大企業権力が本当の政府の時には、商業マスコミは国営マスコミだ
2020年7月31日
ケイトリン・ジョンストン
先日、ニューヨーク・タイムズが「コロナ流行下、中南米「民主主義の衰退」に直面」という題で、反対派を鎮圧し、民主政治を圧迫するためCovid-19を利用したと、ベネズエラやニカラグアなどの政府を非難する驚くほど酷い記事を載せた。
記事は、ウィルソン・センターや、全米民主主義基金が資金提供するフリーダム・ハウスや、圧倒的に富豪に資金供給されているカーネギー国際平和基金や、海軍士官学校など、アメリカ政府が資金供給する複数の言説支配工作を、この不快なプロパガンダ主張の情報源にしている。
この国務省速記録珠玉記事には、下記のように書いてある。
「これらの難題に加え、中南米の民主主義は、冷戦終結後、権威主義の乱用を非難し、良い統治プログラムに資金供給し、民主主義を促進するうえで重要な役割を果たしていたアメリカの擁護者を失っている。」
まあ、上品ぶって。
私は笑いたかったが、ニューヨーク・タイムズがこのような見えすいたウソ記事を発表してかまわないと考えているのは、おもしろくはない。pic.twitter.com/cBlcf4aq1l
- Esha (@eshaLegal) 2020年7月30日
アメリカで最も評価されている新聞が、アメリカ政府のために、これほどめざましい大胆不敵なウソを言って、全く満足している事実が、アメリカ・マスコミが、本当は、一体何であり、彼らが何をしているかを知るために必要な全てを物語っている。
アメリカは、冷戦前も後も、いかなる時も、中南米において民主主義の擁護者だったことなど決してない。きわめて残忍な大企業植民地政策から、破壊的なCIA政権転覆工作から、公然の軍事侵略まで、あらゆる歴史を通じて、アメリカは南米大陸の内政に何百回となく干渉した。ブッシュ政権中、一度クーデターに失敗した後、アメリカは現在ベネズエラでクーデターを画策しており、ニカラグアでも政権転覆を推進しており、去年のボリビア大統領選挙での選挙不正行為というアメリカ政府の主張を宣伝して、残酷なファシスト・クーデターを手助けしたのは間違いだったと、ニューヨーク・タイムズ自身、今年認めた。
これはプロパガンダだ。これに対して他にどんな単語もない。それにも拘わらず、欧米政治家や記者がその単語を使う唯一の場合はロシアや中国などの国について語る時だ。
表向き自由なマスコミがある、表向き自由な民主主義国で、なぜプロパガンダが使われるのだろう? どれほど破壊的で、許せないものであれ、アメリカ行政機関のあらゆる外交政策目的に、ニュース放送局はなぜそれほど終始一貫して連携するのだろう? マスコミと政府が、二つの別個の組織なら、なぜ彼らは一貫して、別個ではないかのように機能するのだろう?
