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2020年5月26日 (火)

キューバにとっては医師へのノーベル平和賞より制裁終了が重要

ラモナ・ワディ
2020年5月20日
Strategic Culture Foundation

 コロナウイルス流行に対処するため世界中の国々を援助するキューバ人医師の努力が認められて、ヘンリー・リーブズ医療旅団にノーベル平和賞を与える推薦があった。旅団は、2005年に、アメリカが、大型ハリケーン・カトリーナ後、キューバの人道的援助の申し出を拒絶した後、キューバの革命指導者フィデル・カストロが設立したものだ。

 2015年、ヘンリー・リーブズ医療旅団は、アメリカが推進する軍国化と極めて対照的な、エボラ流行との戦いに対するキューバの医療、人道支援貢献のかどで、ノーベル平和賞にノミネートされた。

 この賞は認知度も高めるが悪評もある。受賞者の中には、民主的な選挙を通して、キューバ革命の影響が中南米に広がるのを阻止する狙いで、チリに新自由主義と独裁を導入したヘンリー・キッシンジャーがいる。他の受賞者には、性的虐待を含む、いくつかの人権侵害の罪で告発されている国連平和維持軍もあり、国連自身、植民地政策を絶滅させる責任を放棄し、バラク・オバマは、彼の支配下で、アラブの春という口実で、アラブ世界を軍事介入で荒廃させ、平和構築を自慢するEUは、イスラエルの植民地建設と、アメリカ、国連とNATOによって決定される軍事介入を支持している。

 世論に反して、平和賞には何ら高尚なものはない。実際、世界に肯定的な相違をもたらした個人から、平和調達者として称賛された戦争犯罪人までの様々な受賞者は、利他主義以外のものが動いていることを示している。ノーベル平和賞は、フィデルの革命的な原則や行動、キューバ革命やキューバ国民からはほど遠い政治的な狙いに奉仕している。

 最初のキューバ人医師たちがヨーロッパに到着した際、キューバに対する違法なアメリカ封鎖を終わらせる話が燃え上がったが、やがて、こだまよりかすかなものに衰えた。流行がヨーロッパで和らぐ最初の兆候を示すと、政治的言説が続いた。キューバの国際主義が世界全体にとって模範になった。一方、国際社会は、一般人の福祉増進に貢献する原則を拒絶している。

 世界の首脳たちには、キューバの模範的な国際主義役割の認識を強調する機会がほとんどなかった。ヨーロッパでは、更なる流行の広がりを防ぐという口実で、更なる監視と抵抗が導入された。国境と地中海を武装する風潮が日常化している。

 キューバは人道的、政治的態度を示したのだ。救命は人道的だ。フィデルが、革命という教育過程を通してキューバ全土に伝え、強化した国際主義の原則は政治的なものだ。社会主義の原則は持続可能な解決策であることが証明されたが、言説は既に政治的行為からコロナウイルス蔓延抑制を支援するキューバの取り組みの一時的認識に移行している。

 もしノーベル平和賞推薦が更に進めば、国際社会は、この認識を利用する機会を得るだろう。何十年間も、国連がキューバを与えた唯一の譲歩は、アメリカが課した封鎖に対する、定期投票だけで、封鎖を終わらせるための政治的行動は皆無だ。

 いつもどおり、最近の国連によるアメリカへの違法封鎖撤廃呼びかけは、Covid-19の文脈で表現されている。声明の一部には「流行の緊急事態で、制裁を停止する意志がアメリカ政府に欠如していることは、キューバや、制裁の標的にされた他の国々を、このような苦難をより大きな危険に導くかもしれない」と書いてある。コロナウイルス流行がなければ、違法な封鎖の撤廃を要求する声明を発表する緊急性を国連は感じなかっただろう。国際社会は搾取的だが、それでもキューバは、道義、生命を救うための奉仕と共同行動で対応した。ノーベル平和賞は、十分からほど遠い。キューバには美化された認識という形の補償ではなく、アメリカによる封鎖に対する、疫病流行にでなく、原則に基づいた、統一国際戦線が必要なのだ。

