タカ派トランプを締め出すバイデンと彼を操る腹話術師連中
2020年6月22日
ケイトリン・ジョンストン
ジョー・バイデンは、戦争挑発商売でドナルド・トランプをしのごうと頑張っているが、「ジョー・バイデン」というのは、もちろん木製人形を操る腹話術師のように認知症でぼろぼろの残骸を生き生きと動かしているバイデン選挙運動調教師チームをさしている。
彼の政権の残虐な対ベネズエラ政策を縮小し、ニコラス・マドゥロ大統領と会うのはやぶさかではないと示唆するトランプに応え、バイデン・ツイッターアカウントを運用している人物が誰であれ、この機を捕らえ、前副大統領が、もし大統領に選ばれたら、このようなことは決してしないと断言した。
「トランプはベネズエラに対して強硬な発言をするが、ニコラス・マドゥロのような凶悪犯独裁者を称賛している」とバイデン徒党がツイートした。「大統領として、私は、ベネズエラ国民と、民主政治を支持する。」
「翻訳:もしトランプが、ベネズエラを制裁し、窒息させて、服従させようとする現在の政策から手を引くなら、バイデンは確実にそれを復活させる」とジャーナリストのアーロン・マテが反論して言った。
「誤解のないよう言うが、ジョー・バイデンはドナルド・トランプをベネズエラに関して右翼側から攻撃しているのだ」とジャーナリスト、ウォーカー・ブラグマンが述べた。
トランプはベネズエラに対して強硬な発言をするが、ニコラス・マドゥロのような凶悪犯独裁者を称賛している。 大統領として、私は、ベネズエラ国民と民主政治を支持する. https://t.co/eUt28UxyXS
- ジョー・バイデン (@JoeBiden) 2020年6月22日
FAIR.orgのアラン・マクロードが去年正確に述べた通り、制裁を含め、全てのアメリカ干渉に、圧倒的多数のベネズエラ国民が反対しているにもかかわらず、アメリカ率いるブネズエラ政権転覆干渉を支持するスローガン作り目的で、アメリカに集中した帝国の政治/マスコミ支配階級しか「ベネズエラ国民」という言葉を使ったことがないのだ。
好戦性が不十分だという理由でドナルド・トランプを非難するこの戦術は、バイデン徒党にとって、何ら新しいものではなく、ベネズエラに限定されてもいない。
大統領予備選挙討論で、バイデンは、それが意味することは何であれ、北朝鮮代表に「正当性」を与えるから、大統領が金正恩と会ったのは間違いだったと主張し、朝鮮民主主義人民共和国に対するタカ派姿勢が不十分だという理由でトランプを非難した。
四月のバイデン選挙運動広告は、コロナ流行発生時に、主権国家の運営を監視するため、アメリカ当局者が武漢に入るのを認めるよう北京を強い損ねた、中国に対して余りにも弱気な大統領を非難していた。
「コロナウイルスが世界じゅうに蔓延する中、トランプは、1月と2月、中国を15回称賛した」と不気味な声で広告のナレーターが語る。「トランプは決して中国現地にCDCチームを派遣できなかった。彼が自慢する旅行禁止令は、署名後、トランプはアメリカに中国から40,000人の旅行者を入れた。決して、水も漏らさぬものではなかった。」
私は前提条件なしでは金正恩と会わない。彼と会うことで、ドナルド・トランプは金正恩に彼が求めていたものを与えたのだ。正当性だ。私は同盟諸国としっかり協力し、金政権の良くない振る舞いに対する圧力の欠如のかどで中国に責任を負わせる#DemDebate
- ジョー・バイデン (@JoeBiden) 2020年1月15日
バイデンは、大統領予備選挙討論で、いわゆる対テロ戦争の論拠を利用し、大統領がアメリカをISISテロ攻撃の危険にさらしていると馬鹿げた主張をして、トランプのシリアからの部分的軍隊撤退を攻撃した。
「ここに来ようとしているISISがいる」とバイデンは言った。「彼らはアメリカに危害を加えようとしている。それが、そもそも我々が介入した理由だ。」
そしてもちろんバイデン徒党は、モスクワに対する、この政権の実に多数の危険なほどタカ派の新冷戦エスカレーションにもかかわらず、ロシアについてあまりにも弱気だったという理由でトランプを非難している。
「我々には、クレムリンに立ち向かい、プーチンと戦い、我々の選挙の安全を保証する緊急措置をとる大統領が必要だ」と去年バイデン・ツイッター・アカウントが言った。
この一連の攻撃が、バイデン選挙運動には非常に遍在するので、四月のツイートで、単に「ドナルド・トランプは自分は戦時大統領だと言う。彼がそられしく振る舞う時期だ」と書くだけで、より好戦的になりたがらないトランプに対するあいまいな、一般的な辛らつな言葉で十分な攻撃になる。
ドナルド・トランプは自分は戦時大統領だと言う。彼がそられしく振る舞う時期だ。
- ジョー・バイデン (@JoeBiden) 2020年4月18日
またしても、これが、これら連中が語っているドナルド・トランプなのだ。アメリカの戦争犯罪をあばいたことに対し、ジュリアン・アサンジを投獄し、飢餓制裁で何万人ものベネズエラ人を殺し、アメリカが支援する大量虐殺からイエメンを救う試みに拒否権を行使し、政権転覆をもたらすという明言された狙いのために、飢餓制裁やCIA作戦を使って、イランで内戦を醸成しようと工作し、トップ将官を暗殺し、イランと全面戦争をすんでの所で始めかけ、シリア油田を占領し、シリア再建を阻止する狙いで破壊的制裁を実行し、中東や他の場所で兵隊を大いに増やし、前政権の一日あたりの投下爆弾数を大いに増やし、記録的な人数の一般市民を殺害し、それら空爆に対する軍の説明責任を減らした大統領だ。
世界にとって、最後から2番目に必要なものは、一層好戦的にさせるため、ドナルド・アホ・トランプにかける政治圧力だ。世界にとって一番不要なものは、トランプ以上に好戦的なアメリカ大統領だ。
アメリカはマスコミ心理作戦に依拠した警察国家の上に成立している戦争機構なのだ。これら精神病的な仕組みを維持するのをいとわない連中だけが、大統領として立候補するのを許される。全てのニュースカメラが、大統領と大統領候補間の比較的些細な相違に焦点を合わせているので、連中の類似点を見ることによって、アメリカと、それを動かしているするものについて、遥かに多くを知ることができる。
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何日か前、大本営広報部の夜の呆導番組で、有名私大教授と右翼財団の評論家がジョー・バイデンを称賛していた。それだけで、バイデンの正体がわかるというもの。ウクライナ・クーデター首謀者の一員で、クーデター後、彼の息子は、ウクライナのガス企業ブリスマの重役になった。その企業の汚職を捜査しようとしていた検察官を解任させた人物が、素晴らしい人物のわけがないだろうに。
日刊ゲンダイDIGITAL 選挙活動をしないことで、競合候補を目立たなくする高等作戦。
思わず「青空文庫」で、伊丹万作の『戦争責任者の問題』を再読した。有名な一部を引用しよう。
「だまされていた」という一語の持つ便利な効果におぼれて、一切の責任から解放された気でいる多くの人々の安易きわまる態度を見るとき、私は日本国民の将来に対して暗澹たる不安を感ぜざるを得ない。
「だまされていた」といつて平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによつてだまされ始めているにちがいないのである。
植草一秀の『知られざる真実』
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