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2020年4月21日 (火)

多くを知らずに中国を中傷するピーター・ナヴァロ

2020年4月13日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 何年にもわたり、北アメリカとヨーロッパで、中国を中傷し、挑発することは、極めて儲かる商売、職業にさえなっていることは明白だ。もっぱら、このような活動を専門に行う「研究所」やNGOがあり、反中国戦士になるべく養成される人々がいる。

 ネオコンで右翼戦士のピーター・ナヴァロは、何年間も、中華人民共和国が実際「どれだけ悪」か正確に知っていると確信しているよう感じている。彼は、この話題についての本を書き、ビデオを制作した。彼は地球上人口最大の国の「悪」について話すのをやめることができない。

 だがナヴァロ氏は中国について本当に多くを知っているのだろうか? それとも、北京に対する彼の絶え間ない攻撃は、単に仕事、報酬の良い職業なのだろうか?

 彼は一体どれだけの損害をもたらしているのだろう?

 2017年に、フォーリン・ポリシー(FP)(外交政策)誌が修辞疑問を問うた。

「トランプのトップ中国専門家は、中国専門家ではない。ピーター・ナヴァロは中国語を話さず、現地経験に乏しい。それは問題だろうか?」

 そう、それは最近、問題なのだろうか? それとも、ただ公式に中国を憎悪するのは、欧米では、政府や学界やマスコミで最高の職を得るの十分な資格なのだろうか?

 東京の大学で教えている、ヨーロッパ人知人の一人が、かつて私に(一種誇りを持って)欧米人(欧米人学者を含め)が中国で大歓迎されていた日々、彼は北京に一年滞在し、ある日、一つの質問をして、授業を始めたのを告白した。

「君たちは、君たちの当局者の一人が小児愛者だというのが分かっていますか?」

 私が衝撃を受けたのを見て、彼は説明した。

私はただ思いついたんだ。狙いは中国人学生を挑発し混乱させることだ。

 「一体誰の狙い?」私は思いめぐらした。一体誰がこのような発言に支払っていたのだろう? それは読者の想像力におまかせしよう。

 他方、北京に対する彼のグロテスクな攻撃に対し、ピーター・ナヴァロに一体誰が支払っているかは、実際極めて、しっかり文書化されている - アメリカ納税者だ。

* **

 ドナルド・トランプ大統領顧問で通商製造政策局局長ピーター・ケント・ナヴァロは、元々、大統領次席補佐官、ホワイトハウスの国家通商会議議長を勤めていた。

 確かに、全て非常に立派で高い地位だ。特に好事家にとっては。

 Covid-19と、その蔓延に対する、ヨーロッパとアメリカにおける衝撃的に無能な対応が、欧米とその新植民地で、経済全体を破壊し始めた後、トランプ政権が、2019年12月に北京で署名した貿易協定を尊重するのを辞めたがっているのが明白になった。

 イデオロギー的にトランプに近い二人、ピーター・ナヴァロとスティーブ・バノンが、中国に対して、極めてタカ派の外交、経済方針を要求し始めた。

 危機を緩和するのではなく、医療、経済分野での協力の代わりに、ナヴァロとバノンの二人は、公然と対立を要求している。

 ポリティコが2020年3月18日に報じた。

「ホワイトハウス貿易顧問ピーター・ナヴァロは、薬品成分や、マスクや手袋のような重要な消耗品に対する中国依存を減らす取り組みを率いてきた。

「我々が直面している問題は、公衆衛生の緊急事態の際には、常に人々は我々の極端な外国依存を認識するのだ」と彼は述べた。「そして問題が過ぎるや否や、彼らは即座に眠りに戻る。」

トランプ・ホワイトハウスの元首席戦略官で、中国の躍進による危険について長い間警告してきたスティーブ・バノンが、最初の貿易協定の結果として構築された善意は、今や無意味になったと述べた。北京の初期の行動が、問題を隠蔽し、外部からの支援に抵抗したと中国が非難された際、彼は、流行に「転嫁」していると非難した。

「今彼らはこれを、欧米、特にアメリカのせいにするためプロパガンダ攻撃をしており、それは更なる対決に至るだろう。紛争になるだろう」とバノンは述べた。

彼は対決は「情報戦争と経済戦争で」おそらくエスカレーションを伴うだろうと述べた。

 火花が飛び始めた。ワシントンは、何度か、論理と情報の両方を歪曲して中国を侮辱した。中国は反撃した。

 中国外務省広報官の趙立堅が、この記事を共有し、アメリカが病気の起源だったかどうかについて疑問を提起した。3月12日、趙は、世界の多くの専門家の結論に同調して、Twitterに投稿した。

「伝染病を武漢に持ちこんだのは米軍かもしれない。透明であれ! あなた方のデータを公開しなさい! アメリカは我々に説明する義務がある!」

 3月19日、CNBCは報じた。

「今週早々、中国についてのタカ派意見で知られているナヴァロが、外国製造業者に対する医薬品のアメリカ依存を減らすのを目指す政令をトランプに提示するとCNBCに語った。食品医薬品局医薬品評価センター局長ジャネット・ウッドコックの10月議会証言によれば、中国の13%を含め、アメリカに製薬成分を供給する製造業者の約72%が海外にある。」

 ドナルド・トランプ大統領やピーター・ナヴァロのようなネオコンが、世界中の至る所で生命を救い、健康を改善する、人類の利益のために不可欠な薬品を、決して製造しようするどころではないことが危険なのだ! 今月早々、トランプは、大手ドイツ製薬企業を、アメリカに移転し、Covid-19に対する治療法を発見し、もっぱらアメリカ国民のために医薬品を生産開始するよう説得しようとした。このような試みは、トランプの友好同盟国ドイツ政府にさえ嫌悪の情を起こさせるのに成功した。

