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2020年11月30日 (月)

アフガニスタンでのオーストラリア戦争犯罪暴露は政治家が直面するの嫌がる問題を提起

2020年11月25日
ジェームズ・オニール
New Eastern Outlook

 四年の調査後、今週発行された、アフガニスタン駐留オーストラリア兵士による戦争犯罪とされることについての報道が、これまで知られていなかったオーストラリア軍人の行為とされていることに関し、ある程度の憤激を引き起こした。大衆の怒りは当然のことだが、長く続く戦争の、より基本的な疑問を完全に避けている。

 この戦争は、19年目で、アメリカ、オーストラリア両国最長の時間を注ぎ込んでいる戦争だとメディアはいやになるほど繰り返している。それは物語のごく一部に過ぎない。アメリカのアフガニスタン介入は、ソ連部隊のアフガニスタン侵攻に、欧米が見せかけの憤慨で反応した1980年以前から始まっている。ソ連による侵攻は、1980年のモスクワ・オリンピックに欧米が参加をキャンセルする格好の口実になった。

 ソ連軍がアフガニスタンに侵攻したのは初めてではなかった。イギリスは19世紀にアフガニスタン支配のため、少なくとも三度戦争していた。アヘン収穫とその主要商品ヘロイン輸出支配維持は、イギリス侵略にとって、当時も今も最大の理由の一つだ。

 アフガニスタン・ヘロイン貿易は、イギリスによる中国支配の主要手段の一つだった。1900年、中国の成人のうち、7人に1人がヘロイン中毒だったと推定され、そのほぼ全てがイギリスに供給されており、それは儲かる商売というだけでなく、中国という新植民地支配を維持するための主要手段でもあった。

 アジアに対するアメリカ権力の一層の拡大を主張するようになったアメリカの関与はずっと後のことだ。ソ連によるアフガニスタン侵攻は、アメリカがにアフガニスタン内で活動を開始する完ぺきな口実になった。彼らはその時以来一度も撤退したことがなく、近い将来自発的に撤退することは、ほとんどありそうにない。

 タリバーンは1996年末、アフガニスタンで権力を掌握したが、彼らが最初にしたことの一つはケシ裁培者攻撃だった。それはアフガニスタンを世界の主要ヘロイン源として維持する既得権益を持った多くの集団には耐え難かった。2001年9月11日の事件は、アメリカと、オーストラリアを含む欧米同盟諸国に、アフガニスタンを侵略する完ぺきな口実となった。

 2001年10月、アメリカに率いられたアフガニスタン侵略最初の結果の一つは、タリバン政府に閉鎖されたケシ畑の復活だった。タリバンは、どの段階においても、国全体の支配できなかったため、収穫は完全には根絶されなかった。アフガニスタン内でタリバンが支配し、ポピー生産高が非常に減少していた地域は、息を吹き返した。

 次の19年間、気象条件のため一部の年には変動しながらケシ収穫は増加した。国連薬物犯罪事務所によれば、アフガニスタンの年間収穫高の約75%が、アメリカによって輸出され現地の軍閥リーダーが約20%の支配を維持し、残り5%が、作戦の現地資金調達のためタリバーンに使われている。

 ドナルド・トランプ大統領は、アフガニスタンからアメリカ兵士を撤退させるつもりだと発表した。これには次期アメリカ大統領ジョー・バイデンが反対したが、彼はヘロイン販売がCIA資金調達で果たしている役割を故意に無視した。だがトランプ、バイデンどちらを信じると決めるかにかかわらず、兵士の移動で何が実際に起きているかについて、いずれも真実を語らない。

 デボラ・アバントがワシントン・ポスト掲載記事で指摘したように、実際の兵士が少数派であるアメリカ軍隊に何が起きるかは明確からはほど遠い。アバントが指摘する通り、9/11事件以降のアフガニスタンもその一つに過ぎないアメリカの戦争で、請負業者が、アメリカ軍要員の最大部分を提供しているのだ。

 ワシントン・ポストの推計によれば、2001年の侵略以来、アメリカは約2300人の軍人を失っているが、それと比べて、請負業者は、3814人も失っている。アフガニスタンで戦死した際立って少数の正規軍人が受ける注目を請負業者は決して受けない。アバントが示す数字によれば、民間請負業者の利用はトランプ政権最初の三年で、65%以上増えている。最近の月にこの数が、絶対的、あるいは比較的、減少したことを示す証拠はない。

