リバタリアン・リーダー連中:政府の致命的な無能と犯罪の処方箋
Wayne Madsen
2020年4月7日
Strategic Culture Foundation
アメリカやブラジルやイギリスやオーストラリアに至るまで、右翼の反政府的リバタリアン・リーダーを選んだ世界中の国々は、無能さとCovid-19世界的流行に対する準備の欠如が、直接、何十万人もの不必要な死を招くだろう。「残虐な自由放任主義」政策を実践するリーダーの政治的言説は、思慮のない支持者を惹きつけるように作られた、見下げはてた子供だましであることが、Covid-19によって暴露されたのだ。
ドナルド・トランプの陰謀理論を信じやすい嗜好と露骨な外国人嫌いや人種差別が、Cobid-19発生を「中国」問題にして、彼の判断を曇らせてしまった。トランプや世界中の彼の右翼仲間は、外出禁止命令や検疫隔離や、社会で距離を置く必要性に反対している。
国際協力と科学に対するトランプの軽蔑は、彼の「アメリカ・ファースト」教義と相まって、中国の武漢で始まった不測の伝染病を、極めて命取りの破壊的な世界的流行に変わらせた、いくつかの要因となった。世界的流行と戦うために、過去の政権が始めたいくつかの部門や計画を放棄する上で、トランプ政権は犯罪的なほど怠慢だった。これらの中には下記のものがある。国家安全保障会議のDirectorate for Global Health Security and Biodefense; 国土安全保障省の下部組織で、2006年 National Strategy for Pandemic Implementation Planに従って、モデリングを行ったNational Infrastructure Simulation and Analysis Center (NISAC); 発生した都市、武漢の、そもそもSARS CoV-2、新たなCovid-19や、1,200の他のウイルスを特定した研究所を含め、60の世界的な研究所と協力していた連邦政府のPREDICTプログラム。
Covid-19規模の世界的流行が、オルメック族やマヤ族やアステカ族やビザンチン帝国やアテネ覇権などの文明社会全体の絶滅や没落に貢献したと多くの人々が信じている。
古代神話の「獣悪魔」のように、トランプやブラジルのヤイル・ボルソナーロ大統領や、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領や、ある程度まで、イギリスのボリス・ジョンソン首相は、Covid-19を、反民主主義的な権力略奪の機会として利用し、州や地域が自身の公衆衛生の要求項目を設定する権限を侵害し、独立報道機関に対する正面襲撃を実行する機会として使っている。トランプの場合、彼と、ユーラシアのユダヤ人暴力団とつながる義理の息子ジャレッド・クシュナーによる、トランプ支持派のアメリカ州知事やイスラエルに配るため、重要な医療機器や物資の市場買い占めを意図した露骨な指令があった。
類似の命令下で行動して、イスラエルのモサドとアメリカ中央情報局は、人工呼吸器やウイルス検査キットや個人保護装置を入手するため、盗みや海賊行為を含めて、あらゆる手段で、世界を捜し回り始めている。「ハーレツ」は、モサドの技術部門の長、「H」という文字だけで特定された人物が、モサドがいかに「盗みをはたらいたが、少しだけだ。」と言って、外国からイスラエルの人工呼吸器の一部を得たかに自慢したと報じた。
ワシントン・ポストは、人工呼吸器が既に不足していた北アメリカから、イスラエルが入手したと報じた。ポスト報道公表後、クシュナーが、ホワイトハウス記者会見で、アメリカによる戦略上重要な人工呼吸器備蓄は「我々のもの」、つまりトランプ政権のものであり、国が使用するためではないことを意味すると世界に発表した。刑事上起訴されているイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が、外国の人工呼吸器を、競争入札と徹底的な盗みによって入手するよう命じたモサドの作戦は、ネタニヤフはクシュナー家長年の個人的友人なのだから、なおさら注目すべきだ。
トランプとボルソナーロは、三月中旬、二人がトランプのコロナウイルス・ホット・ゾーンであるフロリダ州パームビーチ、マー・ア・ラゴでのサミットで会合し、フロリダとブラジル両方でのCovid-19蔓延に責任がある。サミットと社交的会合は、ボルソナーロ随行団メンバーとマイアミ共和党市長の感染をもたらした。ボルソナーロは、Covid-19を「風邪」以上の何ものでもないとしての拒絶は、アメリカで、トランプ支持のメディアが出すプロパガンダと一致している。ボルソナーロ、トランプ両者とも、通常のインフルエンザの方が、Covid-19より多くの人々を死なせたと強く主張している。以前、トランプはCovid-19を、民主党による「ペテン」と呼んでいた。トランプ発言を撤回するホワイトハウスのメディア担当による試みは、ほとんど無視された。
ウイルスがブラジル全体に広がるにつれ、ボルソナーロの異様さに、州知事や保健相や、なによりも重要なことに、ブラジル軍も、うんざりしている。トランプが、ミシガン州やワシントン州や他の州の民主党知事に対する個人的侮辱をしているのと全く同様、ボルソナーロは、外出禁止令と検疫隔離法案を制定したという理由で、サンパウロのジョアン・ドリア知事とリオデジャネイロのウィルソン・ヴィツェル知事を非難し始めた。多数のアメリカ人が、トランプに反対の知事や市長を支持したのと全く同様、ブラジル国民は、ボルソナーロに反対し、知事を支持している。
