毎日毎日、使い古された同じ脚本を実行する帝国主義者
2020年8月14日
ケイトリン・ジョンストン
最近、帝国主義評論家でオバマ政権の冷戦戦士マイケル・マクフォールが下記をTwitterに投稿した。
「今週、民主主義のための彼らの勇敢な戦いに対し、欧米は、なぜ全く無関心なのかを問うて、ベラルーシ内外のベラルーシ人たちが私に連絡してきた。私には説明できない。あなたは説明できるだろうか?」
(人々がマイケル・マクフォールに連絡を取るという極めて疑わしい主張を除いて)、注目に値するものだから、このTweetを取り上げたわけではない。それが全く平凡であるがゆえに、私は取り上げたのだ。
Moon of Alabama新記事
Belarus - A U.S. Sponsored Color Revolution Is Underway https://t.co/aQMnrMmMPc pic.twitter.com/HJkFvKNZnE
- Moon of Alabama (@MoonofA) 2020年6月16日
二カ月前、Moon of Alabamaは、モスクワと提携している、この国が、間もなく、ソ連風政府に反対する抗議行動に圧倒されるはずだという、あらゆる明らかな兆候を記録して「Belarus - A U.S. Sponsored Color Revolution Is Underway(ベラルーシで、アメリカが支援するカラー革命が進行中として翻訳してある)」という題の記事を公開した。その6月16日記事の抜粋は、これだ。
8月9日、ベラルーシは大統領選挙だ。ルカシェンコは再選すべく最善を尽くすだろう。
通常、カラー革命は、物議をかもす選挙を巡って、しかけられる。選挙結果は、選挙が始まる前でさえ、公的に疑われるのだ。最終的に結果がでると、欧米メディアは自分たちが作り出した予想からずれているから、デッチあげられたに違いないと主張するのだ。人々が抗議するため街頭に押し出される。混乱を増やすため、ウクライナでされたように、警察と抗議者を攻撃するため、射撃の名手たちが仕事に向かわせられるかもしれない。抗議行動が抑えられるか、アメリカお気に入り候補が権力の座につけば、反乱は終わる。
昨年、全米民主主義基金は、ベラルーシで、少なくとも34のプロジェクトと組織に資金供給した。アメリカは慈愛からではなく、自分に有利にするためそうしているのだ。
今月のベラルーシ選挙前に、いつもの、あらゆる帝国主義の言説支配作戦が実施されており、ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティーや全米民主主義基金のようなCIAの隠れみのが、アメリカ国務省に同調して、抗議を応援しベラルーシ政府を非難するのを我々は目にしているのだ。
プラハで、マイク・ポンペオ国務長官は、ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティーに、ワシントンはベラルーシでの「平穏な抗議行動参加者が、扱われるべき方法とは一致しない方法で扱われている」暴力を見ていると語った https://t.co/Fi7vYrIvEk
- ラジオ・フリー・ヨーロッパ/自由放送(@RFERL) 2020年8月12日
「我々は抗議行動参加者を支援し、彼らに対する政府の残忍な取り締まりを非難する」と自己認識皆無の政府が述べた。
それで、全て同じ古いパターン通りに展開している。世論に耳を傾ける人々なら、ことが起きる前に予測できるほど、陳腐な繰り返された手口だ。
繰り返すが、マクフォールのTweetを、異常だから取り上げているわけではない。自分に同調しようとしない、あらゆる国々を常に吸収したり、破壊したりしようとつとめる、ブヨブヨの塊を思わせる帝国に支配される、我々の狂気の世界では、それが全く正常で、ありふれているがゆえに取り上げているのだ。それは、支配体制の言説管理者が、アメリカを中心とする帝国に有利なように、そのゼリー状のひだの中に吸収されるのに抵抗する政府に不利なように、我々の世界で起きていることを、首尾一貫して曲解する方法の例として選ぶことができる、ほとんど無限のTweet記事、記事、TVクリップの一つなのだ。
実際、マクフォールの投稿を一般的テンプレート形式に変換して、単純化しよう。
こうだ。これはもう少し率直だ。
私は私の仕事が好きだ。本当に、好きだ。だが、欧米帝国主義の不正行為について論評を書くのは、ある意味、人が想像できる最も退屈な繰り返し作業だ。
新しいことは本当に皆無だ。全く同じ下劣な帝国主義者が、日ごとに、彼らの十字照準線を出入りする国々について、全く同じ脚本を、とうとうと語る、全く同じ公式だ。それを一層退屈にしているのは、そのような「なってこった。この吸収されない政府には対抗しなければならない!」言説の循環を、全員、新しい何か違ったものとして扱うよう期待されている事実だ。
