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2020年10月 6日 (火)

我々は本当の偉人を失った(スティーヴン・F・コーエンが亡くなった)!

2020年9月19日
The Saker

 平和をつくり出す人たちは、さいわいである。彼らは神の子と呼ばれるであろう。(マタイによる福音書5章9節)

皆様

 昨日、スティーヴン・F・コーエンが、81歳で、マンハッタンの自宅で亡くなったと報告しなければならないのは大きな悲しみだ。

 既にこれを報じた、いくつかのメディアがある。彼はソ連の歴史家だったから、彼らの大半がスティーヴン・F・コーエンの政治思想と彼の著書について論じているのは当然だ。だが私はここでは、そうしない。

 私がコーエンについて言いたいのは全く違うことだ。

 第一に、彼は計り知れない優しさと謙虚さの人だった。第二に、彼は全くの知的誠実な人だった。私は多くの場合我々がそうしたけれども、コーエンと私は、同じ考え、あるいは同じ歴史解釈をしているとは言えないが、この人物で、実に素晴らしいと私が思ったのはこういうことだ。彼の同時代人の大半と違い、コーエンはイデオローグではなく、皆が彼に同意するのを期待せず、人と友好的になる前に、人のイデオロギー的純粋さを吟味することはなかった。

 このような巨大な知性と誠実さの人物を何らかの一つのイデオロギー的範疇に押し込むのは不可能だが、この言葉の本来の高尚な意味で、スティーヴン・コーエンは本物のリベラル派だったと私は言いたい。

 スティーヴン・コーエンの計り知れない勇気にも私は言及しなければならない。そう、コーエンは彼の考えゆえに、グアンタナモ収容所には追放されなかったし、CIA秘密刑務所で拷問にかけられなかったし、どこか第三世界の国に移送されて、アメリカの名において、そこで拷問にかけられることはなかったことは知っている。スティーヴン・コーエンは異なる種類の勇気を持っていたのだ。世界が文字通り、中傷的非難で彼を扱った時でさえ、自身と自身の理想に忠実であり続ける勇気、彼らが擬似リベラル派に転じ、本当の自由主義が意味する全てを裏切った時に、彼の仲間のリベラル派に従わない勇気。コーエン教授は、あらゆる種類の部族主義や民族主義を拒絶し、それで、しばしば彼は、特に彼の仲間のアメリカ・ユダヤ人の、意地の悪い憎悪や中傷の標的となった(彼はなんと、プーチンの手先だと非難された)。

 コーエンは、この国の支配層全体と、連中のメシア至上主義イデオロギーと、独力で、ほぼ完全に一人だけで対決する勇気を持っていた。

 確実に、他に劣らず重要なことだが、私が引用した福音書の言葉の意味で、スティーヴン・コーエンは、正真正銘の和平調停者だった。彼は冷戦中、戦争挑発狂人に反対し、連中が、ソ連に対する狂ったような憎悪を、ロシアのあらゆるものに対する一層狂ったような憎悪に置き換えた時、彼は再び連中に反対した。

 ここで、私は、コーエンの考えや彼の歴史解釈に、常に同意したと主張するつもりはないし、彼も私が書いたものの多くに同意したわけではないと私は確信している。だが一つだけ、コーエンと私が決定的に同意するものがある。「絶対ナンバー1」優先事項、アメリカとロシア間で戦争が起きるのを可能にさせないこと。スティーヴン・コーエンは、この目標に生涯を捧げたと言っても過言ではあるまい。

 もしノーベル平和賞が何かを意味し、もし少なくとも多少とも信用できるとすれば、私は、この世界の誰よりも、スティーヴン・コーエンが、このようなノーベル賞に値したと私は言いいたい。代わりに、彼は天国で褒美を得るだろう。

 ロシアには旧約聖書を彷彿とさせる言葉がある。「город стоит, пока в нем есть хоть один праведник</font face>」大雑把に言えば「たとえ一人でも道義的に正しい人がいる限り、都市は成立する」という意味だ。アメリカの「都市」は、まさに、そうした道義的に正しい人を失ったばかりだと感じざるを得ない。そう、この「都市」には、まだ少数の道義的に正しい人々がいるが、同時代人の最良の一人を失ったことを我々全員確信している。

