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2020年10月19日 (月)

中国との関係悪化に起因する困難な時代に直面するオーストラリア

2020年10月16日
ジェームズ・オニール
New Eastern Outlook

 2020年10月13日、Russia Todayに掲載された最近のトム・ファウディーの記事は、オーストラリアの経済的健全性に影響を与えているいくつかの非常に重要な問題を提起している。中国とオーストラリアの重要な経済関係が加速する勢いで崩壊するにつれ、経済状態は急速に悪化している。18世紀末、オーストラリアがイギリスに植民地化されて以来、250年ほどにわたるのオーストラリアの輸出構造には、いくつか特徴がある。

 オーストラリアの最初の役割は、死刑にする程ではない犯罪を行ったイギリス人用の流刑植民地だった。この国で100,000年以上暮らしてきたオーストラリアの先住民の権利は考慮の対象ではなかった。実際、彼らの地位が、ようやく1960年代に認められるまで、彼らは公式に、人間としてさえ見なされていなかった。それまで、先住民の法律上の地位は、動植物と同じだった。

 1941年、シンガポールでの日本軍によるイギリスの敗北は、オーストラリアの安全保障をイギリスへの依存からアメリカへの依存への動きが始まることになった。アメリカ軍は1942年に到着し、以来、彼らは駐留している。

 1973年1月1日に、イギリスがヨーロッパの共同市場に加入し、経済的関係の再評価を強いられるまで、オーストラリアの貿易パターンは、同様にイギリスへの依存を示していた。その後、オーストラリアの貿易は、次第に、アジア近隣諸国へと移行し、この傾向は、1970年代以来、毎年加速している。現在、アジア諸国は、世界とのオーストラリア貿易の膨大な部分を占めている。

 2019年に、オーストラリア全輸出の3分の1以上を占めた中国は、二番目に重要な貿易相手国日本との貿易量のほぼ二倍で、圧倒的な最大貿易相手国だった。

 その地理にもかかわらず、主要貿易相手国のすぐ南の広大な大陸オーストラリアの政治精神は、英米の世界観に、しっかり固定したままだ。1945年の第二次世界大戦終焉以来終、オーストラリアは、少なくとも四つの大規模な軍事紛争で、アメリカに加わっている。韓国、ベトナム、アフガニスタンとイラクだが、これらの国々は、オーストラリアから地理的に遠いだけでなく、オーストラリアに目に見える大きな戦略的利益もなかった。

 四つの戦争全てが、誤った理由に基づいていた事実は、それらの正当性を強化するには何の役にも立たなかった。朝鮮戦争は、明らかに、当時中国で新たに政権に就いた共産党の打倒を狙っていた。これは軍事行動を認める国際連合安全保障理事会(ロシアが欠席し、まだ国民党が中国議席を持っていた)決議の条件に明らかに違反する同盟軍の行動から、容易に認識できた

 イラクの「大量虐殺兵器」や、2001年9月11日事件における彼の役割とされるもので濡れ衣を着せられているオサマ・ビンラディンを、アフガニスタンがかくまっているとされたウソは、ここで繰り返すのが不要なほど良く知られいる。現在重要なのは、アフガニスタンとイラク侵略と占領のためのウソと隠された動機が、オーストラリアに、当初関与することや、占拠軍としての役割を継続するのを思いとどまらせなかったことだ。

 オーストラリアは、同様に、オーストラリアにとって目に見える戦略的、軍事的利益が皆無なのに、アメリカがでっちあげたベトナム戦争にも参加した。アメリカ権益への追随を強固にしたのは、1972年-1975年、ベトナム戦争に対するホイットラム労働党政権の経験だった。

 ホイットラムはオーストラリア軍をベトナムから撤退させ、中華人民共和国を中国の合法政府として認めたのだ。この二つの動きに、野党自由党は猛烈に反対した。だが、ホイットラム政権の運命を決定したのは、オーストラリア、ノーザン・テリトリーのパイン・ギャップでアメリカが運営する諜報基地閉鎖の決定だった。ホイットラム政権は、ホイットラムがオーストラリア議会にパイン・ギャップ閉鎖を発表する予定の前日、ジョン・カー総督に解散させられた。基地がまだ機能している(オーストラリアの少なくとも8つの米軍基地の一つ)ことが、ホイットラム解任の地政学的結果を雄弁に物語っている。

 これらの激動の年月の間も、中国との貿易は繁栄し続けた。中国は同じく外国人学生の最大の源、外国人観光客の最大の源、海外投資の三番目に大きな源になった。2020年、この全てが変化した。明らかに、アメリカ政府の代弁者役を演じて、オーストラリアは、今年の初めのコロナウイルス発生について、中国の「説明」を要求したのだ。

 オーストラリア要求の詰問的な調子は、北京に歓迎されなかった。これで中国は、一連の経済措置をとり始めた。最初の、ワイン輸入禁止という比較的経済的影響が少ないものは、明らかに中国の意志を示す意図だった。

