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2020年7月27日 (月)

コーカサスを不安定化するためにアゼルバイジャンを支援するトルコ

ルーカス・レイロス、リオデジャネイロ連邦大学国際法特別研究員
2020年7月15日
Infobrics

 アゼルバイジャンとアルメニア間の対立はますます深刻になっている。両国ともナゴルノ・カラバフの領有を主張しており、1980年代後期と、1990年代初期、両国間で、地域支配を決定するための戦争があった。1994年、勝利者なしに、停戦協定で終わった紛争で、何万という人々が亡くなった。合意は、ナゴルノ・カラバフ地域を、事実上の自治共和国とし、法律上、アゼルバイジャンの一部のままにしている。この合意は、大虐殺は終わらせたが、両国間の領土紛争継続を防ぐことはできず、いずれも、今日も領有を主張しており、最近、状況は更に悪化している。

 7月12日、この地域で、犠牲者数が不明な武力衝突があった。アゼルバイジャン軍は、領域に侵入したと言ってアルメニアを非難している。対照的に、アルメニア政府は、この違反をアゼルバイジャンのせいにしている。以来、アルメニアの観察者たちによれば、15から20分ごとに国境での爆撃が報告されている。死者や負傷者データは不明なままだ。

 アルメニアのニコル・パシニャン首相は、戦争を始めたと言ってアゼルバイジャンを非難し、暴力は処罰を免れないと述べ、敵国による、あらゆる動きに反撃すると約束した。アルメニア国防省データが、戦闘が記録された7月12日の早い時間、アルメニア領に対する大砲砲撃の記録を示している。アルメニア政府によれば、アルメニア軍部隊は、受けた攻撃に報復しただけだ。パシニャン首相は、アゼルバイジャンのみならず、トルコも攻撃に関与したと非難している。

 この非難は事実無根ではない。トルコは、紛争で、アゼルバイジャンを支持し、難局の平和的解決ではなく、併合を奨励している。国境での衝突の翌日、トルコのメヴリュット・チャヴシュオール外務大臣は、紛争でアゼルバイジャンは「独りではない」と言って、アゼルバイジャンを擁護した。これは、暴力のエスカレーションのさなか、アンカラの支持だけでなく、紛争に介入する関心も暗示するので、この声明は、物議をかもし、危険だ。アルメニアは、紛争再開について、アンカラのせいだと、厳しい批判で反応した。アルメニア政府によれば、トルコは隣接する領土に、支配力と影響力を増すため、この地域の平和を不安定化することに関心を持っている。

 これに対して、欧州連合は、両国関係者に、紛争を縮小し、軍事力行使を避けるよう求める公開メモを発表した。アメリカ国務省も、この地域での暴力は容認できないとして、両国の関係者に、紛争の平和的解決を求めるよう促した。同じ調子で、ロシア政府は、どちら側も支持せず、両国に、平和解決を求めた。セルゲイ・ラブロフ外務大臣は、アルメニアとアゼルバイジャンに、即時停戦し、この地域の平和を管理するため、1992年に作られた委員会ミンスク・グループの条件に従うよう促した。両国とも旧ソビエト共和国なので、この地域での影響力の大きさから、紛争処理上、ロシア外交の役割は不可欠だ。

 この危機へのトルコの姿勢に対する、ロシアとアメリカとヨーロッパの手法の相違に留意するのは重要だ。紛争の現段階で、当事者の一方を公然と支持するのは、紛争を激化させ、暴力の増加を促進する上で、極めて重要だ。トルコは軍事大国なので、紛争の早い段階での公然の支持は、紛争の激化を促進しかねない。この意味で、アゼルバイジャンが、アンカラの支援とトルコ介入の可能性から、アルメニアに対する戦略上の利点と優位を思い込んで、爆撃を継続することはありそうだ。これがトルコの宣言の背後にある大きな危険だ。

 だが、状況は完全な文脈で分析しなければならない。トルコは地域的、国際的地政学的影響力を増大する関心を示しており、その目的で、例えば、シリアの戦争における役割や、ギリシャ正教の記憶に対する不要な攻撃だと、世界中での抗議を引き起こし、長年、存在していなかった地域での宗教的緊張の復活を引き起こしている最近のハギア・ソフィアのモスク転換のような、大胆で挑発行為を主張している。

 実際、エルドアンは、新オスマントルコの地政学的計画を実行し、近代トルコ国家の先祖、オスマン帝国が過去に支配していた全領域で、地域レベルの権力と影響力を取り戻す明快な計画を持っている。トルコとアルメニアの関係は、この意味で、良い実績がなく、アルメニア人の記憶には、20世紀早々、キリスト教徒アルメニア人に行われた民族的-宗教的大量虐殺が、まだ生きているのだ。

 この意味で、地域での影響力強化に有利な不安定地域を作ろうとするトルコの関心は、高くつく可能性がある。コーカサス地域で大きな歴史的影響力を持つロシアは、地域大国として、外交を通して、トルコの攻勢に対する拮抗勢力になる必要があり、他方エルドアンには、隣国同士の紛争への、いかなる介入も避けるよう、国際的に圧力をかける必要がある。

記事原文のurl:http://infobrics.org/post/31370/

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 コロナ流行、世界では天災。日本では人災。土管から現れたマリオ、土管にもぐり込んでいるのだろうか。

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