アメリカは常にCovid-19のけもの国家として記憶されることになるだろう
Wayne Madsen
2020年4月14日
Strategic Culture Foundation
トランプ政権の、反科学的で陰謀論志向の極右政策が、1918年のインフルエンザ災難以来の世界に衝撃を与える最悪の世界的流行で、直接何万人ものアメリカ人や外国人の不必要な死を招いた。あらゆるファシスト専制君主と同様、トランプは権力基盤を維持するための身代わりが必要だが、彼はその多くを見いだしている。
ほぼ一ダースのアメリカ州知事や、二人の前アメリカ大統領や民主党を身代わりにするのに加えて、トランプは、世界保健機関WHOへのアメリカ拠出を停止すると脅しさえして、Covid-19世界的流行対して、世界保健機構のせいにするのが適切だと考えたのだ。
トランプのWHOに対する攻撃は、実際驚くことではない。WHO事務局長テドロス・アダノム・ゲブレイェソス博士はトランプがアフリカの国々に対する見境ない言及で「便屋外便所の国」に含めた国エチオピア出身だ。トランプは、不正確に「中国第一だ」と言ってWHOを非難した。テドロス博士は「もしあなたが、より多くの遺体袋を望まないなら」アメリカはCovid-19を政治化するのを避けるべきだと強調してトランプの批判に反論した。
究極的には、自分の失敗を人のせいにする、よく知られたトランプのファシスト戦術が、WHOと中国に対する彼の攻撃の背後にある。だがトランプの外国人嫌いと人種差別が、攻撃の唯一の理由ではない。トランプは、中国の強い反対にもかかわらず、台湾のWHO加盟を支持し、反中国で、トランプ・ホワイトハウスから好意的扱いを受けている法輪功と、その代弁広報「大紀元(エポック・タイムズ)」を含め、WHO事務局長がエチオピアの黒人男性であることに反対の白人優越主義集団や、いくつかの右翼組織機のプロパガンダをおうむ返しにしているのだ。トランプにとって、いらだたしいのは、Covid-19を「中国ウイルス」あるいは「武漢ウイルス」と呼んでも助けにはならないという、ワシントンに対するテドロス博士の忠告だった。トランプと彼の支持者が、ウイルスを中国のせいにし始めた後、反アジア人種偏見攻撃が世界中で報告されている。
その活動の多くをWHOや世界中の類似の国家機関と協調しているパンデミックや疫病に対する監視と対応のためのアメリカ政府インフラの維持継続をせず、トランプ政権は人間や動物や植物の病気発生を監視する政府の能力を野蛮に削減し見捨てた。これらだ。
2019年、何千万人もの人々が死亡しかねない世界的流行を予測する、WHOと世界銀行が設立した組織、世界健康危機モニタリング委員会(Global Preparedness Monitoring Board)による最初の年次報告書調査結果を、トランプは無視した。前年、トランプ・ホワイトハウスは、国家安全保障会議のGlobal Health Security and Biothreats(世界的な医療安全保障・バイオ脅威?)理事会を廃止した。理事会の「重大被害を引き起こす新規感染症の脅威や生物学的事件に対する早期対応戦略」は投げ捨てられ無視された。世界的流行に対する国内防衛を担当する国土安全保障省スタッフは解雇されたり、配転されたりした。在北京アメリカ大使館に赴任していた、疾病対策センターの中国側パートナーとの協力責任者である医師は、後任が決まらないまま、アメリカに呼び戻された。トランプは約60の他の外国研究所と企画した類似の活動と同様、米中パンデミック研究警戒計画に資金供給していた国務省のPREDICT計画も終了させた。
中国武漢における最初のCovid-19発生数週間前に公表された2019年11月の国防諜報局(DIA)一部門の医療諜報情報センター(NCMI)報告は、中国でのCovid-19の影響に関する早期警告だった。NCMIは、国防情報局による中国政府幹部の携帯電話や、電子メールや、暗号化された通信傍受が利用可能だ。依然機密の報告書で、NCMIは武漢ウイルス発生はアジア太平洋地域のアメリカ軍への脅威となる激変をもたらす出来事になり得ると警告した。アメリカ第七艦隊に配備されている航空母艦セオドア・ルーズベルトとロナルド・レーガンを含め、アメリカ海軍に対するCovid-19の影響がNCMI11月報告の正しさを証明した。
トランプは、NCMI、WHOと、彼自身のホワイトハウス国家通商会議委員長ピーター・ナヴァロの報告を無視した。一月末迄に、トランプは、Covid-19の脅威は民主党対立候補が作り出した「ペテン」だと考えていたが、機密扱いの大統領日次報告や、国家安全保障会議へのナヴァロ・メモで、世界がパンデミック大惨事の危機に瀕していることをトランプは十分警告されていたのだ。トランプは、春に気候がより暖かくなれば、ウイルスは姿を消すと主張さえして、状況を無視し続けた。2月23日、ナヴァロは、国家安全保障担当大統領補佐官、ミックミック・マルバニー大統領首席補佐官代行と、マイク・ペンス副大統領が議長を務めるCovid-19特別委員会経由で、トランプに下記メモを送っていた。
大統領のためのメモ
NSA、首席補佐官、Covid-19特別委員会経由
約一億人のアメリカ人に感染し、約100-200万人の生命が失われかねない本格的なCovid-19世界的流行の可能性が増大している。
