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2020年4月27日 (月)

例外主義者のたわごと

Moon of Alabama
2020年4月24日


 下図は1月27日、フォーブス記事に掲載された。アメリカ、続いてイギリスが、流行に対する準備が最も良くできている国であることを示している。


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 それ以降の暮らしが、その主張に疑いをさしはさんだ。アメリカとイギリスは、明らかに、大半の他の先進諸国より準備できていなかった。

 だがこのような妄想はアメリカ・マスコミには典型的だ。彼らは自国が最良で過去最大だと信じるようアメリカ国民を洗脳する絶えざる潜在意識プロパガンダの一環なのだ。

 今日ニューヨークタイムズは、関連する極端な自己妄想のたわご記事を掲載している。


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ベルリン - 患者に圧倒された病棟や長蛇の失業者列のアメリカ写真が世界じゅうに広まるにつれ、世界で最も金持ちで、最も強力な国を、大西洋のヨーロッパ側の人々は信じ難い気持ちで見ている。

「ニューヨーク市のこうした写真を見て、人々は言う」一体どうして、このようなことが起き得るのだろう? 一体どうしたこんなことがありえるのだろう" とベルリンに本拠を置く、公共政策を中心とする大学ハーティー・スクールの学長ヘンリク・エンダーラインは言った。「我々全員ぼう然としている。失業者の列を見ろ。2200万人だ」と彼は付け加えた。

「私は深刻な悲しみを感じる」とオックスフォード大学ヨーロッパ史教授で、長年の熱心な大西洋主義者のティモシー・ガートン・アッシュが述べた。
地球を覆い尽くしている流行は、ニューデリーからニューヨークに至るまで、命や生活の糧を奪う以上の影響を与えている。流行はアメリカ例外主義に関する基本的前提をぐらつかせている。第二次世界大戦後、アメリカの価値観と権力の影響力のおかげで、アメリカが、世界のリーダー、模範となって、何十年間も果たしてきた特殊な役割を。

 いや。世界はアメリカ指導力の弱体化を悲しんではいない。世界の大半の人々は「熱心な大西洋主義者」ではないからだ。

 彼らの基本的前提は、戦争商売と残虐性でだけ、アメリカが例外的だということだ。次から次の世論調査が、「世界中」が、アメリカを肯定的に見ていないことを示している。世界は逆に、アメリカを最大の脅威として見ているのだ。

  • 2017年のピュー調査によれば、38カ国の回答者の39%が、ロシアと中国の31%に比較して、アメリカの影響力と武力が彼らの国々に対する大きな脅威だと考えている。前回の2013年調査時の25%から上がっている。
  • 1月のギャラップ世論調査によれば、アメリカの国際指導力への支持は、世界的に30%に落ちた。それは中国(31%)より僅かに下で、ロシア(27%)より上だ。調査が行われた10年で最も低い評価で、去年のバラク・オバマの48%から下がっている。
  • 世界中のアメリカ好感度は、特にメキシコ、カナダやドイツのような主要同盟国の間で急激に落ちた。しかも、それはトランプ貿易戦争やイラン合意離脱前なのだ。

 NYT記事は、全員が、親米見解で知られるシンクタンクや大学の四人のヨーロッパ人白人男性と、アメリカ政府とアメリカ兵器製造企業から資金供給されているアメリカ・シンクタンク大西洋協議会で働く、アラブ系フランス人男性の言葉を引用している。一人のネオコン・アメリカ人の引用もある。

 NYT記者カトリン・ベンホールド(写真は下記)は、彼女らの意見が「世界」の代表だと思っているようだ。だがニュースがある。彼女らの意見はそうではないのだ。


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 この記事にある妄想とエセ歴史観は驚くほどだ

75年前の来月、ヨーロッパで、ファシズムをくじくのを助け、以後数十年、大陸で民主主義を擁護した国が、自国民を守る上では、多くの独裁国や民主主義国家より酷い仕事ぶりだ。

