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2020年4月19日 (日)

イタリアのアマゾン労働者がコロナウイルス隠蔽に反対してストライキ

諸国政府が時期尚早な経済再開を推進する中、労働者レジスタンスが国際的に増大
シャノン・ジョーンズ
2020年4月18日
WSWS

 Covid-19流行が荒れ狂い続ける中、トランプ政権やヨーロッパ中の諸政府の経済再開を時期尚早に執拗に推進する取り組みに対して労働者階級の抵抗が増大している。

 ホワイトハウスの事業再開「指針」は、いかなる客観的な科学的評価にも基づいていない。彼らはアメリカだけでも30,000人以上の死者で、コロナウイルス関連死亡が四月初めから増加しているという事実を無視しているのだ。ヨーロッパ最多のCovid-19死者数の国々イタリアとスペインの政府も、事業再開を推進している。

 これらの無謀な計画は、彼ら自身と愛する家族の健康と安全を守る決意が固い労働者と対立する。これまで数日にわたり、雇用者による基本的安全対策の欠如に対して、ストライキと抗議が北アメリカとヨーロッパで起きた。

2020年4月6日、UPSの運転手が、ニューヨークで[信じろ:AP写真/マークLennihan]コロナウイルス流行の中、ブルックリン通りで2人の歩行者を超えてたくさんの箱を運ぶ

 イタリアのトリノ郊外、トッラッツァ・ピエモンテ商品発送センターのアマゾン労働者が、経営陣によるCovid-19感染の隠蔽に対してストライキをした。施設は2018年に開設し、約1,200人の労働者を雇用している。

 経営者が、施設で四件のコロナウイルスの症例があったことを確認したが、他の詳細提供を拒否した。それは商品発送センターで、二度目のストライキだ。組合は、異なる商品発送センターでの動きを調整するのを拒否して、イタリアのアマゾン労働者による抗議を沈静させようと努めた。

 アメリカで、健康と安全の慣行に反対意見を述べたアマゾン倉庫労働者解雇を含め、アマゾンの政策に抗議するため、アマゾン従業員グループが、4月24日の「オンライン・ストライキ」を呼びかけている。気候正義(climate justice)集団のアマゾン従業員は労働者が一日休暇をとるよう呼びかけた。アマゾンはグループの指導者二人を解雇した。

 木曜日、アマゾン株が史上最高に達し、年度累計の収益が約26パーセントとなり、億万長者CEOジェフ・ベゾスを更に裕福にした。アマゾンの時価総額は今や天文学的な1.22兆ドルを超える。

 ニュージャージーのアマゾン労働者スティーブンが、ワールド・ソーシャリスト・ウェブサイトに、こう述べた。「どれだけ時期尚早か、労働者階級を危険に押しやっているかかわらず、我々全員「正常に」戻すよう、彼のロビイストや、お仲間の株主たちが駆り立てているので、トランプは今あくせくしているのです。またもや、全てウォール街のためです。労働者はこれを理解し、政治家連中を信じるのに抵抗しなければなりません。彼らは労働者階級ではなく、民間部門のエリートの代表です。

 「彼らは、毎日のように、人々を搾取している航空会社向けには、たっぷり金があるのに、国営皆保険には十分ないのです。このウイルスはその全てを曝しています! 犯罪的です!」

 ケンタッキー州ルイビルのフォード・トラック工場労働者が言った「世論は変わりつつあります。私はその傾向が続くよう願っています。体制が、彼ら「納税者」に奉仕するよう構築されていないのを人々は理解しています。労働者が、彼らが働いている大企業の目から見て、自分たちが、本当はどういう立場にあるのか気が付いています。

 「アメリカで当たり前になっている不平等に、Covid-19が光をあてました。人々は互いに戦わせられて、自分たちには、力がないのだと感じています。」

 コロナウイルス流行は、最初アメリカとヨーロッパで最も激しく起きたが、感染と死は中南米にも広がっている。今週アメリカ-メキシコ国境の南側で操業しているアメリカ企業で、Covid-19蔓延への対策欠如に対して、労働者のストライキがあった。

 今週、北メキシコのマキラドーラ工場で、半ダース以上の労働者が死亡し、メキシコでの死者数を増加した。

 木曜日、メキシコのシウダド・フアレスにあるハネウェル工場の何百人もの労働者が、必須ではない製造を禁止する連邦指針に明記されている通り、工場閉鎖を要求して、抗議行動を繰り広げた。労働者は閉鎖中、全額の給料を要求している。今週、工場の労働者の一人がCovid-19で死亡した。

 「我々は会社には隔離を尊重して欲しい」とハネウェル労働者マリオ・セザール・ゴンザレスがニューヨーク・タイムズに述べた。彼は工場は火災報知機を製造していると述べた。「管理職は我々は不可欠な労働者だと言うが私は火災報知機が必須とは思わない。」

 シウダド・フアレスの医療保健当局は、この都市で、20人、マキラドーラ工場で、12人をCovid-19死者を確認した。地元の公衆衛生担当官が「爆発的発生」の可能性を警告した。報道によれば、シウダド・フアレスの300以上あるマキラドーラ工場の約半数が、まだ操業している。メキシコは解雇された労働者に金銭的支援をしていない。

