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2020年9月 6日 (日)

アメリカが崩壊する運命にある理由

Finian Cunningham
2020年8月31日
スプートニク

 アメリカの致命的問題は慢性の政治的病気を患っていることだ。だが「ポピュリスト」ドナルド・トランプ大統領を含め、政治支配階級の誰一人として、まともな診断をしていない。どんな救済措置であれ、必ず正確な診断が必要なのだ。

 その代わり、アメリカにあるのは、決して救済措置にはいたらず、問題を増大させるだけの、問題には対処せず、無視したまま、究極的に悪化させる、あらゆる種類のやぶ診断か、せいぜい不正確な診断だ。

根本的な問題は、アメリカが超軍事化した少数独裁国家に退化していることだ。国民の膨大な、増大しつつある社会的不平等と、軍国主義のための経済資源のグロテスクな浪費が、この状態の二つの兆候に過ぎない。それは何十年にもわたるアメリカ大企業資本主義の結果なのだ。全ての欧米諸国は、同様の奇形を共有する傾向があるが、アメリカ版の病状はその最悪なもので、瀕死状態なのだ。

 次の問題は、病気を診断し、それをいかに直すかという確かな情報に基づいた公的議論や、認識や、政治指導部が存在しないことだ。

 二大政党が大統領候補を指名するため全国大会を行うのを我々は見ている。民主党とジョー・バイデンにとって、「問題」は、もっぱら現職ホワイトハウス居住者ドナルド・トランプを追い出すことだ。

 共和党とトランプにとって、「問題」は、もっぱら、バイデンと民主党が代表しているとされる「極左急進論者」と「社会主義者」を打倒することだ。

共和党のスローガンは特にばかばかしい。民主党やジョー・バイデンのような長年の政治家を、「社会主義」と同一視するのは、無謀で、あぜんとさせられる偽りだ。

 両党は同じコインの両面に過ぎないというのが真実だ。そのコインというのは、アメリカ資本主義の少数独裁体制と、怪物のような軍事産業体系への依存だ。

 民主党の指導体制は、卑劣にも、今度の11月の選挙を、人格についての国民投票にすることで、トランプ大統領の任期について、国民の不安を間違った方向に向けようとしているのだ。だが、民主党支配層は、共和党がそうなのと全く同様、結局、この体制の道具なので、アメリカの問題の、より正確な批判は、決して認めるまい。「右翼」「左翼」あるいは「保守派」や「リベラル派」は誤った考えなのだ。

民主党は、体制そのものという、根本的に重要な問題から目をそらせるため、ありとあらゆることを、トランプのせいにしようとしている。おそらく、一部の民主党員は、個人的には、より正確な分析を分かっているのだ。だが、政治的臆病さなり、メディアの検閲なり、理由は何であれ、彼らは正々堂々と意見を述べることはない。

 一部の人々は、バーニー・サンダースと彼の仲間が、悪いこと全てについて正しい分析に近づいていると言うかもしれない。だが彼らは、それなら、無数の海外戦争の実績がある少数独裁政治体制の長年の友人ジョー・バイデンをなぜ支持するのだろう?

 情けないことに、このままでは、アメリカは、遥かに大きな政治的分裂と社会的混乱に向かって進みつつある。大多数の普通のアメリカ人は、偽りの言説に誤導され、誤った方向に向けられ、お互いに敵対させられている。

アメリカ国民は、少数独裁政治体制による共通の苦難と搾取に対して団結するのではなく、エセ政治「代表」による無駄な派閥争いに追いやられているのだ。

 トランプは、アメリカを「社会主義」から救う説教を垂れている。バイデンは、アメリカを「トランプ主義」から救うよう有権者に懇願している。

 トランプ支持者は、愛国者の義務は、国を「マルクス主義者」と「無政府主義者」から守ることだと思っている。急襲用ライフル銃陰謀の精神混乱の中に投げこまれれば、人々がお互いを撃ち殺し始めても不思議はない。

 アメリカに必要なのは、巨大な政治力を持った少数独裁集団のための「二大政党陰謀」の現状を越える、本物の第三政党なのだ。
 アメリカが、なぜ不平等や警察暴力や負債や果てしない帝国主義戦争で内部崩壊しているかについて、アメリカ人に正確な政治的分析を提供できる政党だ。

 アメリカに必要なのは、トランプやバイデンや両党のお仲間が、その産物である、腐敗した少数独裁集団に対する国民動員なのだ。それが起きるまで、アメリカは内戦とファシズムの恐ろしい可能性がある益々多くの問題に下降する定めなのだ。全てアメリカ大企業資本主義という政治的病気が持続するのを可能にするために。

 この記事で表明される見解やと意見は必ずしもSputnikのものを反映しない。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/202008311080328778-why-the-us-is-doomed/

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 テレビを全くみなくなった。大本営広報部まるだしと、パンケーキをたべながら思う。

 植草一秀の『知られざる真実』

1025衆院選突撃学芸会政治のあざとさ

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