 そのシグナルは無視された。オーストラリアの反中国言説は、2020年中、次第にエスカレートした。中国の反応は、オーストラリア輸入品禁止を増大することだった。最新のもの(2020年10月始め)は、オーストラリアの石炭輸入禁止だった。これはオーストラリア経済にとって、130億米ドルの価値がある市場だ。それは禁止されたり、大いに制限されたりする最後の項目ではなく、既に7月以来、毎月17%減っている鉄鉱石(1000億米ドル以上)が、おそらく禁止される次の商品だろう。

 Covid危機も、中国人学生入国(最大の外国の源)や、何十億ドルもの価値の産業や、何千という仕事のほぼ完全停止をオーストラリア経済にもたらした。それらの数値が近い将来回復すると予想するのは考えが甘い。絶滅種で、再び以前の水準近くにも戻ることがありそうもない中国人観光客にもそれは言える。またもや何万もの仕事がなくなる。

 オーストラリア政府の理性的な対応は、政策と発言の両方を再検討することだ。モリソン政府は、そうした関心を示さなかっただけでなく、アメリカとの継続する親密な(従属的)関係に悪影響を与えずに、どのように都合よくそうできるか考えるのも困難だ。

 アメリカの要求に、あえて反する政策を追求した1975年のホイットラム政権の運命の記憶は、オーストラリア政治に、非常に長い影を投げかけ続けている。

 ファウディーは、オーストラリアの状況は「中国の勃興によってひき起こされた英語圏世界で最も明白で明示的な不快感の反応と言えるかもしれない」と示唆している。私は敬意を持って同意する。だが、解決策は、これまでの300年、そうであったように、欧米支配を維持しようと試みることではない。

 そうではなく、アングロサクソン支配は歴史的な異例であり、古い秩序がそれ自身組み換わりつつあるのを認識する必要があるのだ。オーストラリアの場合、かなり本格的な精神的適応が必要だろう。

 オーストラリアは、ここ数十年間、まさに、その地理と、オーストラリア人が「the near North」と呼ぶ国との間で増大する貿易や他のつながりのおかげで繁栄しているのだ。明らかに不足しているのは、地政学と貿易の現実に一致する、政治的態度と行為だ。不幸にして、その適応は、オーストラリア人の思考には達成困難な目標かもしれない。オーストラリアには、自分以外責める相手はいないのだ。

 ジェームズ・オニールは、オーストラリアを本拠とする法廷弁護士で地政学専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/10/16/australia-faces-challenging-times-caused-by-deteriorating-relations-with-china/

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 日刊ゲンダイDIGITAL

菅首相は学術会議抱き込み高笑いか…和解ムードの拍子抜け

 現会長、2015年にノーベル物理学賞を受賞。ノーベル賞は「総合的、俯瞰的に」選考していない。研究が対象。ノーベル賞受賞者、全員が、湯川秀樹や益川敏英氏のような気骨があるわけではない好例。庶民にとって害悪でしかないが、竹中が奉じる格差あり放題の新自由主義を唱えたフリードマン、1976年にノーベル経済学賞を受賞している。そもそも経済学賞、本当に良い選択をしているかどうか、素人には不明。

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欠陥だらけ GoToイートが飲食店よりグルメサイトを儲けさせる制度なのは、菅首相と「ぐるなび」会長の特別な関係が影響か

 彼の代表的迷案、「ふるさと納税」と根は同じ。一見、庶民に恩恵があるように見せ掛けて、支持率を確保し、その実、大金持ち、大企業を儲けさせる策略にすぎない。それにつられる庶民の存在が悲しい。それも、よいしょ忖度専門の大本営広報部あればこそ。学術会議について、とんでもないデマをとばす翼賛放送局の上級怪説委員は首にならない。

 明らかに不足しているのは、地政学と貿易の現実に一致する、政治的態度と行為だ。不幸にして、その適応は、日本人の思考には達成困難な目標かもしれない。日本には、自分以外責める相手はいないのだ。

 IWJインタビュー、今日は矢吹晋氏。

【IWJ_YouTube Live】18:30~
「岩上安身による横浜市立大学名誉教授・矢吹晋氏インタビュー」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

 矢吹氏は2015年9月9日に収録した岩上安身によるインタビューで、「第二次大戦後、パックスアメリカーナはベトナム戦争など失敗続き。かたや中国は、ここに来て成長してきた。その狭間にいる日本は、その両国とうまく付き合う道しかない。沈みゆくアメリカにしがみつくのは最悪の選択」と、訴えました。しかし、矢吹氏の訴えは届かず、安倍政権下の日本政府はその後も、衰退する米国にすがりつくかのように対米従属を深めてゆきました。

 以前の矢吹晋氏インタビューを拝見した者として、最新インタビュー、見落とすわけにはゆかない。彼の新刊を購入しようと思っても、最寄りの町中の書店には置いてない。嫌中本なら並んでいるのだが。

※「沈みゆくアメリカにしがみつくのは最悪の選択」──中国研究者の矢吹晋氏が岩上安身のインタビューで警告 「アメリカは中国とうまくやっていく」岩上安身によるインタビュー 第581回 ゲスト 矢吹晋氏 2015.9.9
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/262787

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