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2020年7月 7日 (火)

極左だと言ってお互い非難し続けるアメリカの二大右派政党

2020年7月2日
ケイトリン・ジョンストン

 バイデン選挙運動は、トランプ大統領が、左翼指導者のフィデル・カストロや、ウゴ・チャベスや、ニコラス・マドゥロと同類だと主張する新しいスペイン語版広告をしている。バイデン選挙運動がこれをしたのは初めてではなく、先月フロリダで、同じ比較の選挙運動が、スペイン語を話す有権者に向けてされていた。

 決してトランプを当選させるなと主張する共和党員に運営されている資金豊富なスーパー PACが、英語字幕入りで、ナレーターがロシア語で、母なるロシアについてに語り、ロシアによる「同志トランプ」支持をまくし立てる、ソ連指導者の画像をちりばめ、赤い槌と鎌のシンボルが描き込まれたトランプ映像を呼び物する、あきれるほど愚かな口コミ・ビデオを発表したおかげで、本記事執筆時点で、#ComradeTrump(同志トランプ)というハッシュタグが、ツイッターで話題になっている。本記事執筆時点で、このビデオはツイッターだけで、200万回以上見られている。

 トランプを共産主義と社会主義と否定的に結び付け、好戦性が十分でないという理由で大統領を非難する一貫したパターンと組み合わせる戦術は、反動的な、主戦論の右翼政治イデオロギーのメンバーに向けられた場合のみ有効だろう。それはまさに民主党のイデオロギーなので、それは機能する。

アメリカ兵の生活は危険にさらされており、それを止めるためトランプは何もしなかった。

「アメリカ・ファースト」をトランプが生涯で売った詐欺の長いリストに追加しろ。それは明らかに、トランプ・ファーストで、ロシア・セカンドで、アメリカ最後だ。pic.twitter.com/sqiRyqtJBE
- リンカーンプロジェクト(@ProjectLincoln) 2020年7月1日

 一方、トランプは、2020年の選挙運動で、右翼の競争相手を極左として描写し、先月、Twitterに下記のような、ばかばかしい声明を投稿して過ごしているように思われる。

  • 「活気のないジョー・バイデンは、警察の資金を止めるだけではない、彼は軍の資金も止めるするだろう! 彼に選択肢はない、民主党は過激派左翼に支配されている。」
  • 「活気のないジョー・バイデンは(既にそうだが)極左だ。」
  • 「活気のないジョー・バイデンは地下室「避難所」を出て、過激派左翼のボス連中に彼らが間違った方向に向かっていると言うのを拒否している。」

 漫画家で「アメリカを再び偉大にする」思考のリーダー、スコット・アダムスが、ある種の、共和党に対する極左民主党によるアメリカ大粛正があり、「もしバイデンが当選すれば、一年以内にあなたが死ぬ可能性が高い。共和党員は狩りをされるだろう。」と主張して、益々広がりつつある通説を促進している、

 そう、共和党員よ、有意義な方法で権力に挑戦しない、現状維持イデオロギーで、文字通り、あなたがた全員殺されるだろう。

活気のないジョー・バイデンは、警察の資金を止めるだけではない、彼は軍の資金も止めるするだろう! 彼に選択肢はない、民主党は過激派左翼に支配されている。
- ドナルド・J・トランプ(@realDonaldTrump) 2020年6月7日

 だから、2020年の数え切れない正気でない進展の一つは、アメリカの主流政党二党とも、お互いを極左過激論者だとして攻撃するため、異なる戦略を使っていることで、彼らは、世界基準からすれば、いずれも大いに右翼政党なのだから、全く異様だ。いずれの党も、経済不平等不を終わらせるための富の再分配は言うまでもなく、他の先進国では標準の、基本的な社会的セーフティネットには関心皆無で、資本主義の終了や、労働者による生産手段の所有のような本当の左翼的な目標を持つことからはほど遠い。

 私がアメリカには二大右翼政党があると言うときは常に、ジョー・バイデンやナンシー・ペロシやチャック・シューマーのような連中を極、極、極左派共産主義者だと信じ、混乱と憤慨で早口にしゃべる、信じがたく縮小する「オヴァートンの窓」の共和党犠牲者のことを思っている。これはもちろん全て、プロパガンダで作り上げられたものだ。

 両党は、多かれ少なかれ、全く同じオリガルヒや、戦争の不当利益者や、帝国主義の政府機関の権益を推進するために働いている。彼らがしたことと言えば、受容できる討論の話題を、有力な資本家連中が全く気にしない同性婚や男女両用公共トイレのような些細な問題にずらすことだった。だから今主流「保守主義者」は左翼主義とはピンクの髪を意味すると考え、主流「リベラル派」は、トランプ支持者はクレムリンの役に立つばかと考えるが、実際、本当の権力への異議申し立てという点で彼らには、いささかの差もない。

 右側からお互いを攻撃し、極左派だと言って相手を非難するこの動的関係は、もちろん、あらゆる左寄りの動きの可能性を消しながら、アメリカの政治的立場を益々右へと動かし続けるが、これは、もちろん計画的なものだ。

新しい広告で@JoeBidenは、Black Lives Matter(黒人の命も大切だ)、Covid-19大流行と「フィデル、チャベス、マドゥロとトランプは同類」だと宣言するトランプの恐ろしい姿の映像を混ぜている
それなら、なぜトランプは、大統領任期中に、キューバやベネズエラに対する攻撃を強化したのだろう pic.twitter.com/1hajo941Z6
- Anya Parampil (@anyaparampil) 2020年7月1日

 かつてノーム・チョムスキーは「人々を受動的で従順にしておく賢い方法は、受容できる意見の幅は厳密に制限するが、その幅の中では、非常に活発な討論を許すことだ」と述べたが、実際、アメリカの政治的単一政党以上に、明確な図解を求めるのは不可能だ。体制の言説管理者によって、人々は、どうでもよいタワゴトを熱狂的な強烈さで言い争い、軍国主義を終わらせたり、政府の不透明さや、金権政治のように、有力者連中に実際に不都合をもたらす関係を取り上げたりすることは決して考えさえしないよう奨励される。

 民主党と共和党はイデオロギーが違うと言うことさえできない。もちろん彼らは、ボクサーが左ジャブと右のクロスを異なった方法で使うのと同じ方法で、少し違う振る舞いをするが、ボクサーの二つの握りこぶしと全く同様、彼らは、いずれも、まさに同じ狙いを推進するために使われている。ボクサーの場合は敵が意識を失うまで打つが、単一政党の場合は、ひと握りの権益集団と帝国主義の権益を推進するのだ。

 両党は同じ鳥の、二つの翼に過ぎないということわざは本当だが、それは右の翼が二つある突然変異の奇妙な鳥だ。

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 7月4日は、アメリカの独立記念日だった。それに合わせて、ブログ『私の闇の奥』の藤永茂氏は、御著書『アメリカン・ドリームという悪夢』の一部を掲載しておられる。

7月4日は誰の独立記念日か?(1)

7月4日は誰の独立記念日か?(2)

 どうでもよいタワゴトを熱狂的な強烈さで言い争い、軍国主義を終わらせたり、政府の不透明さや、金権政治のように、有力者連中に実際に不都合をもたらす関係を取り上げたりすることは決して考えさえしないよう奨励される人々の
の民度を示している都知事選挙。国政選挙でも、同様の民度が示されるのだろう。

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