中南米の活動家と先住民指導者にとって増大する危険
ラモナ・ワディ
2020年2月8日
Strategic Culture Foundation
中南米の先住民や環境保護活動家、人権擁護活動家は暗殺の危険に脅かされ続けている。ニカラグアでは、土地を巡る戦いが続く中、6人の先住民が移住者に殺された。先住民共同体は、移住者による土地奪取と暴力に対する政府の怠慢に不平を言い、絶滅の不安を表明している。
一方メキシコでは、一週間内に、チョウ保護区で働く二人の環境活動家が死亡しているのが発見された。オメロ・ゴメス・ゴンザレスは溺死しているのを発見され、検死によれば、頭部に傷を受けていた。彼の活動は、違法伐採ベンチャーと、アボカド栽培の秘密農業の権益と衝突し、安定した経済事業として、環境ツーリズムを主張していた。オメロの兄弟アマード・ゴメスは「彼らは、社会のために何かをしている人々、あらゆる活動家をやっつけて、奇妙なことが起きている。」と述べた。
2008年、ユネスコにより世界遺産として分類された保護区で働いていたツアーガイド、ラウル・エルナンデス・ロメロは、鋭利なものによる頭の傷を受けた状態で死亡しているのを発見された。
メキシコ、芸術家、活動家で母親のイザベル・カバニリャス・ド・ラ・トーレは頭に銃弾を受けて殺された。彼女の活動は女性たち、環境と移民を守っていた。
2020年1月、Front Line Defendersが公表した報告書は、2019年、世界で304人の活動家が殺されたことを明らかにしている。コロンビアでは、106人の活動家が殺害され、人権、先住民、環境の抗議行動に対して、中南米を最も危険な地域にしている。殺された活動家のうち40人が先住民指導者であることが判明しており、他方、少なくとも53人の先住民活動家が脅迫された。2018年、環境活動家殺害で、この地域が統計で一位だった。
農業と採掘産業の取り組みで、事業のために、開発されていない土地へと目が向く中、先住民の土地は、政府の標的のままだ。先週水曜、ブラジルのヤイル・ボルソナーロ大統領は、2019年の言説を進めて、先住民共同体を、彼らの土地のいわゆる開発に参加するのを許して、機会均等を与えるという口実で、先住民の土地を、採掘企業や農業やエネルギー企業が使えるようにすると言い出した。だが先住民共同体は、この法案を「大量虐殺」だと言っている。
2019年9月、ブラジル先住民共同体の保護活動家が、コロンビアとペルーとのブラジル国境近くで、オートバイに乗っていて撃ち殺された。国立先住民保護財団FUNAIの前職員、環境保護部門の長、マクシエル・ペレイラ・ドス・サントスは、ブラジル政府の資本主義政策と直接対決していた。猟師や農民や木こりへの進入拒否を含む彼の活動は、ブラジルの未接触先住民共同体も保護していた。
主流メディアでは、これら事件のわずかしか、ベルタ・カセレスやマカリナ・バルデスや、マリエル・フランコのような目立つ主要ニュースになるまい。だが中南米諸国政府が、主に、多国籍企業の野望や政府政策につながる暴力を見て見ぬ振りをするが、それぞれの被害者を記憶することは必要だ。最近、ブラジルの駐フランス大使ルイス・フェルナンド・セーラは、ブラジルのボルソナーロが大統領候補だった時に、彼が刺されたことより、マリエル・フランコ暗殺に注目したことでフランス議員に文句を言った。セーラ大使が省いているのは、ボルソナーロ刺傷事件での精神病とみなされた人物の行為と、先住民の土地における多国籍企業権益のために、圧制的な政策で、先住民共同体を壊滅して、アクセスを促進するのに懸命な政府の意図的行動との違いだ。
国家とその機関と多国籍企業間の協力は、メキシコでも明白だった。ゴメスの死の調査の一部として、警官53人が殺人に関して尋問された。関与に関する情報は出ていないが、ゴメスが殺されたオカンポは、当局に賄賂を使って、自分たちの勢力を確保する凶暴な犯罪組織の活動で悪名が高い。
事業を装って活動し、政府の権益に奉仕する、組織犯罪の増加で、活動家たちは、いかなる保護の装いもないまま、増大する危険に直面しているのだ。
個々の寄稿者の意見は、必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。
ラモナ・ワディは独立研究者、フリージャーナリスト、書評者、ブログ作者。彼女はパレスチナやチリや中南米に関し、広範囲の主題を報じている。
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雑誌『世界』3月号 吉田敏浩氏の記事「砂川裁判最高裁判決」の呪縛は解けるか─日米安保体制を根本から問う国賠訴訟 によれば、第三回口頭弁論は二月一二日に開かれる。
宗主国に対する余りにも違う姿勢の彼、本気だろうか? 一寸の虫にも五分の魂?
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