 シウダド・フアレスがあるメキシコ・チワワ州の当局者が、リア社のマキラドーラの労働者が、コロナウイルス検査で陽性となった後、11人が亡くなったと述べた。リア社は、現在閉鎖されている工場の「数人の」労働者が呼吸器疾患で死んだことのみ確認した。

 ティファナでは、二人の同僚の死後、技術会社ポリーの労働者が今週抗議行動した。

 コロナウイルス流行発生は、資本主義の破綻のみならず、公式組合の反動的な、腐敗した本質も暴露した。労働者の健康と安全保護のために広がる戦いの圧倒的多数は、企業寄り労働組合とは独自に、反対して起きている。組合が関与したまれな場合には、組合気役割は、戦いを制限し、孤立させるものだ。

 ウェブサイトPaydayreport.comの報告は、三月初旬の流行勃発から、アメリカ労働者による100以上の山猫ストと抗議行動を追跡した。職場放棄は、医療から食品加工、自動車製造、ロジスティクスや食料雑貨店まで、労働者の広い部門で行われている。

 今週、更に多くの職場放棄があった。バージニア州ノーフォークのBAEシステムズが運営する海軍造船所で、火曜と水曜に、約40人のゼネラル・ダイナミクス労働者が健康と安全状態に関して職場放棄した。BAE造船所の労働者で44歳のロバート・フェントレスは、コロナウイルス検査で陽性と判明した2日後の4月9日に亡くなった。

 行動の指導者である電気技師は、労働者の健康を守る提案に関し、経営陣は、どんな肯定的対応もしなかったと言った。「ええ、我々は皆さんを心配しています[と言いますが]、実際に何かするのに十分なほどの心配はないのです。」

 今週、アイオワ州ワーテルローで、タイソン・フレッシュ・ミーツ工場の何百人もの労働者が工場の状態に抗議するため病欠電話をした。彼らは経営者がCovid-19の症例を隠蔽し、従業員の安全を守り損ねたと言う。工場の労働者によれば、どんな犠牲を払っても生産を維持する決意が強い経営者は、感染を自覚している従業員の出社を許している。

 月曜日、カリフォルニア州ブローリーのワン・ワールド・ビーフ工場の多数の労働者が工場でのCovid-19蔓延を巡り、出社を拒否した。工場の少なくとも一人が、コロナウイルス検査で陽性になっている。

 状況に抗議するため、ホールフーズ労働者が、5月1日、全国的病欠ストを計画している。アマゾンが所有するスーパーチェーンで、Covid-19感染が増大し続けている全米のスーパー労働者は死に瀕している。従業員は「必須」とみなされているが、労働者は、会社は、安全性に対する懸念を、ほとんど取り上げようとせず、病気休暇を使うのを難しくしていると言う。流行の中、ホールフーズは記録的売り上げを享受している。

 今週、カリフォルニア州サンタモニカのプロビデンス・セントジョンズ医療センターで、標準的N95マスクを経営陣が給付し損ねていることに対し抗議をしたかどで、看護師10人が停職処分にされた。カリフォルニア州メルセドでも、マーシー医療センター・メルセドで働く看護士集団が適切な個人保護装置の欠如を巡り、水曜に抗議行動をした。

 木曜、ノース・ジャージーの豪華ビル五棟の「必須労働者」が、適切な健康と安全対策の欠如と低い給料を巡り、24時間ストライキをした。木曜、マンハッタンの二棟の豪奢アパートでは、病気休暇と安全装備に欠けると言って、ドアマンが職場放棄した。

 これらの戦いや、資本主義体制に反対のあらゆる形の労働者階級運動の統一は死活問題だ。これは右翼の企業寄り組合によっては実行されるまい。進むべき道を綿密に計画する上で、社会主義の綱領と見地に基づいた新しい指導体制が重要だ。

 全ての職場や工場で、労働者に民主的に管理され、生命と生活の糧を守るべく戦う、一般組合員の委員会を形成するようソーシャリスト・イクオリティー党は要求する。これら委員会は、必須でない生産の停止と、医療や食糧生産のような必須産業の労働者のために、全ての世界の健康水準に基づいた完全な保護を要求するべきだ。

 全ての労働者が給料全額と、仕事の保証を得るべきだ。流行を鎮めるための医療、検査、接触者追跡に対する大規模支出と、状態が安全になるまで事業開始をしないことが必要だ。

 著者は下記もお勧めする。(全て英文)

 トランプ政権の「事業再開」の動きは流行に油を注ぐ[2020年4月17日]

 アメリカ食肉加工施設の状態への労働者抗議で更なる工場一時閉鎖[2020年4月17日]

 アマゾンのジェフ・ベゾスはコロナウイルス流行で利益を得、240億ドル財産が増えた[2020年4月16日]

記事原文のurl:https://www.wsws.org/en/articles/2020/04/18/stri-a18.html

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 本を読みたいと思って、念のため、ネットで、大手書店を確認すると土日は閉店。書店のネット購入を確認してみると、土日には、それも受け付けず、跳ね返される。洗脳大本営国営放送を見ていろ、ということだろう。

 都市封鎖中の外国の知人から、状況伺いメールがきたので、英文のアベノマスク記事とアキレ夫人参拝記事を知らせておいた。返事が楽しみ。

 LITERA

安倍首相の「朝日も3300円で布マスク販売」反論はフェイク! 朝日販売マスクは泉大津市の公的事業で高性能、アベノマスクと雲泥の差

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