 編集者が、まとまりの悪い段落を削除してくれたのは、ベンホールドには、ありがたいことかも知れない。ツイッターで、彼女は、こう述べている。

- Katrin Bennhold @kbennhold 9:37 UTC 2020年4月23日

75年前、ファシズムから私の祖父母のヨーロッパを解放したアメリカは、これまで75年間世界のリーダーだった。今やアメリカは異なる方法で先導している。他のどこよりも多く、842,000人のアメリカ人がCovid-19と診断され、46,784人亡くなっている 2/6

 アメリカはヨーロッパをファシズムから解放してはいない。ソ連が解放したのだ。1942年から1945年、ソ連が東部戦線でドイツ国防軍を打倒したのだ。ノルマンディー上陸作戦や、1944年6月の占領下フランスへのアメリカ侵攻は、ソビエト社会主義共和国連邦が東で行っていた壮大なバグラチオン作戦と比べれば単なる気晴らしだったと言える。

 そして、アメリカは、朝鮮やベトナムやアフガニスタンやイラクや他の多数の国々に対する戦争を率いたではないか?

 大陸では、民主主義を擁護するどころか、ギリシャやイタリアや他の国々で過半数が余りに左翼の政党に賛成投票した際はいつも、アメリカは次々とクーデターをしかけた。ちなみに、一体誰が、フランコ下、スペインのファシスト独裁維持を手伝ったのだろう?

 そして、これだ。

特別な皮肉がある。いずれも啓蒙的戦後アメリカ指導部の産物であるドイツと韓国が、コロナウイルス危機における立派な最優良事例になったのだ。

 「戦後のアメリカ指導部」は、朝鮮人の20%を殺し、1987年まで、韓国で、ファシスト独裁を支持した。それはそれ以来朝鮮民主主義人民共和国と和平をしようとした、どの韓国リーダーにも反対した。一体そのどこに「啓蒙」があるだろう?

 アメリカ覇権「指導部」は終わっており、世界は、それで幸せだという、まっとうな理由があることを、無知で無学なたわ言の筆者に、誰かが言うべきなのだ。

アメリカ覇権擁護者の多くが「リベラルな国際秩序」は、アメリカ覇権に依存していると強く主張する。それは、これまで、ほとんど理にかなっていない。一つは、アメリカ覇権の継続的な維持は、国際秩序の規則と対立することが多いためだ。覇権国は、自分が適切と考える時はいつでも、どこであれ、他国の主権や法的権利を踏み潰して、干渉する権利があるのだ。実際アメリカは、非難している多くの国々に秩序を「もたらす」取り組みで、むしろ、ならず者を演じることが多いのだ。アメリカ覇権を最も声高に主張する擁護者は、予想通り少なくとも国際法が彼らの邪魔になる際は、最大の反対者の一員だ。

 アメリカの相対的下落は新しい進展ではない。外部の観察者たちには20年以上見えていた。だが、ハリウッドや主流マスコミや支配体制が過去20年間維持してきた妄想の一部が、とうとう、やっと今になって崩壊しているのだ。

 コロナ流行が引き起こす大恐慌の拡大で、益々多くのそうした妄想が目に見えるようになって、葬られるはずだ。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2020/04/exceptionalism.html#more

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 静岡補選で野党候補の田中健氏と同姓同名の候補を立て混乱させた国民からNHKを守る党、自民党別動隊そのもの。

 植民地に相応しく、ステイホームを叫ぶ「緑のコロナ」大変なタヌキであることが、下記の横田氏の話しでわかる。国も都も無策。PCR検査は増加せず、全て都民、国民に押しつける。違いはキャッチフレーズのうまさだけ。「墨東病院崩壊、都は何をしていたのか」

【横田一の現場直撃】No59 コロナ情報隠蔽続く東京|  山本代表は支援するか 静岡4区補選 20200423

 1984年に一世を風靡したコマーシャル「私はコレで会社をやめました」を、しきりに思い出している。
 マルマン株式会社の「禁煙パイポ」の宣伝で、男性が三人登場する。
 1人目は右手に禁煙パイポを持って言う。
 「私は、この禁煙パイポでタバコをやめました」
 2人目が続ける。
 「私も、このパイポでタバコをやめました」
 3人目は、パイポを持っていない。
 その代わりに、小指を立てて言う。
 「私は、コレで会社をやめました」

 マスクをさして「私はコレで〇×をやめました」となるのだろうか?