 ラモナ・ワディは独立研究者、フリージャーナリスト、書評者、ブログ作者。彼女はパレスチナやチリや中南米に関し、広範囲の主題を報じている。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2020/05/20/cuba-end-sanctions-more-important-than-nobel-peace-prize-for-its-doctors/

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 トランプ大統領が、メーカーの尻を叩いて作らせた人工呼吸器が余ったのを、ポチは喜んで購入するそうだ。そのうち六ヶ所村の原子燃料リサイクル施設で処理するため、宗主国の核のゴミを大金で購入するようになるかも知れない。『乱離骨灰鬼胎草』

 イギリスの知人が、外出禁止を唱える首相顧問が、両親に子どもをあずけようとして、車で遠距離ドライブしたしきゃンダルを教えてくれた。お礼に、違法行為を取り締まる幹部役人が、賭博行為で辞職したニュースをしらせたところ、「太陽の下に新しきものなし」と返事がきた。巣籠もりを主張する本人の妻が、旅行した話のほうが良かったかもと反省中。 

 朝のテレビで俳優の中尾彬氏が、フジテレビを怒っていた。無責任なSNSもさることながら、そういう番組を作って、出演者を守りきれない放送局が責められない不思議。この局の番組、基本的にほとんどみておらず、番組自体全く知らない。

 日刊ゲンダイDIGITAL

収束は“束の間” 経済は?第2波は?この政権で大丈夫か?

 日本のプロンプターReader、別名一狂晋裸万障も、緑のタヌキも、一時的終息を、いかにも自分の功績であるかのようなウソを平然と語る。いくら会見の音声を消しても、大本営広報部呆導で再三繰り返すので消音ボタンを押すのが間に合わない。どちらも、PCR検査を本格的に行えるようにするとは決して言わない。「日本独自の方法で成功した」などというたわごとを言う政権、都庁に第2波の備えなどできるわけがない。秋以降は悲惨なことになるのではと恐れる。
 『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ――人類とウイルスの第一次世界戦争』を第2波の予行演習のつもりで読んでいる。それを言うなら、ガルブレイスの『大恐慌』も予習のつもり。

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コメント

連日のコメントにて恐縮なので、本日は短くします。

世界中の国がキューバの様であれば、世界は新自由主義を跳ね除ける力を持ち得たかもしれない。
キューバも、カストロが健在の内は健全な国家で居られると思う。


はて、日本の有り得ない話題は、イギリスの方には退屈だった様ですね。

あぁ、それにしても、日本の状況は有り得ない事の連続で、気にしたところでどうにもならない事は判っていても憂鬱だ。

そこへもってきて都知事選まで約一か月。
それに合わせたかの様な日程で緊急事態宣言を全面解除し、越県移動自由ににするという。
ああそうね、何時もの様に学会員を東京へ一時的集団移住させる為だね。
念には念を入れるって事ね。

その都知事選には、緑のタヌキと同類の者たちが多数出馬の模様。
橋下、堀江、N国立花、どれもアチラ側の人間ばかりでウンザリする顔ぶれにて候。

こちら側は、宇都宮けんじさんが出馬を表明。
応援はするけれど、結果は決まっているから辛いものがある。
せめて野党統一候補なら救いはあるだろうけど、枝野の共産党アレルギーは病的なり。
肩書や地位のある人ほど、洗脳からは目覚め難いものだ。

と、ここで新しい情報が。
野党は山本太郎氏を統一候補に推す考えとか。
それはマズイな。
ま、山本太郎氏はインタビューで「小池さんが圧勝でしょう」と答えていたから、断るだろうけど。

あぁ、それにして、結果が明確に見えている選挙ほど辛いものは無いなぁ。

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