アメリカ政治は「分極化していない」。ほぼ全般的に合意している
2020年10月7日
ケイトリン・ジョンストン
アメリカ政治を見ると、お互い非常に意見が異なる二つの主流政治党派があるかのように見える。良く思い浮かぶ言葉は「分裂している」だ。「分極化されている」はもう一つの言葉だ。
あらゆる感情が、これら二派閥の間を流れ、その大部分が実際否定的なのは、もちろん事実だ。アメリカのどの時点のニュースも、大概、一つか二つは両党間の辛らつな敵意が注目の話題だ。
だが、あらゆる、侮辱の浴びせあい、と激しい討論の下で、これら二つの派閥は実際は、お互い大いに意見は一致している。彼らは、ずっと、一致しているのだ。
アメリカ政府が、世界に広がる帝国の中心であり続けるべきことに彼らは同意している。帝国がどのように運営されるべきかで、ワシントン・ポスト記者の手足を骨のこぎりで、ばらばら切断したことに対し、サウジアラビア皇太子は何らかの報いを受けるべきかどうかのような詳細を巡り、彼らは、怒って、つまらない議論をする。
アメリカが、いかなる代償を払っても、世界の一極覇権国のままであるべきことに彼らは同意している。帝国がどのように見えるべきかについて、軍事基地に南部連邦将官の名がついていて良いか否かのような些細なことで、彼らはやかましく言い争う。
世界中に、アメリカの大規模軍事駐留があるべきことに彼らは同意している。それら部隊の数千人がドイツに留まるべきか、ポーランドに配転すべきかというような些細なことで彼らは猛然と論争している。
アメリカに中央集権化した帝国を維持するため、果てしない大規模な軍事暴力があるべきことに彼らは同意している。彼らは、シリア、イランのどちらに、より軍事暴力を集中すべきかどうかの大議論を演じている。
他の核保有国に対する攻勢を強化しながら、全世界を核兵器で威嚇する必要があることに彼らは同意している。誰の指がボタン上にあるべきかで彼らは堂々巡りで荒れ狂っている。
世界経済を強権的手法で支配する必要があることに彼らは同意している。彼らはただその特徴についてのみ、どのように、いつ、中国と貿易戦争をすべきか言い争っている。
環境が破壊され続けるべきことに彼らは同意している。グリーン・エネルギー企業の利益に対し多少調整をすべきか否かのような取るに足りないことで彼らは戦っている。
アメリカで収入と富の不均等が持続すべきことに彼らは同意している。それが、どのように持続すべきかで、アメリカ人が、今年もう一度、わずかな1200ドルの支払金を受けるべきか否かなどに関して、彼らは意見が熱烈に異なっている。
金権政治がアメリカを支配し続けるべきことに彼らは同意している。それら富豪がほんの僅か多く税金を支払うべきか否かのような細かい点について彼らは論争している。
アメリカ人が積極的に洗脳されるべきことに彼らは同意している。それがフォックスニュースによるべき、MSNBCによるべきかに関して、彼らは議論している。
アメリカ人がしっかり監視され、発言がしっかり制御されるべきことに彼らは同意している。ソーシャル・メディアで、右翼評論家が不釣り合いに検閲されているか否かのような詳細だけを彼らは議論している。
実際の人々に、大規模に、深刻な影響を与えるあらゆる問題に関して、この二つの政治党派は、はっきり合意している。彼らに多少意見の相違がある、ごく小さな部分でだけ、彼らは空騒ぎするのだ。
寡頭政治帝国が存在し続けるべきか否かについての主流論議を彼らは許さない。彼らの全ての問題や議論や芝居がかった態度は帝国がどのように存在すべきかを巡るものだ。
彼らは、そうするよう作られているのだ。彼らはアメリカ国民が本当の議論が何かをはっきりと見るのを阻止するように作られており、それが、これら主流派のいずれかを支持する世界観に頼る人は皆、必然的に、混乱と誤解を経験する理由だ。彼らはアメリカ政治の唯一本物の議論を隠蔽するよう設計された知覚フィルターなのだ。
事実上、重要なあらゆることについて、お互いに意見が一致している二つの主流政党間にアメリカ政治での実際の討論はない。実際の討論は、アメリカの現状を理解している人々に反対する、この二つの党は、いずれも、廃棄することが必要なのだ。
アメリカでの本当の政治論争は(A)アメリカ帝国が、この世界唯一の最も破壊的勢力で、爪先から頭のてっぺんまで腐敗していることを理解している人々と、(B)意図的に、アメリカ帝国を支持する主流党派言説に常時、同意する人々との間でのものだ。
アメリカの政治が本物だったら、これこそ皆が見る討論のはずだ。どちらが社会主義をより憎んでいるか、お互い叫びあう二人の70代の人物間ではなく、寡頭政治帝国に反対する側と、それを推進し、守る側との討論を。
だがアメリカでは政治は本物ではない。それは見せ物だ。すりが聴衆から奪う間に、注意をそらす、両手の靴下人形劇なのだ。
はっきりとものを見たいのであれば、靴下人形劇の偽芝居は完全に無視し、本物の討論を推進するのに注力願いたい。アメリカに一元化した寡頭政治帝国は救済し難いほど腐敗しており、完全に解体されるべきことに。
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浜矩子教授が、週刊金曜日で、スカノミックスという言葉を使っておられた。独裁政権ぶりに、ネットでは、スガーリンという新語もある。ゲッベルスガもありではと思う。
スリーパー・セルとは言わないが、様々なメディアが忖度して出演させ、書かせている御用タレントやエセ学者が、ここぞとばかりに蠢動している。そうした菅決定支持の学者による著書を読んでいないのを嬉しく思う。ネットのニュース記事へのコメントや、掲示板の書き込みもひどい。ネトウヨ総出演。日本は既に相当ひきずりこまれているが、宗主国侵略戦争突入「完全」体制と化すかか否かの分水嶺。多数の著書があり、今回の話題とつながる『鉄砲をすてた日本人――日本史に学ぶ軍縮』の翻訳もされている学者知事も明言しておられる。
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