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2020年3月30日 (月)

コロナウイルス検査されるのを、アメリカ人が死ぬほど恐れている理由

マイケル・シュナイダー
2020年3月24日
The Economic Collapse

 コロナウイルス検査を受け、治療された後、34,000ドル以上の請求書を受け取ったら一体どんな気分になるだろう? この世界的大流行は、アメリカの医療制度が実に酷く破綻しており、アメリカは、このまま続けて行けないことを世界中に示している。世界の他の国々で、コロナウイル検査が、迅速に、安価に、広く利用可能なのに、なぜアメリカでは、そうできないのだろう? 1990年代の昔、民主党と共和党は、アメリカ医療制度を改めることについて戦っていたが、彼らはすべきことをしなかった。今、アメリカには全く恥ずかしい制度があり、それは我々の誰も今まで見たことがない最大の医療危機に圧倒されそうになっている。

 普通の状況下でさえ、大半のアメリカ人が、費用がかかるため、病院に行くのを死ぬほど恐れている。

 私は以前何度もこれについて書いたが、私でさえ、コロナウイルス検査し、治療するのに、34,000ドル以上費用がかかるとは想像しなかった。

 あるアメリカ人女性が、コロナウイルス検査され、治療された後、34,927.43ドル請求された語っているとタイム誌が報じている。

ダンニ・アスキニが、最初にウイルスの症状、息切れ、熱、咳と偏頭痛を感じた際、彼女は医者に、救急処置室に行くよう言われた。そこで、彼女は肺炎にかかっているが、家に帰れると言われた。症状が続き、悪化するにつれ、彼女は更に二回、救急処置室を訪れ、最終的にコロナウイルス検査をされた。三日後、結果は彼女がCovid-19陽性であることがわかった。

 一体どうして、請求書が、それほど高くなり得るのだろう?

 ダンニが指摘しているように、彼女は二つの学位に支払ったより多く病院に借りがある。

それで、この話は、私のCOVIDと、最終的な病院請求書の経験についてのものだ。34,927.23ドル - 私には決して返済できない、私が学士号と修士号に払ったより多い金額だ。 @realDonaldTrump @ewarren @AyannaPressley 助けてくださ! https://t.co/pJApXMPzcW
- Danni Askini (@danniaskini) 2020年3月20日

 悲しいかな、彼女は決して一人ではない。カイザー家族財団によれば、アメリカいたる所で、コロナウイルス患者が、極めて高い医療請求書で悩まされている

カイザー家族財団の新しい分析は、合併症がない雇用者保険を持っている人に対する COVID-19治療の平均費用は約9,763ドルと推定している。合併症がある人の治療は、その約二倍の請求になるかもしれない。20,292ドル。(研究者たちは、肺炎にかかった人々の入院平均費用を調べるて、これら数値を得た。)

 これが意味するのは、もし家族の誰か一人がウイルスに感染すれば、財政的に、直ちにおしまいになりかねないということで、もし健康保険をかけていなければ、特にこれは本当だ。

 議会が今、コロナウイルス検査の費用を負担する法案を通過させたが、悪いニュースは…「それは、治療費用に対しては何もしない」ことだ

公衆衛生専門家たちは、アメリカじゅうの何万人、もしかすると何百万人もの人々が、おそらく近い将来Covid-19のため入院の必要があると予想している。議会は、まだこの問題に対処していない。3月18日、検査費用をカバーするFamilies First Coronavirus Response Actを成立させたが、治療費用に対処するためには何もしない。

 ウイルスに感染した人々や当局者が、最終的に我々の大部分が感染し、治療には、検査より遥かに多くの費用がかかると警告している。

 人々は自宅でなんとか頑張り抜くと考えるかもしれないが、もしウイルスに酷く感染した場合は、病院に行くか、死ぬことになるだろう。

 ルイジアナのある医療労働者が、治療している患者について言っていることを、読者に一瞬お考え願いたい。

「コロナウイルス患者は、人工呼吸器を使うと、大多数が、我々ができる最高の環境を必要とする。約90%の酸素と、肺を膨らませておくための呼吸終末陽圧(PEEP)16。これは私が今までに見たものの中で最高です。今の我々のレベルは、我々がオプションを使い果たしているのを意味しています。

