インドによる中国商品ボイコットは、インドの国益に反する
Paul Antonopoulos
2020年7月2日
InfoBrics
インドによる中国に対する経済ボイコットのレベルは、両国が国境紛争をどのように解決するか、インド産業が、国に入る中国商品の欠乏を相殺できるかによるだろう。インドでは、中国と取り引きするのをやめようという呼びかけは強いが、インド産業の限界を知っているナレンドラ・モディ首相は、さほど熱心ではないように思われる。
モディ首相は、中国と貿易するのをやめことに、インド他の人々ほど熱狂的ではないが、一部の人々は政府からの、いかなる命令もなしで、既に先に進んでいる。ニューデリーホテル・レストラン所有者協会は、メンバーが中国人客に奉仕するのを禁止した。禁止令は3つ星と4つ星ホテルの75,000室に適用される。同協会は、中国製品の使用を減らすことも要求している。インド首都のホテルとレストラン経済活動は、コロナウイルス隔離によって、重大な影響を受けていることが知られている。観光事業の回復は、まだ確認されていない。だから、中国人客を、インドのホテルや店の利用を許さないのは、二国間で係争中の国境地帯で、数人のインド兵が中国軍との衝突で亡くなった後の、ちゃちな大衆迎合主義の試みに過ぎない。
中国-インド関係での、それぞれの新たな危機が、インドで中国商品をボイコットする呼びかけの増加をもたらした。通常、これは、インドから中国には極めて少ししかへ輸出されないが、インドが輸入する商品の莫大な割合が中国からの商品という膨大な貿易赤字が原因だ。インドの民族主義の軍隊は、インドで営業している中国の店や企業と、中国商品を非難し、批判し続けている。先月の国境紛争でインドが屈辱を受けたので、インドにおける中国の経済活動を攻撃する取り組みが行われている。ホテルで中国客への奉仕を拒否するのは、特に国際旅行業がコロナウイルス流行で崩壊している時に、言語に絶する経済行為だ。
中国との協力は、イギリスから独立を達成した時、インドは、中国と比較して、インフラ的には遥かに発展していたにもかかわらず、中国と比較して、かなり遅れているインドの工業化と雇用を促進できる。コロナ流行だけでなく、世界経済の困難や国際政治の大変動もある時に、ボイコットの動きは、インドの事業環境を破壊する経済自殺だ。
そのため、このような行動は、政治上の大衆迎合主義によって決定されただけで、実際にインドに害を与える。つい最近、インドのマスコミが、モディ首相が所属する与党、インド人民党(BJP)支持者が、ムンバイで中国商品を買う人の足を折ると脅したと報じて時、これは外見上明白だ。だが、ボイコットの呼びかけは、中央政府には支持されておらず、政治的な得点稼ぎをしようとしている党や人々に支援されている。これは中国商品をボイコットするという呼びかけが、地方の行動であることを意味している。地方の行動であっても、何億人ものインド人が民族主義で、ボイコットの呼びかけに続く可能性があるので、強力な影響を与えかねない。
中国とアメリカの間の貿易戦争は、アメリカ製商品に取って代わり、インドが中国市場に入る大きな機会だ。中国とのインドの貿易赤字は、中国からの輸入が、2019-20に650億ドルへと7%以上減り、一年前の536億ドルと比較して、昨年の会計年度で、487億ドルに減ったと推定され、この5年間で最小だと、ザ・タイムズ・オブ・インディアは報じた。だが、ボイコットの呼びかけは、中国との貿易赤字を更に減らすインドの機会を弱めるだけだ。中央政府の観点から、インドは中国との貿易を増やすことに興味を持っており、この貿易は可能な限り制限されている。
もし国境問題が解決すれば、敵意は必然的に和らぎ、ボイコットは次第に効果を失うだろう。ボイコットの成功は、中国商品の欠如によってもたらされた市場のギャップを、インド産業が、どれほど良く満たせるかによる。避けられない現実は、インドがこの全ての要求を満たすことができないので、インドは中国商品を必要とすることだ。インドは商品を製造するため中国原料を必要としており、インドは中国投資に興味を持っている。そのため、中国との協力に対する、どんな制限も、インドの国益とは明らかに矛盾する。
記事原文のurl:http://infobrics.org/post/31273/
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泣きっ面に蜂。香港デモを、応援している場合だろうか?
LITERA
安倍政権がコロナ増税の動き! 安倍首相は石原伸晃らと増税談義、専門家会議に変わる新組織に震災で復興税導入を主張した経済学者
BBCが、日本でのコロナ流行の不思議さの記事で、「民度」問題に触れている。英語の勉強になる。
"I told these people: 'Between your country and our country, mindo (the level of people) is different.' And that made them speechless and quiet."
Literally translated, mindo means "people's level", although some have translated it as meaning "cultural level".
It is a concept dating back to Japan's imperial era and denotes a sense of racial superiority and cultural chauvinism. Mr Aso has been roundly condemned for using it.
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