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2020年7月24日 (金)

アメリカの政策に打撃を与えるイラン-中国協定

2020年7月14日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 最近発表された中国-イラン協定は、二国間協定だが、確実に広範囲な帰結的意味を持つ世界的に重要な出来事だ。既に、対イラン武器禁輸を巡って、国連安全保障理事会で「アメリカ対他の国々」状況にある今、既にアメリカとの「貿易戦争」に巻き込まれている超大国中国が、イランと公式に戦略的提携に入る事実は、世界的な勢力の均衡が、どのように移行しつつあるかについて強力なメッセージを送っている。意義深いのは、中国とイラン両国は、たまたまアメリカが繰り返し、中核的国益にとって「深刻な安全保障上の脅威」と呼んでいる国だ。だから、これら二国が「まとまる」のは、単なる中国の一帯一路構想の延長、経済、貿易協定ではなく、益々、経済的、政治的、軍事的側面を持った長期的戦略的提携と見られる出来事になっている。

 協定が、直接アメリカ権益に、どのように打撃を与えるかは、かなり長期間、アメリカ制裁の標的だったイランのエネルギー部門に、中国が何十億ドルもの投資を狙っている様子から明白だ。予期通り、協定の発表は、既にアメリカで「非難」のコーラスを引き起こしている。なぜなら、中国がイランに何十億ドルも注ぎこめば、イランは、アメリカ制裁の影響をかわして、経済的、政治的生き残りを確保する可能性を得るだろう。

 言い換えれば、イランに対するアメリカの経済的、金融制裁の目的が、政権崩壊を強いることなら、中国投資は、それが起きないよう保障するだろう。同じ文脈で、アメリカ制裁の目的が、イラン経済活動のあらゆるドアを閉じて、世界の他の国々から切り離し、交渉の席につくよう強制することなら、これはほぼ確実に、もはや可能性ではない。

 これは大がかりな計画だ。「この計画は、偉大な一帯一路構想を含め、重要プロジェクトやインフラ開発で、イラン-中国協力のための基盤を整える。それは産業、観光事業、情報技術や通信などの異なる経済部門に対する投資を引き付ける機会だ」とイランのハッサン・ロウハニ大統領が内閣に語った。

 この協定は、確実にトランプ政権の「最大圧力」戦略の失敗を示すだけでなく、トランプ政権は、中国との大掛かりな「貿易戦争」にもかかわらず、中国の発展や世界に対する影響力の急速な拡大という潮流を止めることができないのを証明するだろう。今年早々、トランプ政権は、Covid-19は中国起源で、その蔓延がアメリカ経済を損ない「貿易戦争」更新が、永久に「中国の悪を芽のうちに摘む」というもっともらしい結論に達していた。

 実際、これは最初に、中国からアメリカ経済を切り離すことを狙った、より大きな戦略の一環だった。ブルームバーグの最近の報告によれば、トランプ政権の戦略は、オバマ政権が、最初にイランに制裁を課した際にしたものに似ている。当時、オバマ政権はグループや企業や銀行に、イランの銀行や企業から、資源を引き上げるよう強いた。政権は中国に対して、同じことをしている。四月以来、トランプ政権は、連邦年金基金に、ポートフォリオに大手中国企業を含むインデックスに投資することに警告を発していた。これはトランプ政権が、アメリカ企業を制裁から「守る」ことを狙った方法だ。アメリカの、あり得る切り離しは、中国をもう一つのイランに変えるための下準備だ。

 中国が進歩し続け、新たな協定に入る事実は、中国がアメリカが(誤って)計算したと思われるより既に遥かに強いことを意味する。アメリカの格好の餌食になるには、中国は既に余りに強い。

 極めて重要なことに、アメリカは、イランと中国に対する「戦争」で益々孤独だ。最も信頼できる同盟ヨーロッパは、中国イランに対し、既に異なる路を進んでいる。ワシントン・ポストさえ報じるように、アメリカは既に、イラン-中国連合に、効果的に挑戦するため自由に使える十分な力がない「一国連合」だ。アメリカがイラン制裁問題を巡って首を絞めようとしていた国連は、既にソレイマーニ大将殺害を「違法」と宣言し、自身に有利なよう出来事の結果に影響を与え、具体化するアメリカの能力を低下させている。

 アメリカは益々国際的孤立に面しており、冷戦終結以来の世界体制のアメリカ一極支配に対する直接の打撃だ。この増大する孤立化の理由の一部は、アメリカ自身の頑固な態度なのだが、この孤立化の決定的な理由は、世界が既に変わり、多極システムに成熟していることだ。

 この文脈で、イランと中国がまとまるのは、中国の一帯一路が更に拡大し、強化するだけではない。それは、アメリカの一極支配体制が、今日の多極世界で、益々、無意味で、いかに、ばかばかしくなっているかを示している。アメリカの制裁は、称賛されないのみならず、ヨーロッパにも中国にも、終始、無視されている。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの外交、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/07/14/iran-china-deal-cuts-at-the-us-policies/

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 『香港バリケード 若者はなぜ立ち上がったのか』遠藤誉著 共著 深尾葉子/安冨歩 を読んだ。

 香港の雨傘運動、発端は、候補者が、お上に選ばれるのではなく、出たい候補者が出られる普通選挙の要求だった。「我要真普選」

 280ページの一部をコピーさせていただこう。

長く里親のもとに預けられていた子どもたちが、実の親元に返されたけれど、そこは自分の慣れ親しんだ空間ではなく、馴染めない。もはや逃げる場所もないので、はっきりと自分の主張を貫いたけれど、実の親に押さえ込まれる。

 ひるがえって「出たい候補者が出られる普通選挙」がある国で当選する面々!
 ずっと実の親元で暮らしているが、親はコロナ蔓延を放置する積極的ネグレクト親。
 普通選挙で、ネグレクト政治家を、わざわざ選ぶ民度!

 LITERA

コロナ感染が再拡大するなか安倍首相が有名人とステーキ会食! GoTo利権疑惑の二階幹事長、河井夫妻違法選挙のキーマンも同席

 日刊ゲンダイDIGITAL

恐怖の小池都政 知事から“クビ宣告”の元都庁OB幹部が語る
<3>新型コロナ対策をめぐる「作為的な不作為」という罪

 毎日、新感染者数を発表する顔から思いついた。こいけしゃあしゃあ。

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