ロシアはヨーロッパにレッドカードを出すべき頃合いだ
Finian Cunningham
2020年10月15日
スプートニク
今週、いかがわしいナワリヌイ問題を巡り、モスクワに制裁をたたきつけたが、ロシアに対する欧州連合の横柄は度が過ぎる。
反政府対派アレクセイ・ナワリヌイへの毒物攻撃とされることで、ロシア政府に何らかの形で責任があるとする「あてこすりは」ここ数週間増大している。今欧州連合は、数人のロシア当局幹部者に制裁を課し、悪事に対するほのめかしを正式のものにした。
少数の例を挙げれば、スクリパリの茶番的行為や、ウクライナ領空でのマレーシア定期航空便撃墜や、ロシアがヨーロッパの安全保障を脅かしているという偽りの主張を含めて、我々は類似の挑発を、これまで目にしている。
だが、これは、余りに行き過ぎた措置だ。ナワリヌイ物語に関して、ロシアに対するヨーロッパの主張を裏付ける証拠は何も提示されていない。8月20日に、彼の具合が悪くなった際に何が起きたかを調査する上での協力のためのモスクワによる、あらゆる努力は妨害された。
ロシアは最初から、透明だった。ナワリヌイは、医学治療のため即座にドイツを旅行するのを許された。そして彼の命を救ったロシアの医者は、彼の体に有毒物質がなかったことを示す分析データを提供した。それでもドイツは、ナワリヌイが軍用神経ガスを盛られたという彼らの異常な主張を裏付ける彼らの側からの相互的透明度というロシアのあらゆる要請を拒絶した。
このロシア人反体制派人物は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対する口汚い主張で、ヨーロッパの指導者連中により、不当なほど国際政治家として持ち上げられ、メディアの注目を集めている。
モスクワとのやりとりで、外交的標準の無視と同様、ヨーロッパによる法律上のプロセスの驚くほどの怠慢は、彼らは、標準的な二国間関係に値しないことを示している。今週、今後モスクワは、ヨーロッパ首都との対話を切断するかもしれないと示唆したロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は正しかった。
ナワリヌイは、ロシアの内政を悪化させるため、欧米諜報機関の給料で働き、見返りに、ロシア内政問題に対する外国干渉の材料を提供する怪しげなプロのたかりやのような人物だと一部の人々が言っている。
(ロシア国内での支持率が取るに足りない)この面倒な人物が、欧米政府とメディアにかつぎ上げられ、もてなされている事実は、ロシアに対する本当の思惑を説明している。政権転覆だ。
異様なナワリヌイ事件に関する、欧州連合による、外交的、法律的の規範の法外な違反は、ヨーロッパの政治家が暗黙のうちに彼がロシアの選出された当局者たちより、合法的と考えていることを示している。
この二重基準と偽善は驚異的だ。ロシアは、欧米のいわゆる民主主義国家に干渉したと言って頻繁に非難されるが、政治的指導者達を、ひどく侮辱しながら、ロシアの主権問題を無視しようとしているのは彼らなのだ。
これがロシアが受けとる感謝なのだろうか? もしロシアが、戦争を止めるためにシリアに介入していなければ、このレバント国は、首を切り落とすジハード戦士に制圧されて、連中が群れをなしてヨーロッパへと向かう可能性があったはずだ。
これが、何十年間もヨーロッパに経済的な炭化水素燃料を供給していることに対してロシアが得る感謝なのだ。
これが、ヨーロッパのいわゆるアメリカ同盟諸国が、軍縮協定を破棄して、ヨーロッパに全滅の影を投げかけるよう全力を尽くす中、ヨーロッパ大陸で核兵器の平和と戦略的安定を維持しようとしていることに対して、ロシアが得る感謝だ。
これは70年前にヨーロッパをファシズムと大量虐殺から救ったことでロシアが得る感謝だが、結局その高貴な犠牲は、卑劣な修正主義者の主張で、ロシアに投げ返されるに過ぎないのだ。
現実には、ワシントンとそのヨーロッパ属国が、ロシアに害を与える最も敵対的で、敵意ある方法で行動をしているのに、余りにも長い間、ロシアは欧米諸国を「パートナー」と呼んできた。
世界は変化しつつあり、世界の中心は、もはや堕落し、倒産している欧米の全盛期を過ぎた国々にはない。ロシアは将来の発展のエンジンとして、中国とユーラシアに期待することができる。モスクワは、ヨーロッパ人に、彼らの愚かな、品位を傷つける制裁には、報いがあると、丁寧ながら、断固として言うべきなのだ。ヨーロッパは、ロシアとの正常な関係の恩恵を得ることから、自身を制裁している。