社会で距離を置くことや、素早い治療推進の必要性をあざ笑って、ボルソナーロが、ルイス・エンリケ・マンデッタ保健相に反論した後、FacebookとInstagramは、大衆に有害だとして、ブラジル大統領の投稿を削除した。ブラジル中の都市で、腹を立てた市民が、鍋やフライパンをバルコニーに持って出て叩いて鳴らし「ボルソナーロ辞めろ!」と叫んでいる。ブラジル議会では、ボルソナーロ弾劾という野党の呼びかけがある。パウロ・グエデス財務相は、ウイルスがおさまる前に、ブラジル人を仕事に戻したいというボルソナーロの願望に反論した。
トランプが、検疫隔離と外出禁止命令は、病気より悪い「治療法」であってはいけないとTwitterに投稿した後、ボルソナーロは「猿真似し」「コロナウイルスと戦う法案の副作用は病気自身よりひどくてはならない。」と宣言しトランプをおうむ返しした。
ボルソナーロが政治的苦境にある中、トランプはCovid-19治療の試験がされていない抗マラリア薬ヒドロキシクロロキン使用を宣伝し始めた。ボルソナーロもTweetで同じ薬の使用を称揚して口をはさんだ。ツイッターが削除したのはボルソナーロのTweet投稿だった。
アルゼンチンのマスコミは、ブラジル大統領府文官庁長官ウォルター・ブラガ・ネット陸軍大将が、実際「暫定大統領」としてボルソナーロにとって代わっていると報じ始めた。Covid-19やブラジルの他の重要な問題に関する全ての大統領決定をしていたのは、ボルソナーロではなく、ネット大将だったと、ブラジル軍参謀総長が、アルゼンチン参謀総長に知らせたという報道があった。
ボルソナーロとトランプが、お互いの方針と言説と一致させることを好んでいるので、ボルソナーロをを脇に追いやる上でのブラジル軍介入は、トランプが原子力空母セオドア・ルーズベルト艦長ブレット・クロジェ海軍大佐の解任を命令した後、特にトランプへの厳しい警告になっている。艦長は、空母の4000人以上の乗組員が、Covid-19発生で危険になっていると、指揮命令系統を通して怒りのメールを送っていた。クロジェ艦長は、空母の乗組員や、テオドア・ルーズベルト大統領のひ孫や、民主党大統領候補になると思われるジョー・バイデンを含め軍や政治支配層内に多数の支持者がいる。ネット大将や、アメリカ軍の怒りが、ボルソナーロやトランプのような情報不足で無知なリバタリアン「獣男」のこっけいな行動には明白な限界があるという厳しい警鐘だ。
ドゥテルテやジョンソンのような他の「獣男」も、コロナウイルスを連中の芝居じみた政治的言動に利用した。ドゥテルテは、外出禁止令やソーシャル・ディスタンスを守らない誰でも「撃ち殺せ」と、フィリピン治安部隊に命じた。特にイギリスの貴重な国民医療サービスNHSを不必要な官僚制だと非難した何年も後に、ジョンソン・ブレグジット「しか能のない男」は、Covid-19に十分対処する能力がないことがばれた。ウイルスに関するジョンソンの無知と、イギリス人が「集団免疫」を得る好機にしようという上級顧問ドミニク・カミングスのばかばかしい助言を信頼したことで、当初ウイルスがイギリスを風靡し、その後、死者と生存者を数えるようになり、ジョンソンのみならず、妊娠中の婚約者キャリー・サイモンズや、チャールズ皇太子や、カミングスのCovid-19感染を招いた。オーストラリアの福音主義信者スコット・モリソン首相は、おそらく科学調査研究より、自慢の宗教の一節を信じて、Covid-19と戦う断固とした行動をとる反応が遅かった。モリソン右翼政権の批判者は、オーストラリアでは、トイレットペーパーだけでなく、正直や真実や透明度も不足していると指摘した。
科学や公衆衛生や常識の拒否、政治的点数稼ぎや、個人的権力を増やすための世界的流行の利用には、代償があるという事実を、トランプやボルソナーロやジョンソンや世界中の同意見の政治的愚者連中は、まだわかり始めているように思えない。
Wayne Madsenは、調査ジャーナリスト、著者、シンジケート・コラムニスト。Society of Professional Journalists(SPJ)とナショナル・プレスクラブ会員。
個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。
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浪曲「石松三十石船道中」を思い出す記事。肝心な名前が出てこない。
「街道一の親分は、一体誰でございましょう」
おぅ飲みねぇ、おぅ鮨食いねぇ
「清水一家で一番強いのは」
「ニワトリは三歩歩くと忘れる」という言葉がある。人は半月で忘れるのだろうか。
植草一秀の『知られざる真実』
日刊ゲンダイDIGITAL
LITERA
外務省が日本のコロナ政策への批判チェックに24億円! 厚労省でも同様の予算…国民の生活補償より情報操作に金かける安倍政権
いくら隠蔽しても、コロナは忖度しない。その結果...
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