安全保障のための石油利益:サウジアラビアを強要するアメリカ
2020年4月17日
Tony Cartalucci
New Eastern Outlook
アメリカ議会で回覧されている法案はサウジアラビアから軍事支援打ち切りを恫喝。
これは、サウジアラビアが、依然人前で斬首している絶対独裁制だからではない。サウジアラビアが、アルカイダや、そのシリア支部、以前、アル=ヌスラ戦線、イラクとシリアのイスラム国(ISIS)として知られていたタハリール・アル・シャムを含め地球上最悪のテロ組織の一部を武装させ、資金供給しているからではない。
隣接するイエメンで、サウジアラビアが長年戦争犯罪を行っているためでもない。
これらは全て、アメリカが実際助け、けしかけた、近代サウジアラビアの一部だ。
そうではなく、アメリカ議員連中はサウジアラビア石油で市場を溢れさせ、エネルギー価格を下げることに対し、サウジアラビアからアメリカ軍事支援を撤回すると脅しているのだ。
「法案はアメリカ兵士をサウジアラビアから30日で撤退させるだろう」という記事でロイターは報じている。
木曜日、アメリカ共和党上院議員が、アメリカ兵をサウジアラビアから撤退させて、国内エネルギー企業を傷つけている原油価格下落を逆転させるため石油の蛇口を締めるよう王国に対する圧力を加える法案を提出した。
サウジアラビアから軍事支援を引き上げるという恫喝は、サウジアラビア政権に対するアメリカ軍事支援を正当化しようとしている長年のプロパガンダに悪影響を及ぼす。
アメリカ国務省ウェブサイトの「サウジアラビアとアメリカの関係」という題名の項によれば、アメリカはサウジアラビアを下記の理由で支援している(強調は筆者)。
アメリカとサウジアラビアは安定性、中東湾岸地域の安全と繁栄を維持し、広範囲な地域と地球規模の問題に関し、しっかり相談するのに共通の関心を持っている。サウジアラビアは平和で繁栄する地域の未来に向けて取り組む上で重要な役割を果たしており、安全保障や対テロの取り組みでの軍事、外交、財政協力の強力なパートナーだ。サウジアラビア軍は両国の国家安全保障の利益を守るため、アメリカ軍と法執行組織と密接に協力する。
もし、アメリカ国務省がアメリカ-サウジアラビア関係について言っていることが本当なら、特にアメリカ国内のシェール石油産業の利益のような些細なことより先に、「中東湾岸地域の安定性、安全と繁栄を維持する」ことが何より第一でなくてはならない。
もちろん、これまで、アメリカ国務省が示すことの僅かしか本当ではない。サウジアラビアとアメリカの結びつきは、ペルシャ湾岸地域と同様、より広範な中東にとっても、北アフリカと中央アジアまでさえ、安定性、安全と繁栄の、まさに逆を推進するのに役立った。両国は、国を不安定にし、破壊する上で、主導的役割を果たし、過激主義、分離主義とテロリズムに拍車をかけ、直接の軍事攻撃さえしている。
アメリカ-サウジアラビアの、いかがわしい結びつきと、それを特徴づける金と権力の本当の狙いの本質ゆえ、この二つの「同盟国」がお互いに対し、機会あらば、地政学的、経済的短剣を引き抜いても、ほとんど驚くべきことではない。
サウジアラビアから軍事支援を打ち切ると脅しているアメリカは、リヤドがイラン、シリア、イエメンやそれ以外に対し、ワシントンのために行っている多くの代理戦争でリヤドを特に脆弱にするだろう。もちろん、究極の敗者はワシントン自身であり、アメリカ支配下から益々抜け出しつつある、この地域で、更に孤立するだろう。
アメリカは自身、様々な、いかがわしい商売種に優先順位を付けようとしているのだ。国内のシェールガス産業対、国外でのいかがわしい防衛商売、対、儲かる果てしない戦争、対、地球中での、従順な属国体制の維持・管理。
だが、恫喝が空虚か否かにかかわらず、サウジアラビアを恫喝することで、ワシントンは世界に対し、再度、もっぱら既得権益集団に役立つ国際秩序を維持していることを明らかにしているのだ。自分の利益だけ追求するアメリカの狙いを推進する益々薄くなる隠れ蓑として「中東湾岸地域の安定性、安全と繁栄を維持する」のような陳腐な決まり文句を使って。
サウジアラビアは、実に多大な罪にもかかわらず、現実主義者見地から、地域と世界の中での経済的、政治的、外交的、軍事的提携の大規模修正について真剣に考え始めなくてはならない。多極主義が進むにつれ、リヤドが属する、ワシントンに従属する、疲弊した単極秩序は衰え続けており、アメリカの「同盟国」である代償と共に、リヤドが直面する脅威は増大するだろう。
とは言え、ワシントンがリヤドに圧力を加えるにつれ、サウジアラビアとの結びつきを改善し、拡大することを期待しているロシアや中国のような国々の機会の窓を開け、国際舞台で、サウジアラビアを一層建設的な役割に導くだろう。
それは、サウジアラビアの敵と認知されているイランのような国の機会の窓も開けるが、もはやアメリカの権益に奉仕せず、その代わりに、そこに実際に位置している他の国々と共に地域の「安定性、安全と繁栄」を本当に求めるサウジアラビアから、一体誰が大いに利益を得るだろう。大洋や大陸を遥か離れた国ではない。
Tony Cartalucciは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/04/17/oil-profits-for-protection-us-extorts-saudi-arabia/
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マスク、ドラッグストアでは全く買えないので、藍染マスクを購入して使っている。問題のマスク、欲しい方がいれば寄付したい。決して使わない。揶揄したマスクの方が、はるかに高品質。あくまで下劣な森羅万象。
日刊ゲンダイDIGITAL
『隠されたパンデミック』に続いて、『H5N1 強毒性新型インフルエンザウイルス日本上陸のシナリオ』を読み終えた。いずれも岡田晴恵教授の著書。前者の初版は2009年、後者の初版は2007年。小説の文庫本は3月20日第二版。厚労省の遅い行動も、しっかり予想されているが、現状は、それ以上。個人的には「対策が遅い」のではなく、積極的に「蔓延を推進している」と思うのだが、関係者としては、全て分かっていても、そうは書けなかったろう。共著の岩波新書『感染症とたたかう -インフルエンザとSARS』2003年刊も二週間ほど前に拝読。残念ながら岩波新書は絶版のようだ。『新型インフルエンザの学校対策 ―H5N1型ウイルスから子どもたちを守る基礎知識と指導資料』も拝読し、お子さんのいる方にさしあげた。5/8に、岩波ブックレットで『どうする!?新型コロナ』が発売される。これから予約する。
隠蔽エンジン元締めの「ニュース」と称するもの、美容整形外科医や、実業家や、ネオリベ・ネオコン元政治家の凡庸な発言を、なぜか「ニュース」扱いして、あきれるくらい頻繁に掲載する。見ない日の方が少ないのでは?そうした記事、自民や異神を補佐する狙いだと思っている。関西の府知事や市長も頻繁に登場する。植草氏が指摘しておられる通りだろう。植草氏や孫崎氏発言を載せるなら、隠蔽組織ではないと思えるが、それは永久にありえない。
植草一秀の『知られざる真実』
上昌広医師も、大本営広報部と真っ向から対立するご意見。今日もインタビューを拝聴する。
日刊IWJガイド「本日午後6時、岩上安身の上昌広医師インタビュー!! 感染症2学会『軽症はPCR 検査推奨せず』にWHO上級顧問・渋谷健司医師反論!」2020.4.21日号 ~No.2777号
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