 記録的短時間で、Covid-19に打ち勝った中国は、イタリアやセルビアやフィリピンを含め世界中の国々を、医者や医療スタッフや医療機器を含め、飛行機や鉄道で送って支援し助ている。中国は、本当の同情や、国際主義や、合理的な性格を示して、アジアや、ヨーロッパや他の至る所で、友人を得ている。

 つまり、ピーター・ナヴァロのような反中国戦士にとって、まさしく完全な大惨事、悪夢以下の何ものでもない。彼らの攻撃的言説、従って、激化している。

* **

 ピーター・ナヴァロは公然の反中国宣伝屋だ。彼の最も「有名な」もの、というより、むしろ「悪名高い」本は『米中もし戦わば――戦争の地政学』だ。本は「ドキュメンタリー」映画化もされた

 最も警鐘的な事実は非常に良くない著者で流行遅れの原理主義右翼エコノミストがドナルド・トランプのホワイトハウスで最高顧問として彼自身にポストを与えたということだ。

 彼の「創造的な」仕事は実際非常にまずいので、アメリカで最も主流の出版物さえそれについて何も良い評価をしていない。

 ここに『米中もし戦わば――戦争の地政学』の本と映画の批評がいくつかある。

 ニューヨーク・タイムズのニール・ゲンツリンガー

「憂慮すべき、人騒がせな」映画「豊富な扇動的言語や、おそまつな画像が、主張の効果を削いでいる。臆面もなく一方的で、解決策が足りない」

 ロサンゼルス・タイムズのサム・アダムス:

「ピーター・ナヴァロの扇動的宣伝ドキュメンタリーの核心にある重要な政治論議は、外国人嫌いヒステリーと味噌くそ一緒の見境がない誇張でかき消されている。」

 ロッテン・トマトは、12人の批評家の評価に基づいて、ドキュメンタリー映画に33%の評価を与えているが、実に見苦しい。

 過去百年で、最も重要な危機的時期の一つに、彼を「私のピーター」と呼ぶ大統領に助言し、アメリカで最も強力な地位にいる事実がなければ、知的群衆に加わろうというピーター・ナヴァロの試みは、とっくの昔に忘れられていたはずだ(彼の本と映画は数年遡る)。

 錯乱した、外国人嫌いのナヴァロは、ホワイトハウスでさえ多くの敵がいるが、彼は大統領自身を含め、何人か有力な同盟者もいるのだ。

* **

 2019年12月26日、ピーター・ナヴァロを分析すると決めたニューヨーク・タイムズの結論は、お世辞からは、実にほど遠いものになった:

「三年間、トランプの貿易戦士、70歳のナヴァロ氏は、貿易協定を破棄し、アメリカ労働者に一層有利に書き直すよう大統領を駆り立てた。これまで、閣僚や事業経験がほとんどない学者のナヴァロは、大統領のグローバリゼーション嫌いにつけこんで、中国が「我々から好き勝手に巻き上げている」という彼の意見を助長し、アメリカ貿易政策に関して巨大な影響を及ぼすのに成功した。

中国専門家は、警戒してナヴァロを見る傾向がある。彼は標準中国語を話せず、2018年にホワイトハウス随行団の一員として中国を訪問する前に、一度しか中国を訪問していない。10月に、ナヴァロが、何冊かの学術的でない本で、架空の情報源として、ロン・ヴァラの言葉を引用する創作をしていたことが表面化した際、一部の学者が冷笑した。彼の同僚さえ、中国への彼の攻撃的手法にいらだち、時にナヴァロの大統領への接近を阻止しようとした。」

 ナヴァロは極めて危険な連中のクラブの一員だ。このクラブには、スティーブ・バノン、ジョン・ボルトンやマイク・ポンペオのような連中がいる。

 彼らは憎悪やニセ情報や欧米帝国主義原理主義教義を広めている。しかも彼らは権力にひどく近い。一部の人々は言うだろう。彼らは実際、権力だ。

 中国は冷静さを維持しようとしている。中国は対立を求めていない。だが中国は見守っている。そして分析している。

 ナヴァロは平和を望まない。彼は調和を望まない。何世紀もの、ほぼ全ての欧米政治家同様、彼は勝利を欲している。何が何でも勝利だ。たとえ地球全体が滅茶苦茶になり、燃えたとしても。勝利と地球の支配だ。

 これは中国の考え方ではない。中国は不幸がない世界を、主人と奴隷がいない世界を築こうとしている。

 ピーター・ナヴァロのような連中の時代は、少なくとも理論的には、終わるべきだ。だが彼らは依然存在しており、彼らは危険だ。彼らはまさに人類の生存を脅かしている。

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者、調査ジャーナリスト。彼はVltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China’s Belt and Road Initiative: Connecting Countries Saving Millions of Livesを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/04/13/peter-navarro-a-man-who-smears-china-without-knowing-much-about-it/

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 紹介されている本、恥ずかしながら、かなり前に購入済み。開いてはみたが、全く読み進めず、放置したまま。読まずに捨てる。

 国営テレビは、当たり前のことは言わない。日本滅亡会議路線を推進するばかり。

 日刊ゲンダイDIGITAL

さながらバンザイ突撃 この政治家と専門家では収束不可能

厚労省天下りの巣窟…国立感染研は原子力村同様の感染症村

 一度も買ったことがない雑誌えらい状態。日本滅亡会議。信じる者は誰も 皆救われん?

 LITERA

コロナ感染拡大も安倍応援団の“極右”は別世界! Hanadaは「安倍総理の決断が感染爆発止めた」、WiLLと日本会議は「今こそ憲法改正」

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