トランプ政権の特定極右分子、特にマイク・ポンペオ国務長官が「政権転覆」を起こすためにCovid-19を兵器化する方法を考え始めている。イランやベネズエラやキューバに対する制裁が強化された。ポンペオと、スティーブ・ムニューシン財務長官を含む彼のお仲間は、イラン政府と国民に対する医療、金融支援供与を拒否するため、Covid-19のイランに対する深刻な影響につけこんだ。テヘランに対する圧力を強化するために世界的流行を利用したカルト・テロ組織ムジャヒディン・ハルク(MEK)の影響力は、トランプ・ホワイトハウスの中で強い。加えて、フロリダの右翼共和党上院議員マルコ・ルビオとリック・スコットは、キューバとベネズエラに対する政治的圧力を強化するため、南フロリダの裕福なキューバ人やベネズエラ人国外居住者と画策するのに世界的流行を利用した。
トランプ司法長官でマフィア組長のウィリアム・バーは、ジョージ・H・W・ブッシュが彼を排除したいと思った際、パナマ最高司令官マニュエル・ノリエガに対して、バーが使った同じを手口で、世界的流行につけこんで、ニコラス・マドゥロ大統領や彼の政権幹部を、麻薬密輸というインチキ罪状で起訴した。
身の毛がよだつようなトランプの義理の息子ジャレッド・クシュナーが采配を振るうトランプ・ホワイトハウスは、他の国々が注文した、人工呼吸器、医療器具や医薬品の流れをクシュナーが支配する備蓄へと向けるむけるために、海賊行為や盗みや、ゆすりを含め、あらゆる種類の方法を使い始めた。トランプとクシュナーのマフィアのような画策の被害者には、カナダ、フランス、ドイツ、バルバドス、ブラジルやケーマン諸島がいる。
アメリカがのけもの国家となる一方、他の国々は支援国になっている。イランは他の国々に、Covid-19の医学的専門知識を共有すると申し出た。中国とロシアは、Covid-19の強い打撃を受けたイタリアに、医療用品と人員を提供した。中国は医療用品を、フランスとセルビアに送った。イタリアを供給で支援している国々は、オーストリア、フランスとドイツだ。外国で働くキューバ人医師を追放するトランプ政権による圧力に対し、各国は次々とワシントンに逆らって、イタリア、アンドラ、カタール、バルバドス、モンテセラト、ベリーズ、アンティグア・バーブータ、ジャマイカ、スリナム、ドミニカ、セントヴィンセント・グレナディーン、グレナダ、セントルシア、セントクリストファーネヴィス、アンゴラ、ポルトガル、メキシコ、ベネズエラ、ニカラグアと英領バージン諸島が、キューバの医師団を歓迎している。
ポンペオの豚のような悲鳴をはねつけて、アンドラ外務大臣マリア・ウバフは「私はアメリカの立場はわかるが、我々は主権国家で、協力するパートナーを選ぶことができる」と述べた。イギリス人乗客を本国送還するため、クルーザー客船「ブレーマー」のキューバ入港を許可したことに対し、イギリスがキューバに公式に感謝した後、ポンペオと彼のカウボーイ・チームは更に立腹した。船でCovidのような徴候が発生した後、入港して、乗客を降ろすのを、他のカリブ諸国が拒否した後、キューバがこの対応をしていた。
Covid-19災難が過ぎ、世界が死者の処置をほぼ終えた後に、世界的流行を無視し、自身の利己的関心のために、利用した人々に釈明を求める時期が来るだろう。指さしての非難ということになれば、トランプは、当然、非難される行列の先頭だろう。
Wayne Madsenは、調査ジャーナリスト、著者、シンジケート・コラムニスト。Society of Professional Journalists(SPJ)とナショナル・プレスクラブ会員。
個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。
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日本も、宗主国と同じ蔑称で呼ばれる可能性が極めて高い。間違った戦略で、今の大流行を招いた政府、都、それに助言しているという忖度専門家医師連中の全員とりかえじ必要だろう。まるで、敗戦した日本軍軍司令部が原爆投下を待っているようなもの?
PCR検査を抑えてきた本人が、今になって、死者40万人などと言い出す無責任。
ノーベル賞本蔗佑京都大学名誉教授がPCR検査を一日一万件に増やすよう提案しておられる。
1968年に見た岡本喜八の映画『肉弾』、大昔ゆえ、詳細はほとんど忘れているが、寺田農や大谷直子の生き生きした演技以上に、頭師佳孝が唱える“日本良い国、清い国 世界にひとつの神の国”“日本良い国、強い国 世界に輝く偉い国”を強烈に覚えている。森友学園で幼稚園生が教育勅語を暗唱した画面で思い出したのは、あの映画。
“日本酷国、穢れ国 世界に一つの阿呆の国”“日本悪国、弱い国 世界から隠れる羞恥国”と言う事実、属国国民とて、言いたくはないのだ。残念ながら事実。事実を認めた上でしか、人も企業も国も前進できない。
日刊IWJガイドに、興味深いインタビューの案内がある。
「『緊急事態宣言』で感染者は減らない!自粛・補償・感染モニタリングが継続可能な医療・社会体制を構築・維持せよ!」本日午後6時半より、新型コロナウイルス問題に医師・弁護士・元知事の視点から鋭い発言を続けている前新潟県知事・医学博士・弁護士米山隆一氏に岩上安身がインタビュー
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