「私の経験では、これほど重度の急性呼吸窮迫症候群ARDSは、普通、肺の中に汚れた水がたまっていたり、腐食性ガスを吸い込んだりした、溺れかけた人の典型です。特に急性発症です。私は微生物や伝染病が、これほど急速に、こうした急性肺損傷を起こすのを一度も見たことがありません。それは本当に衝撃的でした。」

 多くのコロナウイルス患者が、常に溺れかけているように感じていると言っている。

 このルイジアナの医療労働者は、彼が治療しているひどい症例では、「本質的に、自身の血液と液体に浸って、肺が一杯なので」これは当然だと語っている。

「人が感染症にかかると、人々がそれと結び付ける通常の色を見るのに慣れています。緑と黄色です。急性呼吸窮迫症候群ARDSのコロナウイルス患者は、気道に漏れた血球で満たされているため、実際にピンクなのです。肺がそれほど満ちているので、彼らは本質的に、自分の血と体液に浸っているのです。それで、我々が病室に入る時には、いつも分泌物を吸引しなければなりません。」

 差し当たり、アメリカには、まだ全員に十分な人工呼吸器があるが、我々はまだこの世界的大流行のごく初期状態にあるのだ。

 ヨーロッパでは既に多くの病院が完全に圧倒されている。イタリアでは、ある医師が、数が限られている人工呼吸器装置の使用を60歳以上の患者は拒否されていると報じている。

病院で見聞きしているものからして、このような機械の数が限られているので、60歳以上の患者には人工呼吸器装置を使用させないよう指示されているとペレグは述べた。

 事態が深刻化すれば、医師は、誰を生かし、誰を死なせるか選択しなければならなくなる。

 アメリカ至る所でとられている措置が、このウイルスの蔓延を鈍化させ始めることが期待される。

 だが何百万人ものアメリカ人が毎日仕事に出かけ続けており、彼らの多くは仕事を休む余裕がない。

 実際、多くの宅配便運転手が、明らかに重い病気なのに、毎日仕事に出勤し続けていることが報じられている

荷物の箱を分類し、トラックに積み、国中に、それを輸送し、配達する益々多くの労働者が病気になっている。

彼らは咳や咽頭炎や痛みや熱という、コロナウイルスと一致する症状になっている。それでも、彼らは、出社しない場合に起きることを恐れて、混雑した出荷施設や倉庫やトラック物流拠点で、それぞれの勤務時間に出勤し続けている。

 だから、今度配達トラックが家に来た場合、距離をおきたくなるかも知れない。

 我々は、これまで、このようなことは一度も見たことがない。欧米世界は全て同時閉鎖しており、現在、ほぼ10億人の人々が、封鎖命令下にあると推定されている。

世界的なコロナウイルス死亡者数が11,000人を超え、既にヨーロッパ地域で導入されている都市封鎖施策をアメリカも導入し、土曜、世界で、ほぼ10億人が自宅軟禁された。

世界的大流行は、完全に、移動を制限し、学校を閉鎖し、何百万人もの人々に在宅業務を強いて、世界中の生活を覆した。

 言うまでもなく、これは経済にとって、絶対に衝撃的なものとなろう。

 読者が信じられかどうか、モルガン・スタンレーは、第2四半期、アメリカGDPが年換算で30パーセント下落すると予想している

三月に経済活動が、ほぼ完全停止した際、第一四半期のGDPが2.4%下がり、第二四半期には記録破りの30.1%の下落になるのを目にしている。三月には、非農業部門就業者数も、700,000人も減少すると予想されている。第二四半期には、平均12.8%という最高失業率を我々は予想している。

旅行や外食や他のサービスや、特に自動車支出などの消費者裁量支出の急落を我々は予想している。実際の個人消費支出が、年換算31%縮小すると予想され、これは第二四半期、消費者支出に大きな穴を開ける。

