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2020年4月25日 (土)

この流行は、最終的にアメリカ航空母艦艦隊の終わりを告げるのか?

2020年4月16日
The Saker

[本コラムはUnzレビュー用に書かれた]

 率直に言って、私は、アメリカ海軍空母打撃群が「冷戦を可能にしている」アメリカ海軍の要素だと考えたことは一度もない。そう、理論上、ソ連が彼らの潜水艦と航空機を、GUIKギャップを通って、大西洋にどっと送り込む前に(コラ半島で)「ソ連に戦争をもたらす」ため、これら空母を前方展開するという考え方があった。理論上、それは艦船600隻の海軍のはずだったが、決して、それは起きなかった。実際もちろん、アメリカ打撃群は、アメリカ政府の要求と組織的略奪に従わない国々の沖に停泊させ「植民地をしつける」究極的道具だった。20世紀、大半の国々は、アメリカ航空母艦を沈めたり、それに配備された比較的高度な戦闘機に勝ったりできなかったから、これはアメリカにとって全般的に見て非常に安全なゲームだった。

 「ソ連に戦争をもたらす」ことに関しては、もしそれが、今までに本物の戦争に至っていたら、非常に単純な理由から(航空機、水上艦と潜水艦から同時に発射される)手ごわいソ連の巡航ミサイル能力から、アメリカ空母は遥か遠くに置かれただろうというのが真実だ。このような攻撃に対しては、十分な数のソ連ミサイルが、空母周辺の防衛非常線を、まんまと通過し、成功裏に命中して衝撃的な結果になっている(航空母艦を沈没させるのは、それほど容易ではなくとも、損害を与えて、操作不能にするには、それほど多くのミサイル命中は必要ではない)。

 しかもそれは、キンザルズィルコンなどの極超音速ミサイルのずっと前の話だ!

 実際、ソ連を阻止したり、くじいたりする道具としては、アメリカ海軍打撃群は、1980年代、既に時代遅れで、それは、私の友人アンドレイ・マルチャーノフが彼の著書(ここここをご覧願いたい)や、ブログ(ここをご覧願いたい)で説明しているように、ロシアと戦うだけではなく、この種のミサイルを所有するどんな国とも戦う上で、基本的に全てのアメリカ海上艦隊を時代遅れにした極超音速ミサイルをロシアが配置するずっと前のことだ。このような国々には、既にインドや中国があるが、おそらくイランを含め、間もなく、ずっと多くの国々になるだろう

 だが今は、ミサイル問題ではなく、皆様がおそらくご存じの空母セオドア・ルーズベルトで最近何が起きたか論じたい。乗組員がウイルスに感染したので、艦長が助けを求める手紙を書いた(彼を批判する人々によれば、指揮系統無視のかどで)ため解雇された。彼の手紙はサンフランシスコ・クロニクルに公表され、ここで読める。

 興味深いことに、ブレット・クロジェ艦長下船の際、乗組員は起立して拍手喝采した。

 そして、トーマス・モドリー海軍長官代行は、クロジェ艦長を「愚か」と呼んだ。それも公になり、彼は謝り、辞職しなければならなかった(明らかに、モドリーは天才ではない!)。それからクロジェ自身を含め航空母艦乗組員の更に多くが病気になった!

 これはアメリカ軍専門用語で「クラスター・ブリープ」として知られるものだ

 だが、この話題については、多くの興味深い内容が報道されている。

 まず自明のことから。アメリカ海軍空母は、バイオ攻撃下では効果的に活動できない(本当に兵器化されたウイルスは、SARS-COV-2より遥かに伝染力が強く遥かに致命的だろう)。これは本物の化学戦争攻撃下でも、彼らがおそらく失敗することを示している。

 これを考えると、現実は、アメリカ空母は(実際の細菌戦能力を持った)ソビエト社会主義共和国連邦に対して使用可能な船ではなく、植民地制圧の兵器と見なせば筋が通る(大半の大学研究所や同類のものが何らかのウイルスを生産し、本当に兵器化された武器として使うことが可能だが、特殊送達システムで効果的に使える種類のウイルスは、限定された国々しか作れない)。だが理論上、軍事超大国の、あらゆる編隊/部隊/サブユニット/艦船/航空機/装甲車両/類は、核・化学・生物兵器攻撃に備えて稼働できるよう訓練されるべきだ。明らかに、少なくとも冷戦中は、アメリカでは誰も本当にこのような攻撃を予想しなかったから、これはアメリカ空母については、まずありえない。

 だが現状で、教訓は明らかだと私は思う。アメリカ海軍には、核・生物、化学兵器攻撃下で稼働する有効能力はないと思う。

 ところで、これは、保有する唯一の航空母艦で、乗組員の30%が感染したフランスにも、あてはまると思われる!