 西欧軍の死者も、欧米メディアで大きく報道される。アフガニスタン人死亡では同じことは言えない。ポール・シュリンクマンの記事によれば、一日に40人のアフガニスタン兵士が亡くなっている。基本的な算数で、60日ごとに、アメリカが19年で失ったより多くの兵隊をアフガニスタンが失っていることがわかる。彼らの死亡率が、これほどわずかしか報道されないことが、アフガニスタン人の恐るべき死亡者数に対する欧米メディアの相対的無関心を示している。

 オーストラリアSAS兵士による39人の非戦闘員一般人の死に関するオーストラリアでの大規模マスコミ報道が、これを際立たせている。主流メディア記事で全く欠けているのはアフガニスタン国民が欧米軍事介入に対して支払っている恐ろしい代償への言及だ。

 オーストラリア主要政党はこの大虐殺を終わらせるのに全く無関心だ。外務省と国防省の二人の公式報道官が発表した共同声明には、アフガニスタンから撤退するオーストラリア部隊のかけらも皆無だ。内部告発者に対するオーストラリアの懲罰的性格は、アフガニスタンでの非武装一般人の不法殺害について、書類をメディアに漏らしたかどで生じた告訴に直面している軍の内部告発者デイビッド・マクブリドの告訴で非常にはっきり見られる。これらは、まさにブレアトン裁判官が事実であると見いだした問題だ。

 アフガニスタンでのこれまでで最長の違法な戦争からオーストラリア部隊を撤退させることについての政府や野党からどんな声明も欠如していることが多くを物語っている。アメリカのために違法戦争を行うことへのオーストラリアの誓約に対する基本的見直しをするため、アフガニスタン駐留オーストラリア軍人による露骨な戦争犯罪をあばくことなど必要ではないのだ。参戦を終わらせるという政治的誓約が皆無なこと自体、どこで、誰と戦うか、オーストラリアは自分で決められない証明だ。

 ジェームズ・オニールは、オーストラリアを本拠とする法廷弁護士で地政学専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/11/25/the-exposure-of-australian-war-crimes-in-afghanistan-raises-questions-the-politicians-are-still-reluctant-to-face/

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 この事件の暴露以降、オーストラリア軍では、該当者の自殺や、除隊がおきているという。

Nine ADF veterans take their own lives in three weeks

13 Australian soldiers receive discharge notices after probe finds evidence of war crimes in Afghanistan

  「逆らう者は排除する」政策の結果は、宗主国侵略戦争のためミサイルはりねずみ列島化と、憲法を破壊して砲弾の餌食をさしだすことだろうと、この記事を読んで思う。憲法9条を改悪廃棄すれば、どこで、誰と戦うか自分で決められない国の軍隊にも同じ運命がまっている。 日本学術会議任命拒否、学者に宗主国侵略戦争用軍事技術研究を強いるため。そもそもの日本学術会議設立目的が、宗主国・属国のの戦争屋にとって、目の上のたんこぶ。

NHK『NW9』への圧力問題で菅首相が「私は怒ったことがない」と大嘘答弁! 実際は「頭きた、放送法違反って言ってやる」とオフレコ発言

 「芳ちゃんのブログ」の翻訳記事も、アフガニスタンの麻薬。

アフガニスタンの運命は麻薬によって決まる。政治ではない

 西谷文和 路上のラジオも。

第40回 「小出裕章さんに聞く~女川原発、本当に再稼働させていいの?」そして西谷文和アフガン取材報告の2本立て

 日刊IWJガイド、冒頭に、GO TOを辞めていない沖縄は医療崩壊寸前。緊急院内集会中継がある。

【IWJ・Ch6】16:30~「日本学術会議会員任命拒否は憲法違反 許すな憲法破壊!緊急院内集会 ―登壇:鳥越俊太郎氏(ジャーナリスト)、望月衣塑子氏(東京新聞記者)、植野妙実子氏(中央大学名誉教授)ほか」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch6

 「菅政権による検察・行政の強権支配を糺す会」主催の院内集会を中継します。これまでIWJが報じてきた日本学術会議関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e5%ad%a6%e8%a1%93%e4%bc%9a%e8%ad%b0

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