それは新しくなく、異なってもいない。毎日、全く同じ国際政治ニュース記事となるに至っており、ニュース記事は次のようなものだ。
「アメリカを中心とする帝国は、軍事的、金融、経済、そして/あるいは天然資源の主権を維持しようと戦っている国を吸収することで、更に大きくなろうとしている。」
それだけのことだ。それが人々が見る全ての国際政治ニュースだ。残りは毎日全く同じたわごとを与えられているのに人々が気づかないようにするため置かれる余分な物だ。
ベラルーシでの選挙後の取り締まりは容認できない。もし野党候補者ツィハノフスカヤが国から逃げることを強いられたのが本当なら、ルカシェンコは、彼女に帰国するよう求め、公的に彼女はいかなる報復や調査に直面しないと約束するべきだ https://t.co/LjCz46QjON
- ジョン・ボルトン(@AmbJohnBolton) 2020年8月11日
億万長者連中が築いた彼らの王国の現状を維持する言説を強化する仕組みをすっかり整えているので、億万長者の報道機関は、常に歩調を合わせて行進する。このようなマスコミで働く記者たちは、真実や事実には全く忠実ではなく、帝国の拡大促進にのみ忠実なのだ。
私を信じられないだろうか? 去年のマスコミ報道が、もっぱら香港の反北京抗議行動に固執していて、フランスやイスラエルやチリやハイチなど、アメリカに同盟する各国政府に対する抗議行動を無視している事実を文書化している、昨年のフェァネス・アンド、アキュラシー・イン・リポーティングのこの記事をお読み願いたい。あるいは、ワシントン・ポストの編集委員会が、サダムが化学兵器を持っているかもしれないので、イラク政権転覆の必要について常に金切り声を上げていたのに、レーガン政権時代、サダムが(イランに)実際、化学兵器を使った際には、短い穏やかな非難で満足していたという2002年のこの記事を。
彼らは原則皆無だ。どのような真実にも興味皆無だ。
もしサウジアラビアが、忠誠心をアメリカから中国に変えれば、ずっと見ているべきだったかのように、我々は即座にイエメンの残虐行為に関する報道を毎日見るはずだ。
もしイスラエルが、ワシントンからモスクワに方向転換すれば、我々は即座にパレスチナ人の苦境やネタニヤフ汚職に対する抗議に関するニュース記事に浸されるはずだ。
もしオーストラリアが、帝国の塊から抜け出して、自身の主権を強く要求し始めれば、世界は、突然、日々、アボリジニーの権利や、沖合収容所の難民に、もっと気にかけるよ促されるようになるはずだ。
もし帝国の塊から離脱をした政府が特に破壊的な人道侵害の実績がなくとも、欧米諜報機関が何かをでっちあげ、欧米マスコミは無批判に、それを絶対事実として報道するはずだ。
主流の評論家や記者は、すかさず、そうした転身をするはずだ。彼らはそれがずっと彼らの立場だったふりをするはずだ。そして彼らは夜寝る時血は赤ん坊のように眠るはずだ。
私はどうしてこれを知っているのだろう? 彼らの現在の行動を観察してだ。
ベラルーシに関するスレッド https://t.co/l4HAm7hRoA
- Politikḗ (@city_affairs) 2020年8月7日
それなのに、支配体制の言説管理者が、今週の吸収されない悪の政府についてベラベラしゃべり始めると、今回は全く違っていて、マイク・ポンペオが、これについて全く真実を語っていると人々が私に叫ぶのだ。彼らは一日に何度も、同じひどいディズニー映画を何千回も見ると言い張る三歳児のようだ。唯一の相違は、三歳児は、おそらく何かを学んでいることだ。
言説支配が、より薄弱になるにつれ、人々が人形劇から目を覚ますのを見始めるのかもしれない。その時まで、明敏な反抗者ができことと言えば、プロパガンダが生み出す夢から人々が目覚めるのを助けるべく、できる限り多くの異なる方法で、これらの単調、反復的ニュース記事マトリックスの隙間を指摘し続けることだ。
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戦後最大のGDP減少。台湾や韓国は、そこまで酷く下落していない。PCR検査の強化で、蔓延を抑えると、これだけの差がでるのだ。
文中の下記の文章で、先日見たビデオを思い出した。
彼らは原則皆無だ。どのような真実にも興味皆無だ。
マスコミの労働組合が、自分たちの生活安定だけを目的にするのであれば、そういうマスコミは不要だ。
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