 第二に、指揮系統を無視するのは間違いなのには同意するが、次のことも考慮しよう。空母セオドア・ルーズベルトに多数の感染した乗組員がいる事実は、特に入港中、秘密にしておけるようなものではない。それだけでなく、彼が広く知れ渡ったものを書く前、クロジェ艦長が正規の指揮系統を通して他のメモを書かなかったことを我々はどのようにして知ることができるだろう? 結局、そのようなメモは、実に容易に機密扱いされ、決して公表されないのだ。

 本物の将官を、その行動ゆえに怒って「愚か」と呼んだ手順優先の官僚的怠け者にではなく、他のあらゆるものより、部下の命を優先した人物に、私は最終的に賛成する(待ってくれ!米海軍航空母艦艦長が愚か? ! どうしても私には、そう思えない)。

 本記事執筆時点で(4月14日)空母テオドア・ルーズベルト乗組員600人がウイルス感染し一人亡くなっている

 最終的に、4000人以上の乗組員が下船した(まだ1000人が、原子炉や他の重要なシステムを操作するため船内にいる)。

 言い換えれば、空母セオドア・ルーズベルトは、今完全に運用不能だ

 引用したCNN記事は、こういう結論で終わっている。

木曜日、ジョン・ハイテン統合参謀本部副議長は、国防省がウイルスの衝撃に対処しようと努力する中、アメリカ軍は将来類似の発生に備えて計画を立てる必要があると記者団に述べた。「空母テディ・ルーズベルトをユニークな問題と見なすのは良い考えではないと思う。海には余りに多くの艦船があり、我々は余りに多くの戦力を配備している。原子力空母には、5,000人の乗組員がいる。決して再び起きないと思うのは、計画を立てる良い方法ではない。我々がしなければならないのは、これらのCovid環境で、どのように計画を立てるべきかの理解だ」とハイテンが言った。

 アメリカ海軍がバイオテロ攻撃の脅威を決して真剣に受けとめていなかった更なる証明だ。

 正直に言って、陸軍にも同様な問題があるように思われ、これは私がカサド大佐のブログで見つけた、感染したアメリカ基地の地図だ。

 アメリカに本拠を置く軍隊は、いかなる本物の攻撃(おそらく、小火器を装備したテロリストによるものを除き)を決して想定していなかったように思われ、核・生物・化学兵器攻撃に対する予防措置は決して優先事項ではなかったのだ。

[補足説明:少なくともこれまでのところ(4月14日)、ロシアでは、ウイルス感染した軍人の症例がゼロなのに留意願いたい。これは将来ほぼ確実に変わるだろうが、ロシア部隊が、ロシア国内でも外国でも、ウイルスと戦うのを支援しているにもかかわらず、当面は事実だ。私の意見だが。]

 だが、これは公正な比較ではない。第一に、陸上の基地は、船舶、接岸中の船より、遥かに多く外界との接触がある。第二に、ずっと重要なことは、流行や化学・生物兵器攻撃の場合、陸上基地は、影響を受けた人々を、しっかり隔離したり、より多くの資源を搬入したり、彼らを守るため、より速く、要員を分散したりできる。船舶では、そうはできない。実際、船舶が大きければ大きいほど、一層「武装クルーズ船」、我々が皆知っている巨大培養シャーレのように見えてくる。

 流行が、「宇宙、最高、最強、最高装備で、最高に訓練された軍!に関する」衝撃的な現実に、大いに必要だった光をあてるにつれ、上記のような疑問の数は、ひたすら増えるだろう。比較的弱いウイルスから自らを守ることさえできないなら、有能な敵を破るなどできるわけがない。

 我々は答えを得るだろうか? 最終的には、おそらくイエスだ。だが当面、アメリカは、言い訳を用意しながら、他の人々を名指しし、非難する(特に中国やロシアやWHOさえ!)ことを狙っている。この戦略は、これまで数十年間、惨めな失敗だったし、将来も惨めな失敗だろう。

[補足説明:(アメリカが既に膨大な金額を滞納している)WHOへの出資を止めるというトランプの最近の決定は、アメリカが既に引き起こしている世界的な嫌悪を、おそらく更に増やす最悪の「国際的PR切腹」行為だ。我々の友人イスラエルは、秘密諜報機関モサドが実際に他の国々から医療機器を盗んでいるのを誇りに思っている。結局、イスラエル人全員が、ユダヤ人の血液が神聖で、非ユダヤ人の血液は価値がないことを知っているのだ。もう一つの「中東唯一の民主主義」が自ら課している「国際的PR切腹」だ。]

 だが、それはアメリカ政治家全員が、やり方を知っているものなので、近いうちに止まることはない。特にアメリカ支配階級にとって、膨大な金が絡むので「空母フィクション」として知られるものも、できるだけ長く、維持されるだろう。

The Saker

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記事原文のurl:https://thesaker.is/will-this-pandemic-finally-mark-the-end-of-the-us-carrier-fleet/

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 今日、更にニュースがある。

米駆逐艦「キッド」で18人感染、米海軍で2隻目の大規模感染

 在日米軍基地の状況はどうなのだろう。属国政府は、もちろん重要な情報は持っていないだろう。宗主国「属国政府はよらしむべし、しらしむべからず」政策を維持する。属国政府は「属国民はよらしむべし、しらしむべからず」政策を堅持している。

 中曽根が自慢した「不沈空母」今や「核・コロナ汚染不沈空母」へと進化した。全国、ダイヤモンド・プリンセス状態。国民の賢明な選択の結果なのだろうか?それとも、大本営広報部の洗脳宣伝と、小選挙区制導入のせいだろうか?

 この流行は、最終的に、敵よりこわい痴呆大本営が指揮する属国不沈空母の終わりを告げるだろう。

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