ロシアは、ヨーロッパ(そしてアメリカ)に、彼らの攻撃行為に対して、少数のレッドカードを示すべき時間だ。ヨーロッパとアメリカが、余りにも長い間もてあそんだノルド・ストリーム2プロジェクトから歩き去るのは、そのようなレッドカードの一枚かもしれない。連中の指導者が望んでいると思われる高価なガスに対し、ヨーロッパに支払わせて、ヨーロッパじゅうで社会反乱が起きるのを、何もせずに見守るのだ。
それは彼らの責任だ。
Finian Cunninghamは、国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で作詞作曲家でもある。20年近く、ミラーやアイリッシュ・タイムズやインデペンデント等の大手マスコミ企業で、編集者、著者として働いた。ジャーナリズムにおける妥協しない誠実さに対するセレナ・シム賞受賞者(2019)。
記事で表明される見解や意見は必ずしもSputnikのものを反映しない。
記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/202010151080780071-russia-should-red-card-europe/
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大本営広報部呆導、記者会見もせずに、宗主国に命じられ、中国包囲網参加リクルート訪問にでかけたことを、批判もせずに、嬉しげに報じている。既に大政翼賛会そのもの。
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恥を告白しておこう。売国奴の本は読まなようにしている。テレビも見ない。だが、古美術修復の日本企業トップにおさまり、観光立国を提唱するのにだまされ、彼の本を数冊読んだことがある。さすが最後に読んだ本で、中小企業壊滅論者とはっきり分かった。もう二度と読まない。
肝心な部分を削除した改悪版新書、買わない。図書館でも借りない。下記は毎日ニュース。
池田香代子氏、学術会議問題でハンスト抗議中の菅野完氏にインタビューしておられる。
滝川事件、反共言論弾圧がひどい時期、1933年(昭和8年)の事件だ。それでも菅野氏の指摘の通り、教授が辞表を提出したり、学生が退学届けをだしたりして抵抗した。
今は、当時のような発売禁止処分をする根拠の出版法第19条もない。
法律もなしに思想統制する今の政府は当時以上に劣化し、弱腰の学界も、当時以上に劣化していることになる。
日本の完全属国化、宗主国侵略戦争参戦の端緒となった「学術会議事件」として、後世、日本以外の国々の歴史教科書に書かれることになりそう。日本は完全に思想統制され、文書に残すのを許されず、誰もこの事を知らない阿呆の国と化しているのではと想像する。妄想であって欲しい。
四年前にも、日本会議についてインタビューをされていた。約一時間。
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コメント
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どうも西側ではナバリヌイは、プーチンに対抗できる最良の反体制政治家と目されているようですが、僕がこの数年彼の発言を見聞きしてきた範囲で言うと、彼には自分の言葉で政策を述べる能力は皆無です。「事件」後のインタビューがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=vps43rXgaZc&t
当日は非常に元気で、飛行機に乗り込むと先ずパソコンを開け、「リック・アンド・モーティ」を見始めた、と言っています。「ハリーポッター」のファンだそうで、それを隠しもせず恥じることもない44歳の餓鬼だとロシアでは見られています。何でも本は全く読まないそうです。ナバリヌイに限らず、ベラルーシ、ウクライナ、それに日本でもアメリカの影響を受ける国の「リーダー」或いは「リーダー候補者」がこうも反知性であるというのは偶然でしょうか。
投稿: 石井 | 2020年10月20日 (火) 17時05分