プラヤ・ヒロンでのアメリカ帝国主義粉砕
ラモナ・ワディ
2020年4月27日
Strategic Culture Foundation
「我々は非常に重要なことをしたが、我々は社会主義者だと宣言しておらず、マルクス・レーニン主義の教義を公然と宣言していない。ヒロンは革命プロセスを加速した。」革命指導者の自叙伝出版に至った、イグナシオ・ラモネとの会話の中で、キューバ指導者フィデル・カストロと論じたプラヤ・ヒロンについての省察は、4月17日から1961年4月19日まで続いたピッグス湾侵略における、アメリカ帝国主義の敗北の規模を示している。72時間以下で、キューバ革命軍は、CIAに訓練された1,500人の侵入者を破ったのだ。
キューバを侵略し、革命政府を転覆するというアメリカの計画は、1960年、アイゼンハワー政権時代、中央情報局(CIA)が作り出し、ケネディ政権が継承したものだ。目的は「アメリカ介入の様相が決して見えない方法で、キューバ国民の本当の利益に、より奉仕し、アメリカに、より受け入れやすい、カストロに置き換わる政権ををもたらす」ことだった。これを実現するため、CIAは、フィデル打倒の目的で、キューバ侵略を実行するため、マイアミに暮らしているキューバ人反体制派分子を訓練した。
敗北の直後、J.F.ケネディ大統領はこう宣言した。「私が前に強調した通り、これはキューバ独裁者に対するキューバ人愛国者の闘いだった。我々は同情を隠すことはできないが、アメリカ軍はどんな形でも介入しないことを我々は繰り返し明確にした。」
ケネディの次の発言が、中南米でのアメリカ介入の本質を示唆している。「だがキューバのような規模の国は、アメリカの生存に対する脅威というより、半球中の他の自由な国々の生存を破壊する基地だ。今、より大きな危険にあるのは、我々の権益や、我々の安全保障ではなく、そうした国々のそれだ。我々が意思を示さなくてはならないのは、こうした国々ためと、我々自身のためなのだ。」
キューバ革命家の手によって、アメリカが味わった敗北は、キューバは、地域の完全な変換に影響を与えかねないという帝国主義者の懸念を強固にした。それほど雄弁ではないが、同様な言葉を、アメリカ介入なしに起きたサルバドール・アレンデの大統領当選と社会主義への転換について、ヘンリー・キッシンジャーが述べていた。
より以前のアメリカ外交支援に基づいて、1961年11月、支援、持続可能性と開発という名目で破壊活動に資金供給する仕組みであるUSAID米国国際開発庁の創設をもたらした対外援助法にケネディは署名した。キューバで、USAIDは「独立した形で協力して働いて、彼らの国家に対する依存を減らす力をキューバ市民に与えよう」とつとめるのだ。言い換えれば、USAIDは、それにより革命的原則の放棄に影響を与えるような反政府派の小地域を作るために存在しているのだ。近年、アメリカに残されていたキューバ・ファイブと呼ばれる人々の残るメンバーのキューバ帰還と引き換えの合意で、釈放されたキューバでの破壊活動に関与していた契約業者アラン・グロスの件でUSAID干渉は、大々的に報道された。
1962年2月の、ケネディの次の措置は、キューバに非合法封鎖を命しることだった。一方、アメリカは、キューバを孤立させる中南米中の独裁諸国支援のために資金供給をすべく、USAIDの人道主義の原則と持続可能性の標的とされるものを採用した。中南米での、その結果は、殺害や拷問や強制失踪のテロ・ネットワークだった。フィデル逝去で、革命は終焉に到るだろうという誤った前提をアメリカが表明する経済的困難にもかかわらず、キューバ革命は勝利したのだ。
「外国支配から国を救うためにヒロンで倒れた英雄のためのキューバ。自国を攻撃する外国に奉仕する傭兵と裏切り者のためのアメリカ合州国」と、1962年2月4日の第二次ハバナ宣言でフィデルは述べた。
侵略に対するキューバ反撃が、革命の団結を示した。CIAに訓練された傭兵をキューバ人愛国者として描写しようと試みるケネディ声明にもかかわらず、アメリカは、チリのような地域の他の国では機能したような、ひそかに人々を通して、帝国主義が機能する機会を与えたでような支持の断片を、キューバ人の中でかきたてるのに失敗したのだ。それどころか、フィデル排除へのアメリカの固執は、キューバ人が自身を教育する革命と回復力実行する体制の中で、全てが阻止された600以上の奇異な計画をもたらした。
今年の記念日に、キューバのミゲル・ディアス・カネル大統領は、歴史的な出来事を、革命的動員の絶えざる教訓だと述べた。革命勝利、アメリカ干渉と経済封鎖の影響を経験して数十年、アメリカ侵略と、キューバ国際主義間の相違は、いっそう顕著だ。アメリカが1961年にしたのと全く同様、アメリカは、キューバ人の忠誠を誤算して、いまだにキューバ革命の路線を変えるため破壊活動に頼っている。フィデルの言葉で「彼らは自身のウソと宣伝を信じたのかも知れないが、キューバ国民と我がキューバ革命家を過小評価したのは確実だ。」
ラモナ・ワディは独立研究者、フリージャーナリスト、書評者、ブログ作者。彼女はパレスチナやチリや中南米に関し、広範囲の主題を報じている。
個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。
記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2020/04/27/defeating-us-imperialism-at-playa-giron/
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国会討論。自国民殺人内閣の面目躍如。
LITERA
安倍首相が「PCR検査2万件」と現実の乖離を追及され逃亡、加藤厚労相は「能力あっても使うわけじゃない」と検査抑制続行宣言
日刊ゲンダイDIGITAL
都知事や大阪府知事の対応、どこが素晴らしいのだろう。
都知事インタビューも、御用忖度専門家会議会見も見ないことにしている。
そもそも、コロナ蔓延を幇助、推進してきた本人連中の屁理屈だ。
自分の失敗は、ほおかむりし、8割削減が未達だと国民のせいにする厚顔無恥。
意味不明。具体的データーなし。自粛の押しつけ。聞くだけ時間の無駄。
忖度専門家には、膨大な予算がつく露骨さ。
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コメント
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キューバ関連の記事を続けて翻訳してくださり、ありがとうございます!
私事ですが、私が大学の英文科に入学した年にケネディが大統領に就任し、アメリカ帰りの若い教員が、私たちにケネディの就任演説を読ませました(そいつは後に学長に昇進)。キューバ危機が起こり、私たちは固唾をのんで経緯を注視しました。
キューバは、よくぞアメリカの数知れない攻撃を乗り越えました。並大抵の苦労ではなかったでしょう。国を守ることに全エネルギーと資金を使う必要がなかったら、今のキューバはもう少し豊かだったでしょう。
当時見たキューバ映画「苺とチョコレート」が、今も忘れられません。白人系の青年(芸術家で同性愛者)と黒人系の共産党員の青年が出会い、初めは対立していましたが、だんだんお互いに心を開いていくというストーリーでした。最後に白人の青年が「僕はこの国では受け入れられない。アメリカへ亡命するよ」泣きながら言います。黒人の青年は、「君の気持ちはよく分かるよ。行ったらいい。君がここに帰ってこられるような社会にするよ」と言います。そして白人の青年の妹(精神的に不安定)を「僕が引き受けるから、安心して行っておいで」と言って送り出します。
どこかでもう一度この映画を観たいです。
投稿: 野薔薇 | 2020年5月 3日 (日) 09時32分