マスク着用命令? 企業は賛成。一部の知事はまだ反対。
2020年7月16日
Moon of Alabama
この悲しい冗談が広まっている。
問い: 愚かさと接しているのは誰か?
回答: カナダとメキシコ。
不幸にも、それには多少の真実がある。
ハリス郡はマスク着用命令に関して罰金を科すことはできないとグレッグ・アボット知事 - 2020年4月27日
月曜、グレッグ・アボット知事は、リナ・イダルゴ郡判事のマスク着用命令が、その朝発効したハリス郡のものを含め、地方の役人は、公衆の前でマスクを着用することに関し、規則に違反した住民に罰金を科すことはできないと述べた。
「全員がマスクを着用するよう我々は強く勧める」と、アボット知事が、テキサス再開計画を発表した記者会見で言った。「だが、それは命令ではない。どの司法も、どんなタイプの罰や罰金も科すことができないのをハッキリさせておく。」
「私の政令は、マスクをつけない人に対する、いかなる種類の罰金や罰に関しても、地元の命令に優先する」と彼は付け加えた。
約三カ月後、正気になった。
「それは人々ができる最小限のことだ」 - アボットのマスク着用命令、サンアントニオで、まちまちの反応に直面 - 2020年7月3日
木曜、アボットは、ほぼ全てのテキサス人に、人前では、マスクを着用するよう要求する政令に署名した。
初犯者は警告を受ける。二度目の違反は、最高250ドルの罰金刑に処するが、投獄はしない。
出典:COVID追跡プロジェクト - 拡大する
テキサスの新感染者数は、六月始めに増加し始めた。入院は一週間後に増加し始めた、死亡者数は入院数から二週間遅れて増加し始めた。そのパターンは今までにしっかり確立している。 Covid-19の死亡者の新たな波を妨ぐには、新感染者数が増加次第、即座に対策をとらなくてはならない。
マスク着用命令に関するアボットの方向転換は、周囲の他の知事にとっての警告のはずだった。不幸にも一部はまだそれが理解できていない。
ジョージア知事は、全ての地方のマスク着用命令を停止し、住民のマスク着用を奨励するが、必要とはしていない - 7月15日
ブライアン・ケンプ・ジョージア知事は、ジョージア州のコロナウイルス感染者、入院者の増加にもかかわらず、水曜、全地方自治体のマスク着用命令代を停止した。
政令の下、共和党の知事は州の緊急事態を延長し、マスクは「強く奨励するが」必要とはしないと述べた。
Covid-19感染者数が州内各都市で増大し、既に3,000人以上の命を奪っている中、ケンプの政令は一部の地方自治体が課したマスク着用命令を無効にする。
出典:COVID追跡プロジェクト - 拡大する
流行に関しては、ジョージア州はテキサス州から二週間遅れだ。新感染者は六月中旬に増加し始めた。入院は一週間後、増加し始めた。二週間後に、死者数も増加し始めた。この先どうなるかは明らかだ。
それが、私が理解できない理由だ。アボット知事はテキサス州で何が起きると思っていたのだろう? ケンプ知事はジョージア州で何が起きると思っていたのだろう? 彼はジョージア州で、より多くの死者を望んでいるのだろうか? 彼を動かしているのは悪意なのだろうか? もし悪意でないなら、一体なんだろう?
共和党の知事たちは、企業を気にかけているのだと主張する。だが伝染病が彼らの州で荒れ狂う限り、企業は苦しむはずだ。人々は恐れている。不安は当然だ。これはインフルエンザではない。
Covid-19は重大な呼吸器病状を起こすことで良く知られているが、いくつかの合併症も起こす。これらの状態には、血栓性合併症、心筋障害や不整脈、急性冠動脈症候群、急性腎傷害、胃腸症状、肝臓細胞損傷、高血糖症やケトン症、神経疾患、眼病や皮膚合併症がある。
人々が不安を抱いている限り、病院がCovid-19病人で既に満杯なのを知りながら、買い物に行ったり、外食したりするまい。マスクは効果があるのを知っているので、皆がマスクをつけていると、人々は多少安全に感じるのだ。
事業を再開させるには、コロナ蔓延を持続可能なレベルに押し下げ、検査し、追跡して、制御することが必要だ。そのための、最も安く最も効果的な措置は、マスク着用を義務づけることだ。それを実施するには、少なくとも命令を無視する人々を処罰で脅さなくてはならない。行うべき更なる措置はあるが、マスク着用は、まさに最初で最も容易なものだ。
ウォルマートやターゲットやCVSや他の企業は、現状マスク着用義務化が事業に有効なのに気がついた。現在、彼らは入店する全員にマスクを全国で義務づけている。
テキサス州は、現在、毎日、百万人あたり約320人の新感染者がいる。ジョージアは、現在より短い時間枠で、毎日、百万人あたり322人に達した。だから、おそらく、ジョージア州の住民の感染者と死亡者の数は、テキサス州より多くなるだろう。
ジョージア州民は、それをひき起こしたことに対して、知事に感謝できる。
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忖度専門家分科会議長を見ていると、なぜか映画『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』のラストシーンを思い出す。大昔アメリカ出張時にVHSビデオ購入し、一度見ただけ。人類滅亡を示唆するような終わり方だった。エンディング・テーマは『We'll Meet Again』。エリザベス女王の4月の演説でもこの歌の名が引用されたという。俳優が似ているせいなのか、状況が似ているせいなのか見当がつかない。
Wikipediaの文章を多少変えて、引用しよう。
断線により爆弾投下口が開かない非常事態がおき、熱血漢コング少佐が核爆弾にまたがりながら配線を再接続する。故障が直るや否や爆弾は投下されてしまい、コング少佐がカウボーイよろしく爆弾にまたがったまま落ちてゆく。
2011年3月29日翻訳記事「放射能の危険性:原子力専門家連中を解体する」末尾に書いた文章を繰り返そう。御用学者批判の文章。東京電力福島原発事故を、いかにも些細なことにみせようとしていた原発御用学者と、今、コロナ蔓延阻止より、経済優先を唱導する医療御用学者連中、うり二つ。デジャブ。
とんでもない御用学者諸氏の様子をみながら思い出した本がある。避難されている方々の映像をみる度に、その著書『住宅貧乏』『居住福祉』を思い浮かべる住宅問題の泰斗早川和男神戸大名誉教授による『権力に迎合する学者たち-反骨的学問のススメ』という本だ。文中に、罪深い教授・専門家を、ある教授「海賊船のボイラーマン」と評した、とある。連中は、巨大船の機関室で、懸命に釜に石炭をくべ、船を推進させる釜焚き人、その船が何であり、何処に行くのかに全く関心はないのだ。
IWJの岩上安身氏の孫崎享氏インタビューを遅ればせながら拝聴。新刊『朝鮮戦争の正体』を巡るもの。本は購入済みながら、なかなか読む気力がおきずにいたが、ご本人の解説をうかがった後は、どんどん読めるようになった。孫崎享氏、彼の著書のような硬派の本は、「売れないので、出版社が出したがらない」と残念がっておられる。テレビに良く出る著者による本なら、なんであれ良く売れるのだそうだ。大手書店にいっても、つまらない本がずらり並んでいる状況、孫崎享氏の懸念はよく分かる。
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