz)2020年4月19日
そしてもちろん、このばかげたことでの唯一の勝利者は、舞台裏で、この全てを動かしている、スパイと冷戦戦士だ。それは、極めて怪しい状況の下で、ニューヨーク・ポストの手に入った、誰も本当に公式言説を信じておらず、一極世界覇権というネオコンの目標を推進することになるだろうラップトップの中身から始まった。彼らはロシア-中国連合の半分に対して冷戦をしたが、今彼らは、残りの半分に対して冷戦をしているのだ。
作家でアナリストのマイケル・パレンティを引用しよう。
「PNAC計画は、中国との戦略的対決と、世界のあらゆる場所で、より大きな永久軍事的存在を想定している。目的は、権力のための権力ではなく、世界の天然資源と市場を支配する力、世界中の全ての国の経済を民有化し、規制緩和する権力、北アメリカを含め、いたる所で諸民族の背中にまたがり、拘束されないグローバル「自由市場」の祝福を高く掲げる権力だ。究極の目標は、グローバル資本主義の支配権だけでなく、競合する可能性がある、いかなる超大国の出現を防ぐことで、アメリカ・グローバル資本主義の支配権を確保することだ。」
PNACというのは、もちろん、ジョージ・W・ブッシュ政権のパラダイム・シフトで、権力の座についた、いかなる代償を払ってもアメリカに集中した世界支配を維持するという狂気のイデオロギーの極めて影響力の大きいネオコン・シンクタンクの「新しいアメリカの世紀のためのプロジェクト」だ。連中のイデオロギーは決して消え失せず、次第に主流正統信仰となり、今や、主流政界では、めったに本気で疑問視されることはない。
中国の勃興を止めるという狙いは何年も続けられており、ジョー・バイデンは、このの狙いのための「アジア旋回」が、そのお膳立ての主要部分を作り上げた政権の一員だったのだ。ところが、事実と言説は非常にゆるくしか繋がっていないので、大統領として、どれだけ多くの経済封鎖や核エスカレーションを彼が展開しても、どれだけ膨大な量の証拠があっても、彼は密かな習近平の操り人形だという主張を制止できるまい。
トランプが落選した場合、ロシアゲートがすっかり終わると私は大いに期待していたが、私が何度も怒鳴っているように、冷戦戦士連中は全く同じ、とんでもない台本をリサイクルし、過去四年間、トランプのサクラで、クレムリン工作員だと私が非難されたのと全く同様、私はバイデンのサクラで秘密の中国共産党工作員にされて終わりそうだ。
おやまあ。ロシア工作員から中国工作員だ。たまには転職してみるのも良いかと思う。
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大本営広報部、飽きもせず、俳優釈放の様子を撮影しようと群がっている。文字通り、クソバエ。彼がどうしようと、我々一般庶民の生活には、まずほとんど影響はない。一方、菅首相政権の理不尽な学術会議任命拒否は、必ずや直接庶民生活に深刻な影響を与えるのだ。それが、わかっていて、学術会議任命拒否の追求を避けて、俳優釈放ばかり呆じる連中、人間の顔のゾンビー。それを見る人々もゾンビー。会社で何年も窓際におかれた頃より現状は耐えがたい。
スノーデン問題を報じたジャーナリスト、自分が設立したメディア、Interceptが、バイデン疑惑を報じようとしないのに怒って、Interceptを退社した。
https://greenwald.substack.com/p/my-resignation-from-the-intercept
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