 セントルイス連邦準備銀行総裁は、もっと悲観的だ。

ブルームバーグ・インタビューで、セントルイス連邦準備銀行総裁は、アメリカGDPが未曾有のマイナス50%で、コロナウイルスと戦うための一時休業で、第二四半期のアメリカ失業率は30%になるかもしれないと予測した。それはアメリカが(公式に)行った、あらゆる戦争よりひどいだけでなく、大恐慌最悪の日々の二倍以上悲惨だろう。

 確かに、アメリカを、ぞっとするような不況に陥れるのに、多くは要しなかった。

 二カ月前、大半の人々にとって、万事順調に思えていたのだ。

 だが金融市場が崩壊しつつある今、労働者は未曾有の率で失業しており、今回閉鎖された企業の多くは決して再開されるまい。

 コロナウイルスの恐怖は「あらゆるバブル」崩壊させたが、我々が今経験しているものは、始まりに過ぎない。

筆者について:一般に眠ったままの状態で満足しているように思われる社会の変化を求めて私は発言している。私の名はマイケル・シュナイダー、私はThe Economic Collapse Blog, End Of The American DreamThe Most Important Newsの発行人で、私が、これらサイトで公開する記事は世界中の多数の著名ウェブサイトに転載されている。私はAmazon.comで購入可能な四冊の本を書いている。The Beginning Of The End, Get Prepared Now, と Living A Life That Really Matters。(#CommissionsEarned)これらの本を購入いただければ私の仕事の支援になる。私は常に自由に、喜んで、他の人々がウェブサイトに、私の記事を転載するのを認めているが、政府の規定ゆえ、各記事に、この「筆者について」の掲載をお願いしている。そうした政府の規定に従うべく、皆様は、この記事の論争の的になる意見は、もっぱら私のものであり、必ずしも私の記事を転載するウェブサイトの考えを反映しないと明記する必要がある。この記事に含まれる内容は一般的な情報目的のためで、どのような法的、事業的、財政的、医療決定をする前に、読者は資格のある専門家に相談すべきだ。コメントをすること、この記事にコメントをする人々は、彼らの見解に責任を負い、それら見解は、必ずしもマイケル・シュナイダーや、私の記事を転載するウェブサイトの運用者の考え方ではない。Facebookや、ツイッターなどのソーシャル・メディアで、私をフォローするようお勧めする。皆様が他の人々とこれらの記事を共有していただくのは、どんな方法であれ偉大な支援だ。この非常に困難な時、人々はこれまで以上に希望を必要とするだろうから、できる限り多くの人々とイエス・キリストの福音を共有するのが我々の目標だ。

記事原文のurl:http://theeconomiccollapseblog.com/archives/this-is-why-people-all-over-america-are-scared-to-death-of-being-tested-for-the-coronavirus

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 鳩山由紀夫氏の投稿が物議 東京は「五輪実現のため感染者少なく見せ…」SNS荒れる という記事をみかけた。

 kill the messenger, shoot the messengerという英語慣用句を連想。「良くない知らせを持ってきた人を責める」という意味。政府トップや、御用専門家会議や、都知事のデーター隠蔽、検査妨害を責めるのなら理解できるが。慣用句「お門違い」とも訳せるだろう。yahooの「ニュース」なるものには、とんでもないネトウヨ・コメントが延々書き込まれていることが実に多い。どこかに予算たっぷりのスポンサーがいくのではと妄想したくなる。

 孫崎享氏の今日のメルマガ。ネトウヨ連中は知りたくない真実。

多くの日本人は見たくない記事であろうが。「世界で賞賛される韓国コロナ対策の凄み、行動制限課さず増加曲線を抑制」NYT→東洋経済、教訓1:介入は早く、危機的状況になる前に、教訓2:検査は早く、頻繁に、安全に。検査30万回以上。当局検査キット開発要請。

 韓国とはあまりに対照的な、お粗末な連中を奉じる国の真実を植草氏は書いておられる。

 植草一秀の『知られざる真実』

安倍晋三・小池百合子の支離滅裂コンビ

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