 私にとって実に遺憾ながら、コーエン教授に直接会ったことがないのだ。それにも拘わらず、私は今朝、彼の逝去のニュースを聞いた時、本当に心が痛むように感じた。私にとって大きな慰めは、11月と、それに必然的に続くものの前に、コーエンが亡くなったことだ。エセ・リベラル・ネオコンに繰り返される攻撃の下で、彼の国が崩壊するのを見る痛みを免れさせるため、神が我々から彼を奪い去ったのだと私は信じている。

 狂った醜いこの時代、コーエン教授は(アメリカのエセ・リベラル派がギンズバーグ裁判官の逝去について大声で叫ぶのに余りに忙しいにせよ)国内では、彼が本当に値する評価や感謝を得られないのはかなり明きらかだ。スティーヴン・コーエンはロシアの一部(彼はロシアに多くの友人がいた)では良く知られているが、大半のロシア人々にとって、ほとんど知られていない。だが人類がもう少し長く生き続けるとすれば、コーエン教授は、アメリカでもロシアでも、公正な人として認められるだろうと確信している。

 我々は、社会として、我々の中に、これほど公正な人物を持つに値しないと、私はどこかで信じている。今コーエンは、ずっと良い仲間たちと一緒だ。

 スティーブ、あなたの優しさと勇気を、ありがとう。私はあなたがいないのを心から淋しく思う!

記事原文のurl:https://thesaker.is/we-have-lost-a-real-giant-stephen-f-cohen-has-passed-away/

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 宗主国支配層、キリスト教徒だという。聖書の言葉の逆を実践しているのだろうか。

平和をつくり出す人たちは、さいわいである。彼らは神の子と呼ばれるであろう。(マタイによる福音書5章9節)

 学者排除の理由、毒饅頭オヤジの支離滅裂たわごとを聞かされる。日本人は、ウソつきを本当に支持しているのだろうか。身の回りの、おさななじみの数人以外、支持者を思いつかないのだが。「属国支配者として、宗主国戦争への全面協力の邪魔になる学者たちを排除するのだ」と本音が言えるはずもない。大本営呆導機関の速記者と怪見するだけ。

 LITERA

菅首相が「日本学術会議」問題で理由を説明せず! しかも記者会見でなく3社だけの「グループインタビュー」形式で追及封じ込め

 米国追従の愚、田岡氏が語っておられる。

【田岡俊次の徹底解説】イージス代替の裏に密約? 連戦連敗の米国追従の愚 
20200928

 コーエン氏の生涯は彼の学問的良心と、支配体制による思想弾圧の見本?

 ポール・クレイグ・ロバーツ氏やThe Saker氏らの翻訳記事も再三、スティーブン・コーエン氏に触れている。

 スティーヴン・コーエン教授の『ロシアとの戦争』書評 も訳してある。

 この記事を読んで購入した『ロシアとの戦争』の洋書、手元にあるが、恥ずかしながら未読。

 いくら世界一の属国とは言え、宗主国大統領の容態を延々報じる大本営広報部、正気ではない。傀儡首相は、人事支配で官僚を服従させ、様々な恫喝でマスコミを服従させ、同じ手口で、学界を服従させようとしている。これで、日本丸ごと、宗主国の侵略戦争の砲弾の餌食と化する。それを放置して、宗主国大統領の話題を延々と語る大本営広報部の愚かしさ。自分の頭のハエは追えない大本営広報部、アメリカ・日本支配層の走狗そのもの。テレビはほとんど期待できない。ネットのまっとうな番組を見るしかないのだろうか。たとえば下記。

学術会議への人事介入に抗議する

 学問、教育の自由が、どれほど大切か、宗主国、属国支配層は十分承知している。学問、教育の破壊は、その国の文明の破壊だ。十年前の古いものもある、下記翻訳をお読み願いたい。まともな研究をしている学者が弾圧されれば、当然、まともな教育は不可能になる。属国は、記憶を失った植民地になる。

(再掲載)アメリカの対イラク戦争-文明の破壊 09/8/31 隠蔽エンジンで、隠蔽されている。

アメリカの対イラク戦争-文明の破壊 隠蔽エンジンで、隠蔽されている。

アメリカ合州国は、なぜ教育制度を破壊しているのか

イラク: 高等教育における、大規模な不正行為と腐敗

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