それは単純なことだ。彼らが別個のものではないからだ。これが見破られるのを阻んでいる唯一のことは、人々が思っている場所には、アメリカの本当の政府が存在していないという事実だ。
大企業支配体制では、大企業/金融権力と国家権力の間に明確な区別はなく、商業マスコミは国営マスコミなのだ。企業のロビー活動や選挙運動寄付のかたちの贈収賄は、アメリカ政治体制では合法なので、選挙で選ばれる政府は、うなるほどの金を持ち、現状を維持することで恩恵を受ける裕福なエリートに支配されている。
この同じ富豪階級が、合併が大いに進み、今や、わずか六つの企業に完全に運営されているアメリカ・マスコミを所有している事実は、政府を動かす連中が、マスコミも動かしているのを意味する。これが、本当のアメリカ支配者が、彼らの望ましい現状に好都合な言説を推進する仕組みを作り上げるのを可能にするのだ。
つまりアメリカには国営プロパガンダがあるのだ。彼ら自身そうは呼ばないだけだ。
アメリカ選挙戦のいんちきな両手指人形劇を裸にして、アメリカで権力が実際どのように動いているかよく見よう。そうすれば、残酷に国民を洗脳し、抗議行動参加者を厳しく取り締まり、事態を変える十分な力を持たせないよう、意図的に、民衆を貧困に陥らせておいて、連中の命令に服従しないどんな国でも攻撃する専制政権が見えてくる。
自由と民主主義に関する言説の上塗りという薄皮の下、アメリカは、血に飢えたもう一つの専制帝国に過ぎない。アメリカは歴史を通じて、他の血に飢えた専制帝国の、どれよりも良くない。アメリカはPRがうまいだけだ。
これは(Infowarsが最初にこの話題を載せたが)Infowarsではなく、ニューズウィークだ。元大統領が、スパイの娘と一緒に人身売買していた周知の小児愛者私有の島を訪問したと。今度、陰謀論者をちょう笑する際には、これを考えろ。https://t.co/VDs1wpvide
- ティム・ディロン(@TimJDillon) 2020年7月31日
富豪は、アメリカ・マスコミと政治を支配するだけでなく、選挙で選ばれた人々が政府に出入りする中、工作員たちが居座り続ける秘密主義の行政機関と連合している。ジェフ・ベゾスやピーター・ティールやピエール・オミダイアなどの新しいハイテク富豪が、CIAやその代理人連中と直接関係を持っているのを我々は目にしている。
故ジェフリー・エプスタインが億万長者レスリー・ウェクスナーやイスラエル諜報機関と一緒に、可能性としては、FBI そして/あるいは、他のアメリカ諜報機関も一緒に推進していた性的恐喝工作で、我々はそれを目にしている。現在、エプスタインと共謀者ギレーヌ・マックスウェルに関する新たに公開された裁判所書類が、未成年のセックス人身売買に関する証言を明らかにし、アラン・ダーショウィッツやビル・クリントンやアンドリュー殿下などの注目を集める名が文書に現れて、インターネットは活気づいている。
受容可能な政治言説の「オヴァートンの窓」が実に狭い討論の範囲に縮小したため、アメリカ政府とマスコミの本質に関する良く知られ、徹底的に文書化されている事実について語ることさえ、あざけるように陰謀論者として切り捨てられるが、それ自体、アメリカ人が自分たち投票で政府を支配していて、彼らは自由な民主主義国家に住んでいると考えるのを好んでいる支配階級による厳しい言説支配の徴候だ。
大昔、支配者は王座に座り、金の王冠をかぶり、彼らの前で国民にお辞儀させるので、誰が支配者か言うことが可能だった。人間の意識が、最終的に、このような恥知らずな侮辱の受容を越えて発展したので、選挙政治の幻の人形劇に、国民が拍手声援する中、支配者連中は、一層、裏方に回ることが必要になった。
だが、かつてと同じぐらい残酷で専制的な国王は、いまだ我々の中にいる。連中は、自由の見せ掛けの背後に、どのように彼らの絶対権力を覆い隠すか考え出しただけだ。
けれども2020年は暴露の年で、この傾向は加速し続ける可能性が高いと思われる。真実を永久に隠しつづけるのは不可能だ。
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コロナ流行下の大相撲、休場続出の中、優勝は照ノ富士。
Bloomberg、英語版でも、日本語版でも、日本の現状を報じている。
Japan Acted Like the Virus Had Gone. Now It’s Spread Everywhere.
日刊ゲンダイDIGITAL
LITERA記事、全く同感。最近は「御用番組」顔ぶれだけ確認し、音声を消している。
田崎史郎と八代英輝が安倍政権の“国会拒否”をいつもの詐術で擁護も…片山善博元知事が「やりたくないだけ」「騙されるな」と一刀両断
つまり日本には国営プロパガンダがあるのだ。彼ら自身そうは呼ばないだけだ。
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