 日刊ゲンダイDIGITALの記事、全くもっとも。NHKに出てくる御用忖度専門家会議の医者、いずれも戦犯。

在野の専門家の方が正しい 原発事故と同じ展開

 LITERAの記事も同様。嫌韓こそ、愛国的でないことがばれた今、どう言い訳するのだろう。

ドライブスルー検査も「韓国の医療崩壊の象徴」とバカにして3カ月遅れに…安倍政権とメディアの“嫌韓”がコロナ対策を遅らせた

 文章にあるように、ドイツと韓国が、コロナウイルス危機における立派な最優良事例になったのは、両国の、宗主国に対する自立度の高さと、指導者と国民の民度の高さの反映だろうと思える。属国度が低いのだ。
 ドイツでは、そもそも宗主国の敵国、東ドイツ人科学者が首相だ。韓国では、宗主国が支援した独裁者の娘を国民の運動が打倒し、民衆の代表が大統領になっている。ひきかえ、この属国では、戦犯が宗主国の差配をつとめ、その孫が、上野動物園お猿の電車運転手を演じ、マスコミが喧伝して導入した小選挙区制のおかげもあって、戦争を率いた政党が、宗主国が資金援助も得て多数派のままだ。そもそも、マスコミも、学界も戦時の継続。明治150余年、明治維新の帰結としての敗戦後70余年、独立国のふりをして、宗主国侵略戦争を支援してきた属国の腐敗と怠慢の総決算を、今経験しているのではあるまいか。仲間びいきと忖度の150余年の結末。漱石が『三四郎』で書いていた。

『お互いは哀れだなあ』と言い出した。『こんな顔をして、こんなに弱っていては、いくら日露戦争に勝って、一等国になってもだめですね。もっとも建物を見ても、庭園を見ても、いずれも顔相応のところだが、――あなたは東京がはじめてなら、まだ富士山を見たことがないでしょう。今に見えるから御覧なさい。あれが日本一の名物だ。あれよりほかに自慢するものは何もない。ところがその富士山は天然自然に昔からあったものなんだからしかたがない。我々がこしらえたものじゃない』と言ってまたにやにや笑っている。三四郎は日露戦争以後こんな人間に出会うとは思いもよらなかった。どうも日本人じゃないような気がする。
『しかしこれからは日本もだんだん発展するでしょう』と弁護した。すると、かの男は、すましたもので、『滅びるね』と言った。――熊本でこんなことを口に出せば、すぐなぐられる。悪くすると国賊取り扱いにされる。三四郎は頭の中のどこのすみにもこういう思想を入れる余裕はないような空気のうちで生長した。だからことによると自分の年の若いのに乗じて、ひとを愚弄するのではなかろうかとも考えた。男は例のごとく、にやにや笑っている。そのくせ言葉つきはどこまでもおちついている。どうも見当がつかないから、相手になるのをやめて黙ってしまった。すると男が、こう言った。
『熊本より東京は広い。東京より日本は広い。日本より……』でちょっと切ったが、三四郎の顔を見ると耳を傾けている。
『日本より頭の中のほうが広いでしょう』と言った。『とらわれちゃだめだ。いくら日本のためを思ったって贔屓の引き倒しになるばかりだ』」

コロナ流行拡大が引き起こす大恐慌で、益々多くのそうした妄想が目に見えるようになって、葬られるはずだ。

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